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「フェノミナ」 同じパターンながらより洗練された

ダリオ・アルジェントの作品。シャドーからさらに時代は3年下って、1985年製作の「フェノミナ」です。主演にジェニファー・コネリーを迎えたこの作品は、彼の作品の中でもポピュラーなものと思われますが、まだ見たことがありませんでした。今回、これもGYAO!に登場していたので、見逃しませんでしたよ。

あらすじ
チューリッヒ郊外の田園地帯。観光に来たヴェラ(フィオーレ・アルジェント)は、首を切断さ殺害される。そして、俳優の娘ジェニファー(ジェニファー・コネリー)が、チューリッヒに到着。女教師ブルックナー(ダリア・ニコロディ)と共に寄宿学校へ向かった。ジェニファーは昆虫とコミュニケートできる特殊能力の持主であった。ジェニファーは、奇怪な夢にうなされ、夢遊病者のように彷徨い出ると、少女の殺害現場を目撃してしまうが、徘徊中のことで、記憶には深く残らなかった。それからほどなく、ジェニファーの服装を借用していた、ルーム・メイトのソフィーが惨殺される。ジェニファーは蛍に導かれ、犯人のものと思われる手袋を発見。昆虫学者のマクレガー(ドナルド・プレゼンス)の 元に持ち込むと、死肉を好むニクバエと判明。この虫を使って、死体の隠し場所を探そすことを提案する。ジェニファーはニクバエを入れた箱を持ってバスに乗り、ヴェラが殺された家へ入り込むが、すでに廃屋になっていた。一方、恐るべき殺人鬼はマクレガーを惨殺、ジェニファーは恐くなり、寄宿舎を逃げ出そうとしたが…。



スイスの観光地でバスに乗り遅れてしまったヴェラは、フィオーレ・アルジェント。アーシアの姉に当たり、これが映画デビューでした。ヴェラは、仕方なく近所にあった一軒家を訪ね、いかにもといったその家に入って、「誰かいませんか?」ですが、これはもうお決まりのパターンで、魔の手にかかってしまいます。そのヴェラの切断され、蛆のわいた首を見ているのは、昆虫学者のマクレガーと刑事。この時交わされたニクバエの蛆から死亡時期が解るという会話は本当のことの様です。ウィキペディアにも載っていました。

さて、主役のジェニファー・コネリー登場。ジェニファーは冒頭から虫との親密性を発揮します。アメリカからやってきて、ヨーロッパの寄宿学校に入るというのは「サスペリア」と同じパターンですね。そして、夢遊病として徘徊し、事件に遭遇。その先で、昆虫学者のマクレガーの家に行き、マクレガーはジェニファーが現れたことによる昆虫たちの異常な反応に目を奪われます。ジェニファーは昆虫と交信できる特殊な能力を持つと結論付けられました。

その後、同室のソフィーも殺害され、さらに魔の手はこれまでの事件に偶然関係した者に広がっていきます。一方、ジェニファーは寄宿学校で、夢遊病+昆虫と交信できると言う事で、異常者扱いされいじめにも会いますが、その時怒りのジェニファーに呼び寄せられた蝿の大群が寄宿学校を襲い、皆を恐れさせ、「ベルゼブブ」とたとえられて精神病院に入れられそうになりますが、寄宿学校を脱走。いざアメリカに帰ろうとしたとき、女教師ブルックナーに連れ帰られました。そして…。

フェノミナ

さて、アルジェントのサスペンススリラーを最近見続けていましたが、これはよくまとまっています。ミステリー的要素は相変わらずで、大した伏線が無いので、謎解き的な納得感は相変わらずありません。しかし、「サスペリア」のように超常現象が入ると、ミステリー的要素は重要でなくなってしまうので、大変よくまとまった話に様変わりします。そういう意味で、この映画は大成功と言えるのではないでしょうか。

これまで見てきたアルジェントのサスペンススリラーのエッセンスが詰まった総集編的な映画とも言えると思います。アメリカから来た女学生は、「サスペリア」。アメリカから来ただけなら「シャドー」もそうですし、「サスペリア PART2」も他国から来て事件に遭遇。ガラスに首を突っ込んで死亡するシーンは多数見ましたが、ここでも健在。首をスパっと刎ねられるのも、やはり多数。伏兵の背後からの登場は「シャドー」。そして、「サスペリア PART2」の人形が今度は実写で出てきたような面影がありはしませんか?

こわっ!と思ったのは、ブルックナー夫人が目を剥いた形相。白目が一瞬やたら大きくなりました。これは凄い。いままで映画で見た怖い形相の中でもトップクラスです。ダリア・ニコロディさんですが、アルジェント作品の常連ですね。それも準主役級を演じ続け、アルジェント作品に無くてはならない女優さん。アーシア母です。

そして、やはりジェニファー・コネリーが最高です。ベルゼブブになってしまいましたが、蝿の女王も、この世で君臨していく。敵を倒した女王は、サスペリアのジェシカ・ハーパーと同様。この世界で魔女として君臨していくのでしょう。虫を操るジェニファーは神々しいまでの美しさを見せてくれました。

という訳で、アルジェントスリラーの総集編のような映画でもあり、ジェニファーというヒロインを得て美しく仕上がり、ストーリーもしっかりしているので、凄惨な場面より、気色悪い場面が多いのですが、「サスペリア」と並んで芸術的なホラーと思いました。最後に、プログレチックなユーロロック。映画にぴったりフィットして最高です。
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テーマ : 映画レビュー
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Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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