
「クワイエット・プレイス」 沈黙のワンシチュエーション

あらすじ
2020年。メキシコに落ちた隕石と共に、進入してきた怪物は、盲目ながら聴覚が異常に発達していました。彼らは、少しの物音でも聞きつけて、人類を襲い始めます。圧倒的に大きく、凶暴な怪物に、人類はなすすべなく駆逐されていきました。
アボット家は、手話を使いながらかろうじて生き残っていました。ある日、町の雑貨店に必要なものを取りに行った帰りに、長女のリーガン(ミリセント・シモンズ)が与えたおもちゃの音で、まだ幼い次男が怪物の餌食になってしまいます。時がたっても、リーガンは弟のことにずっと責任を感じていました。また、彼女は聴覚障害があり、父のリー(ジョン・クラシンスキー)の作った補聴器を使っていますが、満足には音を聞くことができませんでした。そして、母・イヴリン(エミリー・ブラント)は臨月を迎えようとしていました。
怪物はこの一帯では、3匹確認していました。イヴリンの予定日も迫り、リーはリーガンに、新しく作った補聴器を渡しています。そして、リーガンに母親のケアを頼み、長男のマーカス(ノア・ジュープ)を連れて、滝に出かけました。滝では声がかき消されるので、会話ができます。イヴリンは、破水したため、地下室に移動しているときに、釘を踏み抜きますが、何とか声を抑えると、非常を知らせるため、家のライトを赤に変え、バスタブで出産の準備を整えました。リーは赤い光を見て、怪物をひきつけておくため、花火をあげるよう指示します。一方、留守番のはずのリーガンは、滝に行けなかったことが不満で、一人で外に出ていましたが、花火の音で、母の出産を知りました。
イヴリンはバスタブでなんとか出産を終え、戻ったリーは赤ん坊に小さな酸素マスクをつけて箱の中に入れます。一方外にいたリーガンはマーカスと合流しますが、穀物サイロに落ちてしまいました。そこにやってきた怪物は、リーガンの新しい補聴器の共鳴音を嫌い、去っていきます。リーは子どもたちを助けると、トラックに向かいますが、怪物は二人の乗ったトラックを襲おうとしたため、リーは声でエイリアンをひきつけ、自分は殺されてしまいました。トラックで家まで帰った二人はイヴリンに迎えられると、そこにも怪物が出現。リーガンは、サイロでの警官から補聴器をマイクに近づけて拡声し。怪物にダメージを与え、そこへイヴリンが猟銃で撃ち殺しました。そして、周囲に群がっている怪物に対して次の攻撃の準備をするのでした。

これは、劇場で見てみたかったと思いました。以前、パラノーマルアクティビティを劇場で見て、これを家で見るとだいぶ印象が違うだろうなと思ったのですが、逆にこれを家で見ていると、静寂の緊張感が劇場でどういう風に体感できるものか感じてみたい気がしてきます。音を立ててはいけないという緊張感は、そのまま張りつめた静寂の緊張感となって、少しの物音も劇場で響き渡るという効果があると思います。観客の誰か変な音を立てたにしても、すぐにわかってしまうでしょう。
内容は、全体を俯瞰して見ると、いろいろツッコミどころもありそうで、ワンシチュエーションを楽しむホラーという格好になります。途中で出てくる、突然叫びだす老人が、顔をゆがませて爆発していく演技とか、小技ではありますが、なかなか面白かったと思いました。クリーチャーも最後の方でアップで全貌が見られますが、まずまずいい出来であったのではないかと思いました。
失笑してしまうような場面もあり、どうしても都合の悪いところは飛ばしている感じですので、まぁストーリーは語ると落ちるのはもちろん、問いにも落ちるという感じです。ただただ、アイデアと雰囲気の勝負については、見事です。今年は、続編のクワイエット・プレイス PARTIIも公開されるようですが、この農場から出て、外の世界で戦うことになるようです。エミリー・ブラントといえば、このシリーズという事になってしまうのでしょうか…(笑)。
2020.3.28 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞