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「午後8時の訪問者」 良心の呵責とか、罪滅ぼしとか…

題名とキャッチフレーズから、事件に巻き込まれていく医者の話かなと思って、サスペンスを期待して見始めました。2016年の映画で、ベルギー・フランス合作映画。監督は、ジャン=ピエール・ダルデンヌです。カンヌ映画祭では、パルムドールのノミネート作品となっていました。

あらすじ
小さな診療所で働くジェニー(アデル・エネル)は、研修医のジュリアン(オリヴィエ・ボノー)を咎めている時、インターホンが鳴ります。しかし、診療時間を一時間も過ぎていたため、応対しようとするジュリアンをとめ、翌朝訪ねてきた刑事に、昨夜訪ねてきた少女が身元不明の遺体として発見されたことを知らされました。ジェニーは応対しなかったことに罪悪感を感じながら、診療所へ出勤しなかったジュリアンを訪ねると、ジュリアンは医者になることを諦めると言い出します。

後悔に苛まれながら、往診先で少女の写真を見せて身元を調べるジェニーは、患者の一人ブライアン(ルカ・ミネラ)が少女の写真を見た時、心拍数が上がったことに気づきます。ジェニーはブライアン問いただすと、少女が高架橋下にあるキャンピングカーで売春していたことを見たと告白。キャンピングカーの持ち主の父からも情報を得て、彼女と関係のあると思われるネットカフェで少女の写真を見せると、店員も客も「知らない」と証言。しかし後日ジェニーはそこにいた客たちに襲われ「あまり嗅ぎ回るな」と釘を刺されました。ブライアンの両親からも、これ以上少女の事でブライアンに近づくなとクレームを受けます。

その後、ブライアンの父親(ジェレミー・レニエ)が診療所を訪ねてきて、少女が死んだ夜に彼女を買おうとし、交渉のもつれから追いかけている途中で彼女が転落したことや、その後助けずに立ち去ったこと。彼女に会っていることをブライアンに見られていたことを告白します。ジェニーは自首を薦めますが、彼はトイレで自殺を図り失敗。警察へ電話することにします。そして、診療所にネットカフェの店員が現れ、「警察へ行く前にお礼を言いに来た」と言い、少女は自分の妹で、男と三人で住んでいたが、男の気持ちが妹に移り嫉妬していたことや、男が少女に売春させていたことなどを告白。彼女が診療所を後にすると、再びジェニーはいつもの日常へ戻っていきました。



午後8時の訪問者

どきどきするサスペンスかなと思っていましたが、静かな人間ドラマでした。一時の感情もあり応対しなかったことから、良心の呵責に苛まれ、身元不明の少女の身元を割り出し、両親に報せ墓石に名前を刻もうとするジェニーは、ただ名前を知りたいと、会う人に聞き込みをしていくという展開。その中で知られたくない事実が露見していく関係者から恨まれていくジェニー。そして、実際の少女の死に関わった人物は、大きな後悔を抱えて苦しんでいました。

診療所のブザーが鳴って応対しなかったことから発展していきますが、その後に彼女の行動は見殺しにしたという良心の呵責に、係わったことに納得感を得たいという気持ちも交じっていくように思えます。だんだん関係する人の恥部を暴いていくという結果になっていき、それに対する怒りに変わっていく部分もあったのでしょう。そして、こういうことに深入りすれば危ないという事も普通に起こってきます。その結果は非情な事実を暴くことによって、解決を見たのでした。

事件の真相はスッキリするようなものではなく、残された者にとっては誰も報われないようなもの。しかし、ジェニーがブライアンの父親に言ったように、良心の呵責として少女は二人の中に生き続けている。それを何とかしないと未来はない。ということのようです。死んだ人が浮かばれないとよく言いますが、それは死んだ人に関係する人々の心の重荷が下りないという事と同義なのですね。最後に亡くなった少女の悲哀を語って物語は幕を閉じました。主演のアデル・エネルさんを見るのは初めてですが、雰囲気もいい感じで良かったです。

2020.2.2.HCMC自宅にてAmazon Primeよりのパソコン鑑賞
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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