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「チャップリンの独裁者」 第二次大戦前夜の歴史的コメディ

この映画は、超有名なコメディなんですが、昔からテレビでも繰り返し放映されていましたので、通して見ずとも部分部分においては、記憶に残っているシーンが多々あります。今回、久しぶりに全編通して見てみました。監督は勿論チャールズ・チャップリン1940年の映画になります。オスカーは受賞は逃していますが、作品賞以下5部門ノミネートです。

あらすじ
第一次大戦で、床屋のチャーリー(チャールズ・チャップリン)は、トメニアの陸軍砲兵部隊に所属。負傷した士官のシュルツ(レジナルド・ガーディナー)を救出。重要書類を届けましたが時すでに遅く、トメニアはすでに降伏していました。

チャーリーは墜落のショックで記憶を失い、病院で20年間を過ごしたのち、ゲットーにある自宅の床屋に帰って来ました。そのころ、トメニアでは独裁者のヒンケル(チャールズ・チャップリン:二役)が政権を握っており、偶然にもチャーリーと顔が似ているのでした。チャーリーはこの間の経過を理解しておらず、ヒンケルの突撃隊が自分の店にペンキで書くユダヤ人を表す落書きを消そうとして、突撃隊にと争いになります。そこに、かつて命を助けた突撃隊長のシュルツが通りかかり、事なきを得ました。

ヒンケルはオストリッチ侵略を企て、ユダヤ資本から金を引き出すため、ユダヤ人抑圧を一旦緩和します。ゲットーの住人たちは、平和が戻るのではと淡い期待を持ちますが、資金援助を断られたヒンケルはユダヤ人迫害を再開、シュルツにゲットーの破壊を命じました。そして、これにシュルツが反対したため、シュルツは失脚します。突撃隊は、失脚の原因となった床屋のチャーリーを襲撃し、弾圧が厳しくなったことから、隣人のハンナ(ポーレット・ゴダード)たちは、隣国オストリッチへ亡命を決めます。一方、脱走したシュルツはゲットーに逃げ込み、ヒンケル体制の転覆を計画しますが事前に発覚。チャーリーとともに収容所に送り込まれました。

ヒンケルはオストリッチへの侵略計画を進めまる中で、隣国バクテリアの独裁者であるナパロニ(ジャック・オーキー)との駆け引きとなり、二人の独裁者は妥協するものの、ヒンケルは即座に反故にしてオストリッチ侵攻を決行。ハンナたちも、再びヒンケルの支配下に置かれ、絶望の淵に追いやられました。シュルツとチャーリーはトメニアの軍服を奪って、収容所を脱走。トメニアの将兵たちは、チャーリーを本物の、「シュルツを従えたヒンケル」と間違え、丁重に迎え入れます。同じころ、ヒンケルは国境付近で単身で待機していたところを、脱走したチャーリーと間違えられて逮捕されてしまいました。

チャーリーはヒンケルとして、トメニア占領下のオーストリッチの首都に到着。大勢の将兵を前に演台に立ったチャーリーは、自由と寛容、人種の壁を越えた融和を訴え、兵士たちの拍手喝采の中、ハンナにラジオを通じて語りかけるのでした。



チャップリンの独裁者

きっとこの映画は、約30年ぶりに通して見ます。昔、テレビでやっていたのをビデオに録画したという記憶もあり、数本あった、VHSのエアチェックコレクションの一つ。だいぶん細かいところは忘れていますが、見ているうちに思い出してきます。特に、先の大戦の場面での、チャップリンの映画らしいコメディが面白く、そして、独裁者の日常を描く、地球の風船をもてあそぶ場面は、大変シニカルな映像で、これこそ超一流の風刺と言えると思います。

時代は、ホロコーストがこれから本格的に進行しようとする時代。これから起こることを考えると、それどころじゃないという感じもあります。危機感を持ちながらも、いまよりひどいことは回避されるという希望もまだあったのでしょうか。オーストリア併合が1938年、ポーランド侵攻が1939年。この映画の公開が1940年ですから、大戦が勃発したばかりのころの製作という事になります。上海事変は起こっていますが、太平洋戦争には至っていません。まさしく破滅への前夜です。

ラストは、まさにチャップリンからの世界への呼びかけですが、現実を考えるとむなしく響きます。普遍的な内容の演説ですので、この映画のあと、起こったことを考え、またこの映画を見るという事で、その2つの間を考えてみるという事だと思います。チャップリンの映画としては、手放しで見れない重い内容を、軽妙なストーリーに包み込んだ、人類へのメッセージということができるでしょう。時々見返してみるべき映画ですね。

2020.5.28 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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torrent13

Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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