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<短編> 'Bis Gleich' (2014)

20分ほどの短編映画。このぐらいの長さの方が、物語性や叙情性が良く感じられ、ほどよい時間を楽しめるかなと思いました。お年寄りをテーマにした短編映画です。題は、ドイツ語で「またね」という感じですかね…。

あらすじ
べルリンのある街角に、年老いたアルベルト(Horst Westphal)は、毎日窓際にクッションを置き、道行く人を眺めていました。ある日、向かいのアパートに、同年代の女性マルタ(Gertrud Roll)が、やはり窓際で編み物をしているのに気づきます。毎日道を歩く人はだいたい決まっていて、同じ時間に通っていきますが、日によって様子が違うようです。アルベルトは、毎日見かけるマルタが気になり、合図を送りますが、マルタはあまり乗ってこない様子。アルベルトも、マルタの家の中に夫の影を見つけ、ちょっとへこみました。

ある日、いつものように編み物をしていたマルタは、夕暮れになってもアルベルトが窓際に現れなかったので心配になります。そして次の日、意を決して道を渡ってアルベルトのアパートに行くと、アルベルトはベッドに横たわっていて、娘のエラ(Julia Richter)が看病していました。アルベルトは動けないらしく、マルタはエラに、翌日の午前中アルベルトを見ていてほしいと頼まれます。翌日アルベルトの部屋からいつもの道行く人を見たマルタは、自分の家に戻るとたくさんの物を運んできて、アルベルトの部屋に配置しました。それは、たくさんの鏡で、寝ているアルベルトから、ポイントが眺められるようになっています。マルタはアルベルトに「またね!」と別れを告げ、自分の部屋に戻ると、窓際で編み物を始めました。それを鏡の反射で見たアルベルトは、マルタに向かって軽く手を振るのでした…。



Bis Gleich (2014)

20分間の心温まるお話です。ストーリーはさておき、前半は毎日変わらず道を行く人の描写が見事です。日常性と連続性がよくあらわされており、特に道行く男女の様子から、生活と時間の動きがよく表現されていると思いました。そして、二つの窓の距離感の描写。窓はほとんど対面にあり、目と鼻の先といったところ。しかし、マルタが渡るとなると、障害もあり、ましてや荷物が大量にあると、荷車を引いて大きく迂回しないといけない。距離感の表現として大変面白く感じました。

世代格差みたいなものも見て取れます。いつもそこにいる老人二人とは別に、忙しそうな若者たち。町の中で、老人の置かれた境遇も浮き彫りにしました。マルタが鏡を持って会談を上がる映像も、老いとそれでも前向きな姿勢を感じさせます。そして、日常の時間の連続が絶たれる瞬間は、アルベルトが窓際に現れなかったこと。そして、鏡によって距離感もすべて解消し、再び日常に戻ることになりました。一つ一つの所作や表現を大事にした。素晴らしい作品と思いました。

主役の二人の俳優さんについては初めて見ますが、長年テレビドラマで活躍されていた方のようです。スムーズで素晴らしい演技でした。映画祭にも出品され、2つほど受賞があるようでした。心温まるストーリーで、コミカルな中に面白い表現が詰まっていて、秀作だと思います。「またね」という距離感も面白く、程よい20分の時間を楽しめました。

Data
監督:Benjamin Wolff
脚本:Tara Lynn Orr
製作国:ドイツ・アメリカ
公開年:2014
時間:20 minute
スペック:カラー
Imdbリンク:Bis Gleich (2014)

2020.5.1 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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torrent13

Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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