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「タイガー・スクワッド」 アイルランドの現代舞台劇の翻案

題名や、ジャケットから戦場アクションを思わせる映画ですが、実はちょっと違いましたという、ちょっと評価の難しい作品です。2016年のアイルランド・イギリス合作映画で、監督はサイモン・ディクソン。原作は、ミック・ドネランのRadio Luxembourgという戯曲です。

あらすじ
砂漠の中を、二人のアイルランド人兵士ジョー(ブライアン・グリーソン)とペディ(デイミアン・モロニー)の乗ったトラックが任務の為に走っていました。彼らはディヴという上司の元で働く私兵で、ミッションは地元の有力な男の娘シャダを誘拐することでした。そして目的地に向かう途中、初めて組む二人は、過去のいろいろな経歴を話します。そのうちにお互いが信頼できなくなり、ターゲットのシャダ(ソフィア・ブテラ)が、ペディの過去の最愛の女性だったという事が判明した時には、状況は複雑なものになっていきました、ペディは、任務遂行だけでなく、シャダをレイプして殺すと脅すジョーから彼女を守る行動をとっていきます。

ジョーは、パディが仕事よりシャダが重要であることを知ると、ジョーはパディを殴り倒し、シャダにパディについて尋ねました。シャダは、かつてパディを愛していたが、今は二度と会いたくないと言います。パディはシャダを自分の所有物のように見世物にし、扱い、薬漬けにしたり、首を絞めたりして虐待したからでした。

ジョーはパディを起こし、シャダがパディを憎んでいると話しますが、パディはこれまで愛した唯一の女性だと答えます。ジョーは、彼がかつて愛した唯一の人であるルビーを、ディヴへの忠誠と愛の為にやむを得ず殺したことを語り、パディもシャダを殺すことによって、ディブのために同じ犠牲を払うべきだと話します。しかし、パティがディヴからジョーの殺害も指示されていたことも判明。パディは、むしろこの場所にディヴが到着した時に、ディヴを殺すと提案しました。そんな中でジョーは、今までの過去の所業と悔恨に終止符を打ちたいと、自爆装置をセットした時、シャダが背後からペディを撃ち抜きその場を去っていきました。ルビーの幻想を見ながら最後の過去の清算を得て、自爆したジョーの起こした砂塵が、遠くで舞い上がっていました。



タイガー・スクワッド

アイルランドの劇作家、ミック・ドネランのRadio Luxembourgという戯曲を、舞台を戦場にして翻案したものということで、そもそも元がどういうものなのか、探してみましたが、英語の演劇評論の記事くらいしか探し当りませんでした。ただ、舞台以外は類推するに、ほぼ内容は準拠しているようです。この映画は、ならず者のような二人の会話が大半を占め、そこに登場したシャダが触媒のような役割を果たして、一気に化学反応が起こり、結末を迎えるという物語でした。

その結末は、最後の10分くらいで、一気に語られますが、基本的には利己主義的なペディと、逃れたいシャダはそのままの役割を果たしますが、この物語展開によって大きく心の平穏を変えられてしまった、ジョーの独白が中心となるラストでした。ジョーは、自分が一人では何もできないような、たわいもない人間と自覚し、庇護してくれるディブや、愛したルビー、そして頼りになりそうなペディにまで愛していると言ってしまいます。そのような弱さゆえに生まれた混乱で、ディヴの為に愛する人を殺してしまった過去が、ペディとシャダの出会いによって、再び触発され、そしてディヴからも消されようとしている事実により、一気に自分の過去の清算に向かってしまったということでしょうか…。

ミック・ドネランは、アイルランドの田舎を舞台にしたブラックユーモアにも特徴のある、1980年生まれの劇作家とのこと。この映画の興味の主体は、久しぶりのソフィア・ブテラを見ることにもありましたが、それは果たせました。しかし、何にも増して、ブライアン・グリーソンと、デイミアン・モロニーの二人の激しい演技ぶりがなかなかの見ものでは無いでしょうか。それから、この映画は娯楽系のアクションと思ってみると失敗します。すごくつまらないと感じると思います。戦場の物語に翻案したのが、良くなかったのかも…。

2020.5.2 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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