FC2ブログ

「マフィアは夏にしか殺らない」 イタリア現代史の勉強になる映画

いつものごとく、GAYO!無料動画で面白そうなものを鑑賞。今日は、イタリア映画の「マフィアは夏にしか殺らない」を見てみました。配信終了ギリギリだったので、今日しか見る機会が無いと…。日本では、2014年のイタリア映画祭で上映されたようですが、その後の劇場一般公開は無いようです。シチリアの州都パレルモにおける、マフィア掃討の戦いのをベースに、同時代を生きた少年の目から見たパレルモの様子を描いた映画とのことでした。

1970年代のシチリア島パレルモ。人々は日常化するマフィアの犯罪を見て見ぬふりをしていた。風変わりな少年アルトゥーロは同級生のフローラに恋しているが、告白できないまま、フローラはスイスへ引っ越してしまう。やがて青年になったアルトゥーロは、代議士リーマの秘書としてパレルモに戻ったフローラと再会する。



冒頭は、アルトゥーロの風変わりな誕生から。父母が結婚した初夜、同じアパートで起こったマフィアの抗争銃撃事件の騒乱に、驚いた精子たちの中で、鈍感で何も感じなかった精子が卵子に到達し、アルトゥーロに成長したというシーンからスタートです。そして、アルトゥーロの成長とパレルモのマフィアに関する事件が節目節目で交錯しながら、物語は進んでいくことになります。

まずは、銀行家の娘であるフローラの転入に一目ぼれし、どう告白していいか迷っているところに、たまたまテレビで見たアンドレオッティのインタビュー映像。そこでアンドレオッティは恋のなれそめを語り、それを聞いたアルトゥーロは彼の大ファンになりました。以後、アンドレオッティの記事を見つけると切り抜いてスクラップブックに張り付けることになります。アンドレオッティはイタリアに20世紀後半に君臨した政治家で、首相を何度も歴任、マフィアとの繋がりが公然のごとくささやかれながら、疑惑を悉く握りつぶし、裁判でも無罪を勝ち取り、最後まで議員を全うした大物でした。

そして、パレルモの菓子のおいしさを刑事から教わり、その菓子を毎日フローラの元に持ち届けることにしましたが、その刑事が暗殺され、作文コンクールのために強行取材した、マフィアと対決する為にやってきた将軍は、晴れて作文コンクール優勝お披露目の日に暗殺。意中のフローラ一家は、物騒な町から退避すべくスイスへ移住することになりました。

移住の前日、フローラはアルトゥーロが好きだったことを示し、有頂天の彼はフローラに引越しの当日、行かないでと伝えようとしますが、フローラの家の前で、マフィアを追及していたキンニーチ判事が暗殺され、結局何も告げることが出来ずじまいとなりました。

マフィアは夏にしか殺らない

月日が流れ、成人したアルトゥーロは、地元の放送局の仕事をしていましたが、そこでリーマ議員の秘書をしているフローラと再会、フローラにリーマ議員の独占取材を任されます。しかし、仕事に真剣に取り組んでいるフローラに対して勘違いしたアルトゥーロは、フローラに絶交されてしまいました。そしてその直後、あろうことかリーマ議員が暗殺され、フローラは途方に暮れてしまいました。

そして、ついに有名なファルコーネ判事とボルセリーノ判事の暗殺が発生。派手な暗殺騒ぎに国民のマフィアに対する反感が一気に高まり、デモに至りますが、そのデモの途中でアルトゥーロとフローラは再会。お互いを認め結ばれるのでした。

結婚して子供をもうけた二人は、子供を連れて平穏に戻ったパレルモに残される、マフィア抗争関係の故地をめぐり、町の歴史と素晴らしさを改めて噛みしめるのでした。

ということで、パレルモのマフィア抗争の主要な事件をすべてアルトゥーロの成長に絡ませ、パレルモの近代史を語らせた格好の映画で、それをまたコメディタッチで描いています。かつては存在を雲のようなものとして公然とは認識していなかった市民でしたが、マフィア間の抗争、マフィアの悪を暴こうとする判事との抗争、深くつながっている政界のスキャンダルを経て、ついに市民の反感を買い沈静化にいたる歴史。それがまた、生活と密着した感じで、今や妙に懐かしげに語られる。それらすべてが、パレルモとシチリアの歴史であるという感覚が表されていると思います。

それを遠い国から見ている我々としては、この映画を見て勉強になりました!というところでしょうか。良くも悪くも現代史の一コマがここに描かれています。
スポンサーサイト



テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

torrent13

Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR