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「ブラックサンデー」 70年代のテロリズムとアメリカ映画

Amazonでみつけた、70年代アクション。評判も良さそうなので、早速見てみました。この映画は、当時の事情で、日本では公開されなかったようです。1977年のアメリカ映画で、ジョン・フランケンハイマー監督の作品です。

あらすじ
ベイルートで活動を再開したテロ組織。ダリア(マルト・ケラー)は、目標をアメリカにさだめ、ベトナム戦争帰りのパイロット、ランダー(ブルース・ダーン)を組織にスカウトし、実行後の声明文をテープに録音したその日、突如アジトを、カバコフ(ロバート・ショウ)をリーダーとする、イスラエル軍特殊部隊に急襲されます。ダリアはなんとか脱出に成功しますが、録音したテープを発見され、翌年1月に、破壊行動を起こすことが、アメリカ政府の知ることとなりました。

ダリアもアメリカに潜入し、日本のエージェントからプラスチック爆薬を大量購入します。カバコフが輸送した貨物船にかけつけた時には、すでに持ち去られたあとで、ランダーの仕掛けた爆弾に、危うく命を落としそうになりますが、一命をとりとめ入院します。さらに、看護婦に変装したダリアが、カバコフを毒殺しようとしますが、これは失敗。カバコフは彼女の身元を割り出しました。テロ組織の仲間のファジル(ベキム・フェーミュ)は、状況が良くない為、ダリアに計画の延期を迫りますが、ダリアは耳を貸さず、二人はFBIに発見され、ファジルは命を落としてしまいます。

テロは、8万人の観客が集まり、大統領も観戦するスーパーボールの会場でプラスチック爆弾を爆発させるというもの。ファジルを仕留めた時に、部屋からスーパーボールの案内状を見つけたカバコフは、テロ標的の焦点を絞り、厳重な警備体制を敷きます。一方、計画に使う飛行船に乗って現場に向かうダリアとマイケル。カバコフは、ヘリコプターで追い、二人を銃撃して倒しますが、爆弾を抱えたまま飛行船はスタジアムに向けて飛び続けました。カバコフはヘリから飛行船に乗り移り、ロープを接続し海上まで牽引していくことにします。最後に瀕死のランダーが爆弾に点火しましたが、すでに飛行船はマイアミの海上に出ていたのでした。



ブラックサンデー


70年代アクションで、ミュンヘンオリンピックで世界を震撼させた黒い九月と、モサドの対決がアメリカで行われるというストーリーでした。黒い九月側の視点から、活動と攻防が進んでいきます。内容は非常に緻密で、展開も充実し、テロ実行に向け準備していく過程をじっくり描いていきます。その内容は興味深く、また惹きつけられるものでした。ラストは手に汗握る攻防戦となり、かなりの時間を割いて結末がどうなるかハラハラさせる展開でした。

で、ラストですが、やはりちょっと疑問が残りました。イスラエルにも気を遣うアメリカの映画ですから仕方ないのかもしれませんが、両者とも今まで騒乱を引き起こし、殺戮も繰り返してきた存在。スタジアムを犠牲にすれば、テロ成立になってしまうのでそれはないですが、途中の会話で、主人公のテロリストを生み出したのは君たちだという言葉でも表現される因果関係にある世界。せめて相討ちぐらいにはしておけばよかったのではと思いました。これだと、一方的な感じがしました。むしろこの映画を今見ると、アメリカが諸悪の根源ではないか?みたいな印象まで持ってしまいます。

音楽は、ジョン・ウィリアムスが担当。これは目立ちます。この時代のスペクタクル映画のイメージそのものの、雄弁かつアクティヴな音楽でした。俳優陣では、ブルース・ダーンが素晴らしいと思いました。ベトナムで捕虜となり、精神的におかしくなった男を見事に演じていると思います。映画そのものは非常に水準が高く、しっかりしたものですが、やはり、このラストはどうも好きになれない感じでした。

2019.12.31 HCMC自宅にて、Amazon Primeよりのパソコン鑑賞
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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