FC2ブログ

「みじかくも美しく燃え」  美しすぎる不倫物語に懐かしさを感じ…

「みじかくも美しく燃え」 。題名だけは、よく知っている映画ですが、今日の今日まで見たことがありませんでした。それでは問題もあろうかと、GAYO!の無料動画に出ていたので、この機会に見てみました。昔はあまりこういう映画に興味が無かったのですが、年を取るとノスタルジアもあって、見てみたくなるものですねぇ。1967年スウェーデン映画です。

夏の終わり、森の中に一組の男女の姿があった。男は陸軍中尉スパーレ(T・ベルグレン)という妻子ある美男の貴族、女はエルビラ・マディガン(P・デゲルマルク)というサーカスの綱わたりのスターである。二人は身分の差を超えて愛しあっていた。そして、愛を守るべく、逃避行をしてきたのだ。森の近くの宿屋に落ちついた二人は、幸福の時を過ごしていたが、やがて二人の身分がばれてしまい、逃げ出すはめになる。さらに、次の湖畔の村で、平和な日を送っていると、男の友人が現われ、残された妻子の悲しみを語り、エルビラの行為を責める。二人はさらに逃走の旅を続け、いよいよお金に困り、食べることもできなくなる。脱走兵の男は仕事を探すすべもなく、いよいよ追いつめられてしまう。そしてある日、覚悟の二人は最後の食事を携えて森の中へ消え、二発の銃声が轟き渡るのだった。



あらすじは、まさに身分差のある不倫の逃避行。ストーリーについて言えば、それ以上の何物でもありません。他に登場する人たちも、それほど大きな印象を残すわけではなく、淡々と二人の純愛が続きます。細かいエピソードもありますが、話の基調にほとんど影響してこず、あくまで二人の愛の物語となっているのです。若干の諍いも少し発生しますが、すぐに愛が解決してしまいます。見ている方としては、安心感この上ない映画でした。勿論最後の破局はある訳ですが、そこだけはまぁ、知っていましたので…。

映像がとても美しいのですよね。主演のピア・デゲルマルクも相当な美人タイプですし、映画の美しさだけなら言う事なしです。そうなんです、最後まで淡々とひたすら美しいという映画なのでした。食べるのに、困って、野山の木の実や、地面に生えているクローバーの葉を這いつくばってむさぼり、ゲロまでしてしまうのですが、それでも美しい。男の方も、2段階で髭をそり、最後にはイケメンの全貌が現れてきますし、不倫を修羅場なしで徹底的に純愛物語に仕立てた映画なのでした。

みじかくも美しく燃え

主演のデゲルマルクさんは、この映画でカンヌの主演女優賞を受賞、この後3本映画に出演し、貴族と結婚して引退。しかし、2年で離婚。その後は色々な波乱の人生を歩み、逮捕までされてしまいました。2006年に自伝を出版、現在もご存命ではないでしょうか。その絶頂期のこの映画は、まさに彼女の美しく燃えている時代であったのですね。

原題は、Elvira Madiganで、さすがにこの原題では、日本人は何のことか解らないでしょうから、こういう題名になったのでしょう。実在の日本であまり知られていない人物の原題がつけられていて、日本で題名を変えられるパターンは、「俺たちに明日はない」とか、「明日に向って撃て!」と一緒ですね。いずれも同時代の映画。アメリカン・ニューシネマの時代、銃声で終わるところも似ています。

自分にとって、この映画の題名は、クラシックのレコードのライナーノーツで印象付けられていると思います。当時(今でもそうかもしれませんが)、モーツァルトのこの曲のライナーノーツには決まってこの映画に使われたということが書かれていました。同じような例でよく見かけたのは、マーラーのレコードに「ベニスに死す」も良く出てきました。バルトークの弦チェレに「シャイニング」というのは見たことがありません(笑)。

Wikipediaには、ゲザ・アンダの演奏が使われたと書かれていて、ドイツグラモフォンのゲザ・アンダ演奏のCDジャケットはこの映画になっています。といっても、映画の中ではオーケストラのほぼ同じ部分が繰り返し使用され、ピアノの部分はほとんど出てこないような気が…。まぁ、弾き振りなので、ゲザ・アンダ演奏といってもあながち間違いの無い事かもしれませんが。

なんか、思い出話みたいになってしまいましたが、昔の映画を見て昔を振り返ってみるのも、なかなかいいもんです。いっぱい見ていない映画があるので…。
スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

torrent13

Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR