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「Love & Friendship」 オースティンのLady Susan の映画化

ハノイとホーチミンを結ぶベトナム航空では、最近最新鋭機種が投入されていて、国際線と同じプログラムでの機内エンターティンメントを見ることができます。しかし、ヘッドホンとかは配られないので、見るならご自由にという感じで、正式に提供されているサービスではないようです。今日は、イアホンを持っていたので、2つの穴の一つに程よい深さで差し込むと、音声を聞くことが出来たので、さっそく鑑賞して見ました。飛行時間は2時間に満たないので、90分物の作品を1本。見終わる頃には着陸態勢に入っていました。

あらすじ
未亡人スーザン・バーノン(ケイト・ベッキンセイル)の評判は、男を手玉にとるといった悪名高いものだった。ある日義妹であるキャサリン・ヴァーノン(エマ・グリーンウェル)家を訪問、滞在することにする。キャサリンはスーザンの滞在を快くは思っておらず、彼女の弟であるレジナルド(Xavier Samuel ) に、スーザンには気を付けろと警告するが、彼は、すぐに彼女の虜になってしまった。
一方で、レディ・スーザンは、娘であるフレデリカ(Morfydd Clark)に、金持ちではあるが愚かなジェームス(トム・ベネット)と、将来の生活のため結婚させようとしていた。フレデリカは、これを恐れて学校から逃げ出しキャサリン家にやってくると、ジェームスもこれを追ってキャサリン家に到着し、スーザン、キャサリン、レジナルド、フレデリカ、ジェームスなどが共に生活する複雑な状況が生まれる。その中で、フレデリカにはレジナルドへの愛情が芽生え、レジナルドはスーザンに惹かれていく。一方、ジェームスはそういったことにはいつも無頓着であった。
レディ・スーザンにはロンドンで落とした愛人である、マンワリンがいた。ロンドンに戻ったスーザンはマンワリンと再び会い始めるが、レジナルドもロンドンに滞在しており、微妙なすれ違いの鉢合わせで、スーザンとマンワリンの関係を知ることになる。そして最終的には、スーザンは、親友でいつも打ち明け話をしているジョンソン夫人(クロエ・セヴィニー)の勧めで自らジェームスと結婚、レジナルドとフレデリカは無事結ばれめでたしめでたしとなりました。



というようなお話でした。「高慢と偏見」など、英国の田舎を舞台とした小説で有名なジェーン・オースティンの書簡体短編小説の忠実な映画化になっています。語り口はどちらかと言えばコメディタッチです。時代設定は、バロック音楽の時代から古典派の初期にかけてということで、その時代の音楽が常に流れています。衣装やセットもなかなか美しい。

しかしですよ。この映画、とっかかりが解りづらく、冒頭それぞれの登場人物が立て続けに名前と役割を紹介されますが、本を読むならまだしも、映画で一瞬見ただけだと覚えられないので、なかなか入り込みづらい雰囲気でスタートしました。この辺りは、いずれ解っては来るのですが…。

この物語のポイントは、レディ・スーザンという人の性格描写でしょう。彼女の言を借りていえば、世間の風評は、皆嫉妬心から出ているのよ。いい迷惑だわ。と、始終表明しています。娘のフレデリカには、結婚は絶対金持ちとするべき。今までお金が無い事でどんなに苦労を強いられてきたか。と言ってジェームスを押し付けますが、フレデリカは一生の問題をそういうことで決めたくないと懇願します。スーザンはそんな些細なことで、という調子で周りの男性をいつも惹きつけています。彼女に太刀打ちできるのは、名うての商人が束になってかからないといけない、というのがもっぱらの評判なのです。すごく嫌なきつい女なのですが、それ以上に魅力的で憎めない女でもあるのでした。

スーザンと、ジョンソン夫人(クロエ・セヴィニー)は親友でいつも意気投合し、打ち明け話をしていますが、その女同士の話の内容は辛辣で結構怖いものです。ジョンソン夫人はスーザンに同調していますが、夫から悪名高いスーザンと縁を切らないとアメリカに連れて帰ると言われています。しかし、二人は会い続けています。スーザンにとってジョンソン夫人は解りあえるいい相談相手。結局、フレデリカが嫌がるなら、自分で結婚して金持ちになればいいじゃないの、というジョンソン夫人の助言を受け入れ、自らジェームスと結婚し、フレデリカは好青年のレジナルドと結婚することになりました。スーザンとジョンソン夫人の組み合わせ、ケイト・ベッキンセイルとクロエ・セヴィニーですが、二人とも魅力的な女優さんなので、ちょっときつめのOL同士が交わしている会話の様ではありますが、それ以上の圧倒的な魅力を醸し出していました。

Love & Friendship

さて、この映画は欧米ではかなりの評判だったようですが、日本では今のところ未公開。けっこう全世界で公開されていますが、日本ではどうでしょうか。コメディですが、ちょっと私には笑いのツボが捕らえづらく、ジェームスの言動とか確かに面白いし、レディ・スーザンの話している内容って、大真面目で結構ずれているところとか、笑うところかもしれませんが、笑うタイミングが解りません。聖書の内容を使ったギャグなんかも織り込まれていますし、牧師さんの引用も、えっ??というようなものがあったりとか、十戒に関することとか…。そのあたりのことは、こちらは笑っていいものかどうかも解らず…。

やはり、ベースにキリスト教の文化があって、英国の田舎や、貴族社会の事情を身近にわかっていて、ジェーン・オースティンの小説やその世界に慣れ親しんでいて、といった条件が一つでもあればいいと思いますが、どれも無い私としては、頭で解るが気持ちとしてなかなか入ってこないという映画でありました。別に日本人を代表するわけではないですが、日本でこれを自然に受け入れるということは、英文学に趣味のある人でなければ、なかなか難しいのではないか?というのが率直な感想です。

映画としては、ブリリアントな俳優と衣装、美しい音楽、節度のある演技など、なかなか見どころは多かったと思います。
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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torrent13

Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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