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「いつまでも一緒に」倦怠期の夫婦のすれ違いを徹底的に描く

AmazonPrimeで、もうすぐ配信終了のリトアニア映画を、見逃すわけにはいかず鑑賞してみました。邦題は、「息を止めて」とついていますが、確かに息詰まるような家族の話であり、ラストの水が溢れた場面は息を止めるのでしょうが、今一つ意図が判らず、「いつまでも一緒に」でいいと思いました。これは、日本の映画祭で限定上映された時の邦題です。原題は、Amzinai kartuで、英題は、Together For Ever。この二つは同じ意味です。2015年の、Lina Luzyte監督のリトアニア・ルーマニア合作作品です。

あらすじ
スタントマンの夫(Dainius Gavenonis)は、車で妻(Gabija Jaraminaite)と娘(Eila Grybinaite)を拾い、教会のオルガンコンサートに行きますが、倦怠期の夫婦らしく、会話がほとんどなく、ぎこちない様子です。その夜、スタントの同僚の葬儀に出席。妻は娘に甘いものを食べさせず、早々に帰ります。次の日、夫は一泊の撮影に出かけ、妻は仕事。娘は母に止められているジャンクフードなどをこっそり食べ、時々残りをトイレに流しているようでした。そして、次の日は娘の動物園の社会見学。娘をバスまで送った妻は、仕事に向かおうとして思いなおし、動物園で社会見学中の娘を連れ戻し、家庭を少しでも修復しようと、夫のスタントの撮影現場を見学に行きます。その夜、娘が寝静まったあと、妻は危ない仕事はやめるように要求。しかし夫は聞く耳を持たず、2日後から、アゼルバイジャンへ3ヶ月の撮影旅行に行くと告げ、それ以上の会話が続きません。

翌日、妻は娘を連れて元カレ(Giedrius Savickas)の経営する、ゴーカードのサーキットに行き、遊んでいるうちに娘が失踪してしまいます。迷惑がる元カレに頼んで一緒に捜索する妻。元カレは彼女が自分を選ばなかったのに自分勝手だと、彼女の行動を責めています。警察に着くと娘が保護されていましたが、娘は母を知らない人だと言いはり、てこずらせます。カウンセラーと共に家に連れ帰ると、その夜、夫婦二人きりの時、妻は教会で正式に結婚式を挙げたいと提案。次の日、夫と白いドレスを買いました。その夜、妻は夫との関係が昔に戻ったようで、幸せを感じていますが、夫は、あっさりとアゼルバイジャンに向かってしまい、怒った妻は元カレを呼んで、山中のカーセックススポットへとデート。夫も、バスまで来たものの、アゼルバイジャン行きを悩んでいるようでした。

妻は朝帰りすると、娘が便器に捨てた食べ物で配管が詰まり、部屋中が水浸しになっていて、いないはずの夫が水を汲みだしていました。妻が手伝おうとすると、夫は無言で妻の手を払いのけ、取り付く島もありません。妻は沈んでいる娘を連れて行こうとしますが、夫に止められ、逆に夫と娘を家から追い出してしまいます。そして、ようやく水だけは取り除いたところで、妻がテレビをつけると、モールで天井が落下し、多数の死傷者が出ているというニュースが飛び込んできました。妻は気が動転し、夫と娘が行ったはずのモールへと向け駆けだします。さんざん探したところで、夫と娘が二人でいるのを遠めに見つけ、妻は物陰に駆け込んで嗚咽するのでした。



いつまでも一緒に

冒頭は、二人が車の中で、妻が話しかけ夫がほとんど返事をしないという、良くありがちな光景です。そして、葬儀のパーティでは、夫の仕事や仲間に大いに不満な様子で、こんな人たちと付き合いたくないという感じがにじみ出ています。そして、妻は夫との関係を修復するために、結婚式を提案したり、撮影現場を訪ねたりと努力はして見ます。一方で、夫の職業に不満で、変えさせようとしたり、笑顔をあまり見せなかったり、娘には間食させず、社会見学の動物園から連れ戻したりと、かなり自分本位なところもあるようです。

夫の留守に元カレを呼び出すに至ってはやり過ぎで、元カレもそれほど積極的に付き合っている訳では無いようです。妻が関係を修復しようと思っても、すでに冷めてしまっている感じがします。夫も、好きな仕事だからとはいえ、3ヶ月家を空けるのには負い目を感じていたようで、ギクシャクしながらも、心の底では危機感を持っているようでした。そんな空気を読んで、娘はなんとか親に合わせる努力をしながらも、ついに切れて逃走するという行動にでてしまったのでしょう。ラストは、夫と娘の無事を確認して、泣き崩れるところで終わりますが、まだ人生は長いです。どうなることやら…。

倦怠期の夫婦の雰囲気が良く出ていると思いました。たぶん、すでにお互いに愛するよりも、相手に気を使い、我慢しながら、なんとかやって行っているのでしょう。かなり冷え切った雰囲気がどんどん刺さってきます。しかし、出張をやめて帰ってきたら、妻が子供を置いたままで、朝帰りしてきた。それも部屋中水浸し。というのはヤバいですね。それも言うに事を欠いて、「いつ戻ってきたの?」って…。動物園に親が出かけて連れ帰るのは最悪です。子供が可愛そうです。切れて逃げ出すのは頷けます。警察官は意地悪してましたが、この母親を見透かしていたのかな?全体的に話はテンポよく進んで、要所要所で長回しを入れて、感情を印象付けていくスタイルで、あまり盛り上がらない話ではありますが、飽きずに見ることができました。これだけ倦怠期を見せつけられると、最後反省したように見えても、やはり先が思いやられます。

2020.4.18 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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torrent13

Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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