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「魔女と呼ばれた少女」 コンゴの騒乱の中で生きる少女

コンゴを舞台にしたフランス語のカナダ映画で、たくさんの賞を受賞している作品です。2012年の映画で、キム・グエン監督による作品。主な受賞としては、ベルリンで女優賞ほか、シッチェスでニュービジョン賞、トライベッカでは、ベストナラティヴフィーチャーと女優賞などなど。そして、オスカーでは外国語映画賞ノミネート作品となりました。

あらすじ
身ごもったコモナ(ラシェル・ムワンザ)が、お腹の子供に過去を語り掛ける様子から始まります。
12歳の時、コモナの村はグレート・タイガー率いるゲリラに襲われ、コモナは両親を銃殺することを命じられ、その後ゲリラの兵士として訓練させられます。ゲリラの中にマジシャン(セルジュ・カニアンダ)という青年がいて、少し世話をやいてくれます。コモナは、亡霊の幻覚を見るようになり、敵が潜んでいると、亡霊が危機を知らせてくれるので、それ以降、コモナは魔女と呼ばれるようになり、生き残っていきました。噂はリーダーにも伝わり、グレート・タイガー(ミジンガ・ムウィンガ)の魔女となりました。

とある岩場で、マジシャンやコモナたちは見張りをしていると、コモナは政府軍の接近に気づき、戦闘になります。勝利の後、マジシャンとコモナはゲリラから逃亡し、途中で、マジシャンはコモナにプロポーズ。マジシャンがコモナの出した課題をクリアし、無事結婚すると、「肉屋」と呼ばれているおじさん(ラルフ・プロスペール)の家に、コモナと共に帰りました。しばらくの間、マジシャンとコモナは、平和に暮らしていましたが、そこへゲリラが現れ、マジシャンを殺し、コモナを連れていきました。ゲリラに戻されたコモナは、夜は部隊長(アラン・バスティアン)の相手をさせられ、彼の子供を妊娠してしまいました。

コモナは村に帰り、両親を弔うことを考えていました。その為に、部隊長をベッドの上で殺し、部隊を逃亡し肉屋おじさんの家に帰ってきます。 コモナはおじさんに家族として迎え入れられますが、夜になると悪夢にうなされ、ついには家族に乱暴してしまい、逃げ出します。途中の森の中で、一人で子供を産むと、故郷の村に帰り、両親の骨や遺品と思われる服などを埋めて弔うと、両親の亡霊は、手を繋いで歩いて去っていきました。そして村を出て、赤ん坊を抱いてコモナが歩いていると、トラックに拾われ、肉屋のおじさんの家を目指すのでした。



魔女と呼ばれた少女

ストーリーは、これ以上ないくらい悲惨な展開をしていきます。そういった映画をみながら、凄惨さ以上に、生きることの躍動感や、亡霊の美しさを感じました。亡霊となって娘を守る親の姿もあります。そういったいろいろなことが、日常になっていて、見ている方も感覚が麻痺してしまったようです。最後は心の重荷から解放されたような雰囲気で終わりました。いい終わり方です。少しづついい方向に向かっていくのでしょうか?

コンゴの広大な国土は、自然や鉱物資源に大変恵まれている地域でもあります。しかし、なかなか安定していかないのは、インフラの崩壊など、社会基盤がなく、戦乱の中で教育も浸透せず、大変難しい状況に置かれ、まだまだ長い時間がかかりそうです。コンゴ川と言えば、コンラッドの「闇の奥」の世界。レオポルド王の植民地支配以来搾取が続き、各国の介入による騒乱が続いている地域で、未だに闇から抜け出せていません。

ヒロインのラシェル・ムワンザは、コンゴ出身。実際、魔女にされてしまった経験をもち、学校に通わなくなり、この映画に出る前は、キンシャサのストリートチャイルドだったとのこと。そのストリートチャイルドのドキュメンタリーフィルムから見出されてキャスティングされ、たくさんの賞を受賞しました。現在ではキンシャサの路上の子供たちの為の活動も行っているようです。才能があったという事でしょうけど、これもまたシンデレラストーリーなんですね。

2020.5.9 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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