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「サザン・コンフォート ブラボー小隊 恐怖の脱出」 アメリカの奥深さを知る

1981年アメリカ製作の未公開映画。この時期の映画は、やはり気になるので、GAYO!無料動画に上がっているのを見て、早速拝見しました。内容は単純ではありますが面白い映画でしたし、新たな発見もあって有意義でした。監督はウォルター・ヒルです。

あらすじ
アメリカのルイジアナ州兵“ブラボー小隊”は、湿地帯での訓練中に密林に迷い込んでしまった。川辺にあったカヌーを無断で借りて湖を渡ろうとした彼らを、独自の文化を育むケイジャンと呼ばれる現地民が襲撃。指揮官である軍曹が殺害されてしまった。ケイジャンに強気で挑んだ隊員たちが、ケイジャンの仕掛けた罠にはまり、次々と殺されていくなかで、追いつめられた隊員たちは内部分裂を起こし、さらには精神的にも破綻していく。



冒頭は、まずは小隊の出発準備から。ルイジアナ州兵とのことですが、曲がりなりにも合衆国の正規軍の予備的存在である割には、風紀の乱れがひどく、まじめにやっているのか?という感じです。実弾が入ってないとはいえ、人に向けて機関銃を連射するのは、通常はおふざけでは済まないはず。ただの不良の集まりみたいで、あまり現実味がありません。その中でテキサス州兵のだらしなさがイヤでこちらに移ってきたハーディンも白けた目で見ているようでした。

そういう部隊なので、ルイジアナ湿地の行軍の演習に出てはみたものの、早速道に迷ってしまい、住民のカヌーを盗んで湖を横断しようとしますが、湖の沿岸に見えた住民に対し、隊員の一人が実弾の入っていない機関銃をぶっ放してしまい、驚いた住民から反撃を受け、隊長が頭を打ちぬかれてしまいました。慌てふためきつつも態勢を整え、犯人探しと報復に向かいますが、実弾は基本的に持たず、隊員の一人リースの持っていた一箱のみ。これを分配し、森の中をさまよううちに狩猟小屋と一人の住人を見つけました。

ルイジアナ湿地にいる住民とは、いわゆる「ケイジャン」とのこと。元々、当初フランス領であったカナダからプロテスタントへの改宗を拒否したフランス移民が、当時フランス領であったルイジアナに渡ってきたことを祖とする人々との事。言葉もフランス語をベースに多言語が混じり合った独特のもので、森の中で質素な独自の文化を築いているとのことです。彼らの存在はお恥ずかしながら初めて知りました。彼らは、ルイジアナ南部のアケイディアナで、独特の文化を育み居住しているとのことでした。

さて、小屋を急襲し、ケイジャンのハンター1人を捕虜とした彼らですが、言葉はほとんど通じず、隊長を撃ったことを尋問しようとしても会話になりません。そうしているうちに、隊員の一人が精神を病み小屋を爆破してしまう始末。これにより、彼らはせっかく小屋で見つけた弾薬食糧をも、すべて失ってしまいました。彼らは湿地帯からとにかく脱出すべく、捕虜のケイジャンを道案内に行軍を再開しますが、襲撃したハンターグループが巧みに罠を仕掛けており、彼らを追い詰めていきます。部隊では内部分裂も発生、味方の捜索のヘリがやがて頭上に現れますが、やがて捕虜にも逃げられ、もともと訓練度が低そうな兵士が、貧弱な武器で戦っても、機敏な森のハンターには全く歯が立たず仲間が次々と斃され、最後には比較的しっかりした2名が残りました。

森を彷徨ううちに、背後に列車の音を聞き、やがて道路に到達すると、通りかかった地元のケイジャンの車で町まで連れて行ってもらうことになります。着いたケイジャンの町ではお祭りの最中の様で、彼らも混じって楽しみますが、森の中にいて彼らを襲った仲間も、彼らを追って町にやってきたことを発見。ケイジャンのお祭りの舞台裏で、静かな死闘がが始まりました。

とまぁ。こういうお話でした。
サザン・コンフォート

このストーリーの中でまず目立つのは、ルイジアナ州兵たちの下衆ぶりと馬鹿さ加減。最初からやることが下衆で、冗談がきつい面々です。その上、気が弱かったり、恐怖や罪の意識の苛まれて精神状態がおかしくなったりと、使えない奴が多い集団でした。従って、ケイジャンのハンターにどんどん斃されていきますが、自業自得感がこの上無く、まさに君たちはやられて当然だろうという部隊でした。ホラー映画でばか騒ぎをしている若者が、一人一人悪魔の犠牲になっていく。あれと同じです。

そして、もう一つはやはりケイジャンの描写です。最後にケイジャンの町に出て見たものは、原始的な生活をしているケイジャンたちのお祭り騒ぎ。まるで、西部劇の町に突然着いたような感じですが、この映画を信じればケイジャンたちは奥地で未だに伝統を守って、自給自足に近い質素な生活をしているグループがあるということになります。見た目は白人なので、州兵たちと同じですが、生活習慣も内容も全然違う人々がいる。これはちょっとした驚きでした。そういう意味で、この町の場面は、ケイジャン文化(食事や音楽)が表現されている貴重な場面だと思います。

この映画の舞台となっているルイジアナ湿地は、ミシシッピ川の治水によって海の浸食が目立ち海岸線がどんどん後退しているとのことですが、これだけの大きな湿地帯はまた、大変珍しい自然の光景を見せてくれています。ケイジャンの文化と合わせて、一筋縄ではいかないアメリカの広大さや多様さを見たような気がしました。

全体として、州兵が自然と敵の脅威の中で、次々と変調し、敵に倒されていく様子が主題と思いますし、その話自体はなかなか面白いのですが、もう一方で、アメリカの文化の一面を教えてくれる、なかなか貴重な映画体験をさせていただきました。
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Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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