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「我等の生涯の最良の年」 復員兵を迎えるアメリカの社会

オスカーでは、特別賞や記念賞を含めた9つの賞を受賞。アカデミー作品賞にも輝きました。1946年の映画で、ウィリアム・ワイラーの作品です。当時、この映画は戦後の世相も反映し、大ヒットを記録しました。
原題:The Best Years of Our Lives

あらすじ
第二次大戦が終わり、ブーンシティ出身の三人の復員兵、アル・スティーブンソン(フレドリック・マーチ)、フレッド・デリー(ダナ・アンドリュース)、ホーマー・パリッシュ(ハロルド・ラッセル)は、同じ軍用機に乗り合わせ、故郷に帰ってきます。水兵のホーマーは両手を失い義手を使用。家族と恋人のウィルマ(キャシー・オドネル)の歓迎を受けますが、義手に対し哀れみの目も伺えました。陸軍軍曹のアルは、妻のミリー(マーナ・ロイ)と成長した娘ペギー(テレサ・ライト)、息子ロブの歓迎を受けます。美しく成長したペギーの男性関係を案じつつ、すぐには家庭に溶け込めないアルは、気分直しにミリーとペギーを連れて夜の街に繰り出しました。空軍大尉のフレッドは、質素な実家に帰宅すると、妻のマリー(ヴァージニア・メイヨ)は、ナイトクラブで働きながら一人暮らしをしていると聞き、街に出ますが見つかりません。3人はその夜、思い思いに訪ねてきた、ホーマーの叔父ブッチ(ホーギー・カーマイケル)のバーで再会。アルとフレッドは酔い潰れ、ミリーとペギーが二人を連れ帰りました。フレッドがマリーと再会したのは翌日でした。

アルは以前勤めていた銀行に、副頭取として復職。ホーマーは義手をジョークのタネにし、陽気にふるまいますが、内心引け目を感じ、ウィルマの愛情も哀れみと受け取っていました。フレッドはドラッグストアに復職しますが、安月給で以前の部下が上司という環境、他に仕事も見つからないまま貯金を使い果たしてしまいます。ある日、ドラッグストアに買い物に来たペギーを昼食に誘い、別れ際に彼女に強引にキス。ペギーも妻帯者のフレッドを愛し始めてしまい、マリーが収入が激減したフレッドに愛想を尽かしていることに気づくと、家に帰り、両親に二人を別れさせると宣言しました。驚いたアルはフレッドを呼び出し、娘から手を引けと迫ります。フレッドは折れて、ぺギーに別れの電話を掛けることになりました。

ドラッグストアで起きた、ホーマーと客のいざこざに巻き込まれたフレッドは退職。その時ホーマーに、ウィルマに結婚を申し込むよう諭します。ウィルマは、自分がホーマーの重荷になっているので、両親が離れさせようとしていると告げ、ホーマーはいかに障碍者と生活を共にするのが大変かを示しますが、ウィルマは愛で乗り越えられると答え、二人は固く抱き合いました。ある日、フレッドが帰宅すると、マリーが見知らぬ復員兵といるのを目撃し、マリーは悪びれもせず、離婚を言い渡して出ていきます。フレッドは町を出ることにし、飛行場へ向かうと、そこには夥しい数の解体中の軍用機ががありました。機体に上っているところを呼び止められたフレッドは、解体作業員として雇ってくれと頼み込みます。ホーマーとウィルマの結婚式の日、アルの一家やフレッドもホーマーの家に集まりました。ホーマーとウィルマが誓いの言葉を述べ、皆に祝福されている中で、フレッドとペギーは離れたところから見つめ合い、やがて歩み寄ると、二人も抱き合って将来を誓うのでした。



我等の生涯の最良の年

1946年のアカデミー賞を席巻した名作です。3時間近い長さの映画ですが、まったく飽きることなく、最後まで楽しめました。それぞれの人物描写がはっきりしており、演技も撮影も素晴らしい映画だと思います。当時のアメリカの雰囲気も良くわかりました。インパクトがあったのは、たくさんの解体する飛行機が並んでいるところ。平和になればお役御免となり、維持もできないので解体して、民生用の鉄に再生されます。復員兵の立ち場を象徴しています。その機体に自分の姿を重ね合わせ、平和の世の中に貢献する決意をするフレッド。この映画の名場面だと思います。

同じ年に、「素晴らしき哉人生!」が公開されましたが、興行的には失敗し、アカデミー賞でも無冠に終わっています。今ではむしろ評価が逆転しているくらいと思いますが、この映画はやはり当時の世相に受けたのではないかと思います。あくまで、戦争で苦労をした復員兵を讃える映画で、反戦的な思想は時々表現されますが、叩きのめされています。復員兵を前に言う言葉じゃないということはわかりますが、ワイラー監督はどういう立場だったのでしょう。敢えて入れて少しでも主張したかったのか、あるいは叩きのめしたかったのか?このあと、すぐに朝鮮戦争、ベトナム戦争と続いていくベースに、この映画が受けたという世相があったのではとも思いました。

3つの家族の中でも波乱の展開だったフレッドの家族ですが、この女優たちの中では、実はヴァージニア・メイヨが気になっていて、フレッドがなかなか探し当てないので、出現が待ち遠しかったのです。「白熱」で見た彼女が結構好きだったので、再会を楽しみにしていたのでした。部屋は散らかし放題で、あっさり離婚してしまうという遊び人の人妻でしたが、まぁヴァージニア・メイヨはこういうキャラですからねぇ。しかし、私生活では離婚歴のない女優さんで、ハリウッドで珍しいタイプなのですが。という訳で、名作を堪能しつつ、当時の世相を感じた3時間でした。

2020.6/17 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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torrent13

Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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