FC2ブログ

<短編> 'Gerry'(2018)ジョーン・コリンズによる老境の春

短編映画(short Film, Featurette)は、映画の中でも大きなウェイトを占めるジャンルですが、長編ほど話題性がなく、あまり見る機会に恵まれていないようです。実際、素晴らしい短編映画は、素晴らしい短編小説と同じように、凝縮された時間の中で、人生のドラマの一瞬が切り取られ、深い感動を残したり、あるいはワンシチュエーションの中での印象深いサスペンスであったりと、短い時間ながら、感動の質も高いものが多くあります。このブログの中でも、ごくたまに登場していましたが、今回一つのジャンルとしてピックアップしていこうと思いました。あまり見る機会が多くないので、不定期ではありますが…。

あらすじ
9日前に、夫を亡くした老婦人のヒルダ(ジョーン・コリンズ)は、夫の遺品の中に、ポルノ雑誌を見つけ、知らなかった夫の一面を垣間見ます。そして、すり切れた手帳の一面に、ジェリーという名前と電話番号が書かれてあるのを見つけました。ラジオでは「女性は何でも知りたがる、といった論評が流れています」ヒルダは一人の生活の寂しさから、70代の男性の友達募集の新聞広告を見て、2人の男性とレストランで会いますが、どうもしっくりきませんでした。

ジェリーのことが気になるヒルダは、逡巡したあげくメモに書かれていた電話番号をダイアルしますが、相手が出るとすぐに切ってしまいます。三度目の正直と思いレストランで相手を待ちますが現れず、寂しくレストランを後にしたヒルダ。ある時、ヒルダの電話がなります。そして、再びレストランで相手を待つヒルダ。現れたのは、ヒルダと同じ年恰好の老婦人のジェリー(Lynne Verrall)でした。ジェリーはヒルダの名を呼ぶと手を取り、二人は懐かしむように、微笑み合うのでした。



Gerry (2018)

長く連れ添った夫を亡くしたばかりのヒルダが、夫の隠していたポルノ雑誌や恋人の電話番号を見つけ、それに触発されてか、自分も恋人探しをするも満たされず、ついに気になっていた夫の恋人に連絡を取ろうとします。夫の恋人のジェリーも同じような気持ちがあったと思われ、ほぼ年恰好が同じ二人が再会し、長年の友のように穏やかに再会する瞬間で物語は終わります。

ヒルダの中から見て取れるものはいろいろあると思います。いつまでも変わらない女ごころと性。亡き夫への深い愛情と惜別。夫の愛人と連絡を取ることの不安。夫を共有したジェリーの表情の中に見る夫。やはり、永遠の青春のような雰囲気が漂うのは、エンドロールの表情と歌詞によるところも大きいと思います。感情の豊かな映画でした。

そのヒルダのいろいろな心の動きを演じるのが、ジョーン・コリンズで、1951年映画デビューの名優です。 テレビでも、ナポレオンソロ、スタートレック、スパイ大作戦など、往年の名作にいろいろと出演がありました。そのような、ジョーン・コリンズは、この当時85歳。ほぼ一人舞台で、一挙手一投足を楽しむことができ、最大の見どころと思います。

Data
監督:Paul Agar, Victoria Hollup
脚本:Paul Agar, Victoria Hollup
製作国:イギリス
公開年:2018
時間:17 minute
スペック:白黒(カラー撮影)、シネスコ
Imdbリンク:Gerry (2018)

2020.4.25 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞
スポンサーサイト



テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

torrent13

Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR