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「鍵(1997)」 耽美的な美しさを前面に押し出した映像美

「鍵」の映画化は、5作品だと思いますが、その中で最新の作品になります。私が見るのはこれで3つ目。1997年の映画で、池田敏春監督による作品です。

あらすじ
日本画の学者、安西宗一郎(柄本明)は、妻の郁子(川島なお美)の性生活が控え目なのに物足りなさを感じ、日記に挑発的な内容を記し、鍵付きの引き出しに日記を入れ、鍵を目につく場所に置いておきます。そして、郁子は期待通りにその日記を読むようになりました。ある日、絵の批評会で、郁子は魅力的な若者、木村(大沢樹生)と知り合い、その夜夫は親しく木村と話していた妻に嫉妬を感じ、いつも以上に燃え上がります。数日後、宗一郎は木村を自宅に招き、郁子と娘の敏子(辻香緒里)の四人での夕食のあと、ブランデーを飲んだ妻が酔って風呂で寝てしまい、郁子を寝室に運んだ宗一郎は眠る妻の衣服を脱がせ、その体を舐めるように眺め、そのまま抱くと、眠った郁子の口から木村の名前が出た為、宗一郎はさらに燃え上がりました。

ある日の夜、敏子は両親の寝室から、郁子が木村の名を呼びながら興奮している夫婦生活を見てしまいます。そして、木村にドライブに誘われた敏子は、木村からプロポーズされ、結婚したいと両親に告げるのでした。木村の狙いは心臓に問題を抱える宗一郎の遺産でした。そして、母の郁子も狙いの一つでした。宗一郎の体調は、激しい夜の生活の為益々悪化していきます。そんな時、敏子の家に外出し、失神した郁子が木村とふたりきりになることがあり、宗一郎は不貞の疑惑と嫉妬は更に増長し、その夜すっかり積極的に¥なってしまった郁子を抱くうちに、脳溢血で倒れ寝たきりになってしまいました。

時は経ち、郁子と敏子が安西の死について語り合っていました。郁子の体に溺れ、半身不随となった宗一郎は、郁子から宗一郎が倒れた日の最後の日記を読んでもらい、郁子の胸に抱かれて息を引き取ります。そして、郁子は不貞によって木村と抱き合い、夫の要求にも答えていたことを告白します。宗一郎の資産に目をつけた木村と、郁子への反抗心から、木村を横取りしようとした敏子の思惑。しかし、宗一郎の道楽で、家も抵当に入り、借金だらけの状況であることは、まだ木村は知りませんでした。それは宗一郎の残酷なまでに激しい郁子への愛情によるものでした。



鍵(1997)

ほとんど、川島なお美柄本明の演技を楽しむ映画と思います。川島なお美が美しく撮られています。「鍵」と言えば、市川崑監督の作品が、各地で称賛されましたが、この作品は市川監督の作品よりは、物語性を薄くし、二人の愛情面の表現に大きくシフトしたスタイルになっていると思いました。そういった面では、この谷崎潤一郎の名作の、核心部分を大きくクローズアップした形でなっているので、この耽美的な小説の映画化の一つのスタイルとして、成功していると思いました。

映画として楽しんでみると、いささか冗長な感じが無くもありませんでした。そういった部分は犠牲にして、映像の美しさを前面に押し出した形と思います。美しいと言っても、アート的という感じではなく、普通に映画の映像として美しい感じです。その中心になっているのが、川島なお美の衣装や動きで、ラストに近くなって、もともと性生活に一線を置いている女性が、積極的にうなればなるほど、妖艶になっていというく感じは感動的でした。雰囲気としては、京マチ子とも似た感じになっていると思いました。

冒頭で、「鍵」の映画化は5作と書きましたが、IMDbを見てみると、もう一作出てきました。「The Key」 (2014)という映画で、監督は:は、Jefery Levyという人。 インディペンデントな映画で、限定的に公開であったようです。その予告編を見ると、相当アートな映像で作られた、翻案に近い映画かなという感じがしました。これも一つの在りようとして興味があるところです。

<参考>IMDbへのリンク The Key (2014)

2020.5.14 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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torrent13

Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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