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「マーターズ(2015)」 酷評のリメイクは、立派なB級ホラー

今回見たマーターズ(2015)は、ハリウッドリメイクの方です。オリジナルは、2008年に製作されたパスカル・ロジェ監督によるフランス映画で、大変な残虐性ということで話題となりました。こちらは残虐シーンも大人しいと言われており、オリジナルを知る者にとっては不満の残る映画でもあったようです。2015年のケヴィン・ゴーツ・マイケル・ゴーツ監督による作品です。

あらすじ
ある倉庫で監禁されていた少女・リュシーは隙を見て脱出した後、養護施設で育てられていました。深い心の傷を負ったリュシーに話しかけてきたアンナに、やがて心を開き、2人は親友として成長していきます。そして、20歳になったリュシー(トローヤン・ベリサリオ)は、ついに犯人の男を発見。郊外の一軒家で朝食中の家族の家に乗り込むと、一家4人をライフル銃殺し、アンナ(ベイリー・ノーブル)を電話で呼び寄せました。凄惨な状況を見てに恐れをなしたアンナは、もう助けてあげられないと考え、立ち去ろうとしますが、リュシーが、モンスターの幻想にまだ襲われているのを聞きつけ現場に戻ると、4人の死体の始末するのを手伝いました。

夜になって、モンスターに襲われ悲鳴を上げるリュシーですが、アンナが見たのは自傷するリュシーの姿でした。リュシーを落ち着かせて寝かせると、アンナは、家の戸棚の奥に秘密の入り口を発見します。そこには地下室へ通じる梯子があり、地下には複数の部屋がありました。鎖で繋がれた少女サマンサ(ケイトリン・カーマイケル)を発見し、アンナはリュシーの言動が事実であると確信。サマンサとリュシーを連れて現場から逃げようとしますが、そこにやってきた一団の男たちに再び拘束されてしまいました。

翌朝、初老の貴婦人・エレノア(ケイト・バートン)を中心に、多数の人々が集まります。エレノアはリュシーの姿を見て納得し、再び3人を地下室に拘束。リュシーもアンナにも拷問が加えられます。ある日アンナはエレノアに呼び出され、彼らの組織の目的は、「人間が死ぬ瞬間に何を見るのか」の研究を行っていること。今まで何十人と拷問を加えた中で、リュシーが一番素質のある娘であり、どんな苦痛にでも耐えて、向こうの世界を見ることができる稀有な「殉教者(マーターズ)」であると説明します。彼らは、候補者の1人を眼前で火あぶりにしますが、目の前で焼死する女性を見せられて、アンナは絶叫しました。エレノアはあくまでも、ただの拷問や殺人でなく、崇高な研究目的だと説明します。

エレノアはアンナを生きて返すつもりはなく、一家を埋めた穴に生き埋めにしますが、何とか脱出したアンナは再び邸内に侵入。リュシーのライフルを手に入れると、警備員たちを倒しながらリュシーを探します。しかし、リュシーは既に金属板に拘束され、背中の皮膚を剥がされ、瀕死状態になって儀式会場で磔にされており、会場の人々は死を固唾を呑んで待っていました。その会場に乗り込んだアンナは、銃で脅してリュシーを十字架からおろさせると、リュシーはアンナに何か囁いて息絶えました。聞き逃したエレノアはアンナに内容を聞きますが、そばにいた神父が「私は聞きました」と言ってピストル自殺。教えてくれとせがむエレノアに、アンナは「自分で見れば分かる」と言ってエレノアを射殺します。逃げたサマンサの通報で会場にいた者は逮捕され、息絶えたリュシーの横で出血がひどかったアンナも崩れ落ち、リュシーに寄り添って息をひきとったのでした。



マーターズ 2015

このマーターズは、2008年のフランスの同名映画のリメイクで、パスカル・ロジェ監督になるオリジナルは、その残虐性からも話題となり、カルト的映画となっている作品です。そういった映画のハリウッドリメイクだけに、かなり評判は悪く、オリジナルのファンには、このリメイクは相当に否定的に受け止められているフシがあります。ハリウッドリメイクは万人向けにしてエンタメに寄るでしょうから、このような強烈な印象を残す映画は、仕方が無いでしょう。ストーリーもだいぶ変わっていますが、基本テーマは大きく変わっている訳ではないと思います。オリジナルは、残虐シーンがもっと激しくストレートに表現され、観客に印象と余韻を残していく感じがします。

オリジナルの話は別として、この映画を普通の単体のホラー映画としてみれば、それなりにハードなストーリー性のあるホラーで、全体的な映像の雰囲気は美しく、かつ見やすいものになっていると思います。そして、ハリウッド的なアクションシーンもはさみますし、テーマは、オリジナルが虐待そのものにかなり強烈さを盛り込んでいたのに対し、こちらは死後の世界を垣間見たいという興味の為に、次々と実験台を虐待して殺害し、処分していくという集団の、非人道的な残虐性が強調された格好ではないかと思いました。

その集会に集まっている人は、外見こそ立派な人々ですが、実験台への感情移入は一切なく、知識欲や興味の為に殺害を静かに見守っているという、異常な集団に描かれます。最後は、神父が死の世界からの言葉を聞いて即自殺するのですが、聖職者にとっては生きていられないような強力なメッセージであった、という解釈でいいのでしょうか。ここはオリジナルと違うところです。このリメイクは、残虐性は大人しめでも、これはこれで凶悪なホラーだと思いました。オリジナルは、かつ観客に深く考えさせる部分が多いのに対し、リメイクはストーリー性とエンタメ性を盛り込み、解りやすくしていると感じます。とはいっても、常にコアなファンの多いオリジナルと対比されるところが、このリメイクのつらいところです。その強烈な内容と、ハリウッド映画という表現が見合わずに、行き場を失ってしまった映画と言うことかもしれません。

2020.4.2 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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