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「シマロン(1931)」 オクラホマ開拓40年とヤンシーの生涯

名作を見る8月その8。第4回アカデミー作品賞を獲得したシマロン。同時に脚色賞・美術監督賞と3部門の受賞に輝きました。1931年の映画で、監督はウェズリー・ラッグルズ。RKOの製作です。
原題:Cimarron (1931)

あらすじ
1889年。オクラホマでは、競争によって土地の分割占有権を得ることができる日がやってきました。数千の車馬が一斉にスタート。ヤンシー・クラバット(リチャード・ディックス)は、その競争に臨みましたが、ディクシー・リー(エステル・テイラー)に欺かれ、狙った土地を逃してしまいます。故郷のウィチタに戻ると、家族の反対を押し切り、妻セイプラ(アイリーン・ダン)と小さな息子シマロンを連れて、オクラホマのオセージに移住。ヤンシーは新聞社を興すとともに、町の有名人となり牧師も代行。殺人容疑のかかる町のならず者一家も一掃してしまい、ヤンシーの新聞は町で確固たる地位を築いていきました。さらに、娘も誕生。町を襲った盗賊一家も撃滅します。しかし、元来放浪癖のあるヤンシーは、じっとしていられず、新たな土地占有競争の話を聞くと突然姿を消してしまいます。

1898年に突然帰って来たヤンシーは米西戦争の軍服を着ていました。新聞を発行し続け、町の政界でも有力者となっていた妻の対面を慮ることなく、過去の経歴の為、住民から謂われなく排斥されようとしているディキシー・リーの弁護に立ち、正義を訴え、無罪を勝ち取ります。1907年、オクラホマは合衆国の州となり、インディアンたちも居留地から出た石油のおかげで富を得ていき、白人と肩を並べるようになります。そのインディアンを搾取しようとする一部の政治家の陰謀を、妻の反対を押し切ってすっぱ抜くと、再び町から消えてしまいました。

1929年。セイブラは新聞の40周年にあたり、大反響を起こした20年前の記事を思い起こします。セイブラは、やがて下院議員に当選。婦人としての政界進出を果たし、そのパーティーの日、オクラホマ開拓者ヤンシー・クラバットの像の除幕式と油田の見学会が行われる予定でした。家族や過去から新聞とヤンシー一家を支えた来た人たちに、ワシントンからの来客も加わったパーティーが無事終わり、一行が見学に向かった頃、事故の一報が飛び込んできます。それは、大爆発を起こす寸前に、油田創業以来働いていた、ヤンシーじいさんが、身をもって犠牲となり、多数の人を救って重傷となっているとのこと。セイブラはそれを聞くと、ながらく消息が無かった夫だと確信して現場に駆け付け、重傷で倒れていたヤンシーは、妻の腕の中で息を引き取ったのでした。



シマロン(1931)

オクラホマの40年の歴史を開拓者ヤンシーとその妻のドラマを中心に描いた作品でした。西部劇的な要素もありますが、それは前半まで。後半は町の発展にまつわるドラマとなっていきます。長い歴史を2時間に収めるスタイルで、こういった話は立ち上げの苦労の部分が見もの。そのエピソードは前半に集約され、西部劇風の展開。1907年になると一気に町が近代化しており、現代劇の様相となってくる構成です。そういえば、国盗り物語だって、前半の斉藤道三の下克上がとても面白かったことを思い出し、同じような感じかな…と思ったりしました。後半は、ポンポンと時代が飛んで、端折っていった感じです。

1931年の作品という事で、サイレント時代からトーキーに移行して数年のこと。30年代の後半以降のスタイルが確立した作品と比べてみると、粗削り間はありますが、ストーリーはけっこう楽しめました。発展する町の歴史と、その町の発展の原動力となった開拓者たち。40年たってみれば、ビジネスや政治に活躍するのは、次の世代に移っていき、その中でまだまだ前進するセイブラは中央政界へ。時代を支えた開拓者たちは今や年老いて静かに暮らしているという構図になりました。そんな中で、常にフロンティアスピリットの塊であったヤンシーは、富や権力には無縁で、一人地道な仕事に従事していました。セイブラの政界進出も、ヤンシーの公正かつ前向きな思想あってのことと思います。

オクラホマの油田と言えば、スーザン・ヘイワードが活躍する「タルサ」を思い起こしますが、これも女性が大活躍。実業の世界でも政治の世界でも、女性の進出が目覚ましかった時代の様です。映像も構成的にも、サイレントからの移行期という感じで、ちょっと古いかなという感じもあり、表現もサラッとなぞっている感は否めないのですが、40年の時の経過の中に、その時代時代を象徴するようないろいろな人物像や風俗を織り込み、歴史物語として面白さを出しているところや、冒頭の土地占有競争の迫力や、外連味の無いフロンティア・スピリットの表現など、ちょっと勉強になりました。

2020.8.8 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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torrent13

Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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