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<短編> 'Departures' (2019)

最近Amazonに出ていた短編映画です。雰囲気的には良さそうなドラマみたいで、ちょっと期待していました。これも、お年寄りをテーマにした短編と思われます。邦題の旅立ちという所からも、なんとなく想像できます。
Amazon 邦題:旅立ち

あらすじ
テーブルの前で考え込む老紳士(Giorgio Colangeli)は、意を決してグラスの水の中に薬品を入れると、水がワインの様に赤く染まります。老人は、グラスを置いた盆を運ぶときに、一輪の花を添えます。
丘の上の展望台から、先ほどの老紳士と娘(Alessandra Masi)が町を見下ろしています。年老いた父は娘に、いままで自由を束縛していたことを詫び、これからはこの街を離れ、好きなようにしてもかなわないと告げます。娘は町に残ると言いますが、父は恋人との約束でもあるのかと問いかけます。

老いた妻(Valeria Cavalli)はベッドの上で起き上がってアルバムを見ています。老紳士はグラスと鼻を脇に置くと、今までのことを振り返り、変わらぬ愛を語ります。妻は、あの音楽をかけてと頼み、老人がレコードに針を載せて振り返ると、グラスが空になっていました。夫は、妻の体を横たえ、自分もその隣に横になりました。
丘の上で、父は娘に、母親と初めて会った時のことを語ります。この高台のベンチで、本を読んでいると、母親が隣に来て、多くのことを語り合ったのです。そして、妻のいう事は何でもかなえてきた、最後の願いもと…。父と娘は展望台で抱き合い、娘が振り返ると、そこに確かに、若き日の父と母の姿を見るのでした。



Departures (2019)

17分の短編映画。内容は素直なお話です。安楽死の補助を夫に頼んだ妻と、おそらくこれを期に町を出ていこうとする娘のそれぞれの旅立ちの瞬間を描きます。こういった老いのテーマをショートストーリーにすると、だいたいいいお話になり、この映画も然りです。そして、妻が薬を飲む前後の映し方は、大変良くできていると思いました。時に、レコードをかけに行って振り返ると、グラスが空になっていたという映像は、ハッとするようなシーンで心に残ります。

あとは、あまりにも素直な展開で、もうひとひねり欲しいなと思ったのが、見た時の正直な感想です。旅立ちという言葉に表される夫婦の別離と娘の旅立ちを表現していて、十分以上に成功していますが、更に突き抜けるものが欲しいなと思いました。あと、妻が物語の性格以上に、若く元気に見えるところも引っかかります。ただし、彼女の演技自体は素晴らしいと思えるものでした。もっともっと良くなる可能性があるのではないかと思いました。

この作品は様々な映画祭に出品されたようです。監督のことはわかりませんが、その中で、"Best Student Film"という賞を受賞しているので、きっと学生の作品だと思います。そうしてみると素晴らしい出来であると同時に、伸びる余地を大いに感じる映画であることも頷けます。俳優さんは、イタリアのテレビ等でも活躍するベテランの方々と思います。堅実な演技です。映像表現は素晴らしいので、さらに経験の裏打ちが積み重なれば、飛躍が期待ができるのではと思いました。

Data
監督:Nicolas Morganti Patrignani
脚本:Stefania Autuori
製作国:イタリア
公開年:2019
時間:17 minute
スペック:カラー
Imdbリンク:Departures

2020.5.10 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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プロフィール

torrent13

Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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