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「家族の波紋」 絵に描いた様な風景の中での家族の葛藤

いかにも、ヨーロッパの静かなドラマの雰囲気を醸し出しているような、ジャケットであり邦題です。ということで、少し構えて鑑賞しました。イギリス製作の作品で、2010年の映画。監督はジョアンナ・ホッグです。
原題:Archipelago → 「群島」といった意味です。

あらすじ
エドワード(トム・ヒドルストン)は、エイズ対策のボランティアで、約1年のアフリカに滞在を前に、母のパトリシア(ケイト・フェイ)と、姉のシンシア(リディア・レオナルド)と、旅立ち前の家族旅行として、シリー諸島の別荘にやってきました。住み込みの料理人のローズ(エイミー・ロイド)が現れると、感謝するエドワードですが、姉から使用人に気遣いしすぎる必要なないと言われます。そして夕食では、普通に仕事をするべきと意見され、心穏やかではありませんでした。次の日、母と姉の絵の指導役として画家のクリストファー(クリストファー・ベイカー)が現れ、歓迎しました。次の朝、家族にクリストファーやローズも加えてピクニックを楽しみ、思い思いに会話をして過ごしました。

エドワードは時間があればローズに声をかけ、親しくなろうとします。そして、難色を示す母と姉を押し切って、ローズを食事に誘いましたが、そもそも気に入らなかったシンシアは、料理の件でシェフにクレームし、険悪な雰囲気になってしまいます。エドワードは途中で席を立ち、家に帰った母は、父に早く来るように連絡します。そして次の日も、クリストファーやローズとの会話を楽しみながら、過ごしていきました。しかし、夕食の会話になると、相変わらず気まずい雰囲気は続き、エドワードの恋人との話になって、またしてもシンシアは口論になって切れてしまい、食事中に席を立ってしまいます。母は、娘の態度をクリストファーに謝罪し、戻ってきた姉は、自分のことも気遣ってほしいと母に喚き散らしました。母は、一向に来ない父に、これ以上耐えられないと電話しました。

外で絵を描いているクリストファーに話しかけたエドワードは、強い信念を持つべきだと励まされました。別荘に戻ったエドワードは部屋に閉じこもると、落ち着いてきたので、シンシアに謝罪し食事の時間を知らせます。母は、結局来ない父に切れて、興奮しながら食卓に着いたため、シンシアとエドワードは気遣います。エドワードは旅立つ前の日にローズと親しげに会話を交わしましたが、ローズはそのままメモを残して別荘を去り、翌朝、エドワードはショックを受けました。そして、クリストファーと再び話をし、自分の道を信じて進むよう助言されました。その後、クリストファーは、家族たちと別れを惜しみ、その場を去っていきます。一行は、別荘を着た時の状態に戻し、休暇を終えて、シリー諸島をあとにしたのでした。



家族の波紋

シリー諸島で、絵のような風景の中で、画家が絵をかいています。そこから物語は始まりました。母と姉と弟の3人の家族。父親は後から合流する予定の様です。そして、滞在中に母と姉に絵を教える画家。住み込みの料理人のローズ。弟がアフリカにボランティアに1年間旅立つ前に家族旅行で2週間滞在するようです。上流階級の家庭で、あくまでもそれらしく振舞うべきと考える母。現実的な姉。自信なげで、進路に迷いがある弟。弟はローズが気に入って、しきりに一緒にいようとしますが、母も姉も明らかに身分の違う人間に対する、冷めた対応をしています。そんな中で家族の感情の微妙なずれが始まり…。

絵が美しいといいますか、絵画の中で人が動いているイメージでした。カメラは風景や背景に固定され、その中を人が動く。会話も固定したカメラの中で行なわれます。会話する人をアップにするのはラストの画家の語りの部分だけだったと思います。目新しい手法でした。家族の中のすれ違いや、居心地の悪さは、自分でも身に覚えがあるようなものです。テレビもスマホも登場しない別荘での、人との会話だけで過ごす2週間。今では体験できないようなことですが、この様な状況でこそ、人間力が鍛えられるなぁと思いました。

エドワードが好意を示しても、役目が終わればあっさり消えてしまうローズは、階級社会での身の振り方をわきまえています。そんな大人の行動が要求される2週間。エドワードにとっては一つの成長があったのかもしれません。裕福そうで羨ましくも見える、上流階級の日常を切り取った一コマ。堅苦しい作法を、エドワードもシンシアも身につけていくのでしょうか。最後まで、淡い絵画のような画面が見事でした。

2020.4.14 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞
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テーマ : 映画レビュー
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Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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