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「EVA<エヴァ>」 美少女アンドロイドを巡る美しいSF

シッチェスとポルトで特殊効果賞を受賞したこの作品は、きっとガラス細工のようなアンドロイドの機能設計の場面が印象的だったのでしょう。2011年のスペイン映画で、監督はキケ・マイロです。ゴヤ賞(スペインの映画賞)とガウディ賞(カタルーニャ語の映画賞)でいくつかの賞を受賞していますが、ガウディ賞では作品賞でした。

あらすじ
天才ロボット学者アレックス(ダニエル・ブリュール)は、故郷の大学のロボット学者フリア(アンネ・カノヴァス)に呼び戻されて10年ぶりに帰ってきました。フリアの要求は新しい子供型ロボットの開発のために、感情を生成するというものでした。故郷にはかつての恋人で、今は兄ダヴィッド(アルベルト・アンマン)の妻となったラナ(マルタ・エトゥラ)がまだ大学に勤めていましたが、二人の間にはまだ執着が残っているようでした、フリアはロボットのモデルとなる少年の候補映像を何人か見せますが、アレックスはどれも平凡すぎると気に入りません。そして帰り道、アレックスは街中で個性的な少女エヴァ(クラウディア・ヴェガ)と出会い、興味を惹かれていきます。

兄夫婦の家を訪ねると、そこにエヴァがいました。エヴァはダヴィッドとラナの1人娘なのでした。エヴァはアレックスに興味をもって一人で家を訪れると、アレックスは早速彼女をモデルにして、ロボットの「脳」の設計を始めます。しかし、奔放なエヴァの性格を移植していると、ロボットは反抗を始め失敗に終わります。アレックスとエヴァが親密になると同時に、アレックスはラナとも接近していきましたが、兄のダヴィッドに見とがめられ喧嘩になってしまいました。エヴァはその様子を知りつつ、ラナの秘密をちらつかせアレックスにますます接近していきますが、エヴァはラナがアレックスにエヴァの出生の秘密を話すのを見てしまい、取り乱して雪山に駆け上って行きます。

気づいたラナは追いかけますが、山上でエヴァともみあいになり、ラナは崖から転落死してしまいました。フリアはアレックスに、エヴァはもともとアレックスが10年前に途中で投げ出したロボットをアレックスが去ってからラナが完成させたもので、最終的に合格しなかったエヴァをラナが引き取って育てていたのでした。フリアはアレックスにエヴァの解体を命じ、アレックスはエヴァとともに父娘のような時間を過ごし、その夜、消えてしまいたくないという言うエヴァを抱きしめながら、ロボットを初期化するキーワードをつぶやきます。エヴァはアレックスの腕の中で機能を停止し、そして、これまでのエヴァの記憶が次々に消去されて行くのでした。



EVA<エヴァ>

アンドロイド物は好きなジャンルではあるのですが、この映画はアンドロイドテーマの王道、つまりアンドロイドが感情を持つことに関しておこる様々なことを扱いながら、かつ三角関係のドラマを絡ませるという感じでした。そして、10歳の少女という設定の美少女アンドロイドという、かなり萌え系の設定でもあります。これを書くとネタバレということになるのですが、それを言うならジャケットからネタバレしていますし、EVAの文字もいかにもという感じでした。近未来設定のSF映画ではありますが、かなりレトロな近未来という所も特徴と思います。アレックスの実験室などは、レトロ調であり、かつ装置はエレガントで、大変美しい映像でもあります。

ストーリーは、途中から三角関係の愛憎劇に移った感じがしましたが、これもむしろラストに向かう伏線ということでしょう。そして、このラストはアレックスにとっては、エヴァを失う以上に、エヴァに移植されたラナとの思い出をすべて失うことになります。エヴァはまさに、アレックスとラナの子供と同じで、ラナが引き取って一人で育てていた「娘」なのでした。久しぶりに再会した父親との短い時間。それが喪失感を増幅させ、感動的なラストに繋がっていると思います。ブレードランナーでもエクスマキナでも、アンドロイドはそのまま存在し続けるのですが、エヴァは機能をストップされてしまうという所が目新しく感じます。まだリセットされただけなので、今のところ再生可能ですが、すでにラナがこの世に存在しない限り、もう妹としても戻ってこないのです。

途中で投げ出した格好のSI9は、失敗作のエヴァに基づいていますから、凶暴性を出現させます。このあたりも、ラストのエヴァに繋がっていくので、なかなか細かな仕込みになっていると思いました。アンドロイドに感情を植え付けるという王道ストーリーに、あからさまな三角関係を取り入れ、親子関係や美少女萌え要素まで入れた、大変面白い映画だと思いました。あと、この映画、SI7のアンドロイドを演じたルイス・オマールが、助演男優賞を獲得しているようですが、これも面白い演技だったと思います。最後の未来を悟ったような哀愁漂う姿が何とも言えません。

2020.3.30 HCMC自宅にてAmazon Primeよりのパソコン鑑賞
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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