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「ボヴァリー夫人とパン屋」名作に準えた展開と皮肉な結末

ちょっと前に、ワシコウスカのボヴァリー夫人を見たのですが、今回はそのボヴァリー夫人の派生作品という事で、「ボヴァリー夫人とパン屋」です。原題は、Gemma Boveryですが、この邦題も内容からしていい感じですね。2014年のフランス映画で、監督はアンヌ・フォンテーヌです。

あらすじ
物語は、チャーリー(ジェイソン・フレミング)が妻のジェマ(ジェマ・アータートン)の遺品を整理しているところに現れたマルタン(ファブリス・ルキーニ)が、ジェマの日記を持ち帰って読み始めるところから始まります。

ノルマンディーでパン屋を継いだマルタンの家の隣に、英国人のチャーリーとジェマ夫妻が引っ越してきました。苗字がボヴァリーと聞いたマルタンは、偶然の一致とジェマの美しさに久しぶりに興奮を覚えます。そして、停電の修復を手伝ったお礼にボヴァリー家に招かれたマルタンは、ネズミ対策の殺鼠剤の使用に猛然と反対します。マルタンは、ヒ素で自殺したボヴァリー夫人と重ね合わせたからです。ある日、マルタンが道でジェマと出会った時、彼女はハチに刺され気絶してしまいます。マルタンはそこに通りかかった、司法試験の勉強のために古い館に帰省していたエルヴェ(ニールス・シュナイダー)の助けを借りて、ジェマを病院へ連れていきました。

ある日、町の市場で再会したジェマとエルヴェの様子を、マルタンがじっと眺めていました。ボヴァリー夫人の不倫の始まりと重ね合わせていたのです。そして、実際二人は不倫の関係に走っていきます。これを見張っていたマルタンは、不倫の末に自殺したボヴァリー夫人と同じ運命を辿らぬよう、小説の不倫相手からの別れの手紙に倣い、エルヴェを騙ってジェマに別れの手紙を送りました。手紙を読んだジェマはエルヴェに電話しますが、ちょうど厳格な母がパリから訪ねてきていて、息子の日常を察した母はパリへ連れ帰ってしまいます。そして、妻の不倫に気づいたチャーリーも家を出てしまいます。

ジェマの元に偶然元カレのパトリックが訪ねて来ます。離婚した彼はジェマに復縁を迫りますが、ジェマは拒否し、戻ってこないチャーリーにお詫びと愛の留守電を入れます。ジェマが引越しの準備をしていると、マルタンは彼女が自殺するつもりだと勘違いし、これを止めようとした話の流れで、マルタンが手紙を送ったことが発覚してしまい、マルタンはお詫びに“ジェマ”と名前を入れたパンを差し入れました。その後、パトリックがやってきて、再度復縁を迫りますが、ジェマには全くそのつもりはなく、そこへちょうどチャーリーが戻って来ました。家に入ったチャーリーはすぐに家を飛び出し、マルタンの所にやってきて妻の急を告げました。あわててマルタンが駆け付けると、そこには、ジェマが倒れていたのでした…。

その死因と後日談については、実際の作品でお楽しみください…。



ボヴァリー夫人とパン屋

名作ボヴァリー夫人になぞらえたお話。フランスの田舎らしい映像と、美しい風景と美しいジェマということで、ボヴァリー夫人の話をなぞりながら、コミカルに、またちょっと妖艶に進んで行きます。主演のジェマ・アータートンもなかなか雰囲気が良くて、映画のあちこちで美貌を見せてくれていました。前半は、ボヴァリー夫人の恋の進展を、アントンの目と交錯させながら進み、後半に入って、アントンが贋の手紙を書いてから、いろいろな事件も絡まって話が急展開していきます。前半はジェマの映像を楽しみましょう。そして、後半はストーリーを楽しみましょうという感じでした。

それで、やはりアントンの妄想がこの映画のテーマ。頭の中のボヴァリー夫人になぞらえ、団欒の中でも思い込んでしまい、鋭い眼光を放ってしまう。そして、ジェマに魅入られてしまったアントンは、妄想が加速し妨害工作に出てしまいます。それが破局への直接原因とはなってはいませんが、正直バカな事をやっている感じです。これは、ジェマに恋してしまい、嫉妬心も交じっていると思いますので、どうしようもないですね。アントンの頭の中でも、負のスパイラルが回りはじめ、現実も並行して回っていく。そしてそのシナジーが起こっていくという感じです。アンヌ・フォンテーヌさんはこういった男心もお見通しのようで。

ラストが見事でした。このラストはネタバレしたくないので書きませんが、なるほどと思いました。というか、しっかり落ちたという感じがして、ちょっと笑ってしまいました。ほのかなコメディ基調で来ているこの作品にふさわしいラストであったと思います。最後まで見て楽しめたと思える一本でした。

2020.2.23 HCMC自宅にてAmazon Primeよりのパソコン鑑賞
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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