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「ブロー・ザ・マン・ダウン~女たちの協定~」 小さな漁師町で起こった事件を描くスリラー

Amazon Original の新作映画が、2020.3.20に公開されたので、さっそく見てみました。監督は、Bridget Savage Cole と、Danielle Krudy という女性二人によるもので、2019年のアメリカ映画です。いくつかの映画祭に登場した後、ネット公開されました。ニューヨークで行われるトライベッカ映画祭のUS・ナラティブで、脚本賞を受賞しています。トライベッカはサンダンスと同様に、インディペンデントの映画祭で、2019.4.26のここでの上映がワールドプレミア。その後Amazon Studioが配給権を獲得しました。

あらすじ
ラストまで ネタバレ してます!ご注意ください!
メイン州の小さな漁師町、イースター・コーヴ。プリセラ(ソフィー・ロウ)と、メアリー・ベス(モーガン・セイラー)のコノリー姉妹の母の葬儀が行われていました。メアリー・ベスは母の介護の為に一年間休学していましたが、プリセラから、家も担保に入っており、二人で頑張らないといけないと打ち明けられた時、切れてしまい街に飛び出します。酒場でゴルスキー(エボン・モス=バクラック)という男と会った彼女は、羽目を外して彼の小屋に行きますが、車のトランクの血痕を見て怖くなり、襲ってくるゴルスキーを銛で刺し殺してしまいました。家に帰るとプリセラにそのことを話し、警察に自首しようとしますが思い直し、現場に戻って二人で死体をクーラーボックスに詰め込み、崖から海に落としました。

ホテルオーシャンビューという娼館を経営するエニッド(マーゴ・マーティンデイル)のもとに、娼婦のアレクシス(ガイル・ランキン)が帰って来て、昨日ゴルスキーが現れなかったとぼやきます。プリセラが経営する魚屋を開けたところに、元同級生の警官のジャスティン(ウィル・ブリテン)がボートを借りにやって来て、岩場に上がった死体を回収するためにボートを出して欲しいと頼みに来ます。しぶしぶ同行したプリセラはその死体が女性であることを見て安堵しました。それは、娼婦のディーで、アレクシスの親友でした。そして、プリセラは、店のロゴ入りナイフを現場に忘れたことに気づき、メアリー・ベスが小屋に探しに行きますが、ナイフは見つけられず、代わりに大金の入った袋を見つけ、持ち帰りました、

老婦人3人がエニッドに、ホテルは役目を負えたから廃業しろと詰め寄っています。もともとこの娼館は、荒くれた男たちから、自分たちの娘に被害がおよぶのを避ける始めた商売だったのです。エニッドは娼館を経営し、結局独身のままで今までこの仕事を続けてきたのでした。彼女は自分が皆の犠牲になったので、指図は受けないとはねつけます。そして、ゴルスキーは、娼館の女衒であり用心棒的雇い人だったのです。エニッドは戻らないゴルスキーを不審に思い、小屋を訪ねますが、そこでプリシラの店のナイフを見つけてしまいます。メアリー・ベスは、プリシラにナイフは見つけて捨てたと嘘をついていたのでした。エニッドはコノリー姉妹の家を訪れると、二人の母と一緒に娼館を始めたが途中で抜けたのだと過去の話を語ります。

メアリー・ベスは、姉に小屋で見つけた金を見せ、この金で生活を立て直そうと提案します。3人の老婦人は、アレクセイを呼んで、エニッドがディーを殺したと話し、彼女は直接エニッドに確かめますが、言いくるめられてしまいます。エニッドはコノリー姉妹が金を盗んだと確信を持つと、ナイフと金の交換を提案。二人は重圧に耐え兼ね、再び自首しようとしますが、ちょうどジャスティンが訪ねてきて、それとなくいろいろと聞かれているうちに気が変わり、エニッドの元を訪れます。エニッドは気が変わったので、姉妹に娼婦として稼げと強要し、独身のままで娘たちを守ってきたのは自分だ。私を見下すな感謝しろと激高したところで倒れてしまい、姉妹はナイフを奪って去りました。そして、エニッドがディーを殺したと確証をつかんだアレクシスは、姉妹が去った後、エニッドの息の根を止めたのでした。姉妹はこれから二人で頑張ろうと言いながら家に向かう道のわきでは、老婦人がクーラーボックスを洗いながら、二人に微笑んでいました。



ブロー・ザ・マン・ダウン

小さな漁師町での出来事を描いた物語で、独特の雰囲気を持っている映画だと思います。ネオ・ノワールにも分類されるのでしょうか。冒頭や、中間部に挿入される漁師たちの歌も、独特の雰囲気を加えます。そして、暗めの色や寒々しい風景で、全体がまとめられていました。そのような町で、男たちから自分たちの娘を守るために、町の女性たちが始めた娼館。娼婦は外部から連れてきたかのようですが、一貫して娼館を経営してきたエニッドは、それを知る人には一定の敬意を払われながらも、敬して遠ざける的な扱いを受けていたようです。

コノリー家の母親も、娼館の共同経営者の一人だったようで、比較的堅実な人物のように語られています。そして、3人の老婦人も一枚噛んでいたのでしょう。何事も裏で取り仕切っているような雰囲気です。最後のクーラーボックスを洗っている老婦人は、「家政婦は見た!」の市原悦子みたいな雰囲気でした。そんな事情を知ってか知らずか、コノリー姉妹の、やはり自分たちを守る行動と、アレクシスのディーを失った恨みが交錯し、物語は行き場のない結末を迎えてしまいます。とはいっても、老婦人たちの裏の仕切りは続き、結果としては次の世代のコノリーたちにも女性の団結は引き継がれていくということになるのでしょうか。

やはり、ポイントはエニッドですかね。こういった仕事ですから数々の悪事を重ねており、娼婦の犠牲の上に町の平和を維持してきたという、汚れ役に徹した人生ではありますが、この期に及んで用済みを宣告され、理不尽だと嘆きながらも孤独に殺されていくという役になっています。マーゴ・マーティンデイルは、数々の名作に出演し続けてきた名脇役。この映画でも若手の二人をサポートし、大きな存在感を見せてくれました。ブラックコメディのタッチもあるこの作品は、魅力的な素晴らしい作品に仕上がっていると思いました。

2020.3.20 HCMC自宅にてAmazon Primeよりのパソコン鑑賞
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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