
「フィフス・エレメント」SFファンの愉しみが詰まった映画

あらすじ
1914年エジプト。考古学者が神殿に描かれた古代文字、火・水・土・風の4要素に囲まれた5つ目の謎に近づいた時、空から巨大な宇宙船が舞い降り、未来の地球を救いに来ると約束し、4要素の石を持ち帰ります。そして、300年後。地球に謎の球体が接近。攻撃を吸収しながら巨大化していきます。コーネリアス神父(イアン・ホルム)は、宇宙最高の知力を持つモンドシャワン人が4つの石を持って助けに来ることを告げますが、妨害に合い墜落。研究者たちは見つかった腕から、美しい女性の体を持つモンドシャワン人を再生しました。 しかし、彼女は研究室から逃走し空中にダイブしてしまいます。
タクシー運転手のコーベン(ブルース・ウィリス)が、いつものようにタクシーを走らせていると、不思議な服に身を包んだ女性が降ってきます。知らない言葉を話すその女性はリー・ルー(ミラ・ジョヴォヴィッチ)という名前で、どうやら追われているらしく、コーベンは耳慣れない言葉の中に、コーネリアス神父の名前を聞き、彼の元へ連れて行きました。そして、モンドシャワン人たちが石板を歌姫ディーヴァに託したことが分かります。ディーヴァは、ちょうど翌日フロストン・パラダイスというリゾート星でコンサートを行う予定で、マンロー将軍(ブライオン・ジェームズ)はコーベンに、石を探し出す任務を与えました。コーベンとリー・ルーは、武器商人ゾーグ(ゲイリー・オールドマン)の妨害を振り切り、コンサート会場にたどり着きました。
しかし会場をゾーグに雇われたマンガロワ人が襲撃。舞台にいたディーヴァが撃たれます。瀕死のディーヴァは、石板は自分の体内にあることをコーベンに告げ、石板を手に入れたコーベンは、DJ・ルビー(クリス・タッカー)の力も借りて敵を一掃。フロストン・パラダイスに仕掛けられた爆弾が爆発する寸前に、宇宙船で脱出に成功し、ナイルの神殿にたどり着きます。一行は、まず4つの石を台座に設置し、球体が地球を飲み込む寸前に、5つめの謎、リー・ルーとコーベンの愛の力を出現させると、システムが稼働し球体を撃退。地球の危機は回避されたのでした。

素直に、楽しかったです。7~80年代のSF映画のエッセンスを詰め込んで、コメディに仕立てましたという感じを受けました。リュック・ベッソン監督が若いころから書き溜めてきた話という事で、そうしてみると何となく頷けるものがあると思います。いろんな映画へのオマージュが詰まっていて、あくまでも明るく楽しく構築したという感じでしょうか。直接的では無いにしても、見ているだけ、スターウォーズ・スタートレック・インディジョーンズ・ブレードランナー・エイリアンなど、なんとなく頭の中をよぎっていきました。
俳優では、ブライオン・ジェームズが出ているのが嬉しかったです。やはり、ブレードランナーのリオン役が頭に焼き付いているので、あの時の様子を思い出してしまいました。なかなか凶悪な演技が似合う性格俳優だったので、凍ってしまうと思わず笑ってしまいました。彼のガチな悪役場面、いろいろ見返して見たいと思いました。ミラ・ジョヴォヴィッチにとっては、これがブレイクした作品で、以降アクション女優として大成していきます。リュック・ベッソンが監督賞とか取っている映画なのに、彼女はこれでラジー賞候補になっているのが面白いところです。
こういった作品なので、新たなドラマとか、新しいSF映画的発見とかに感じ入るということはないのですが、コメディとしては最高で、ラストも愛は地球を救うで締めていただいたので、楽しい映画だと思いました。
2020.4.5 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞