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「スキャナーズ」 後続に影響を与えた80年代の名作SF

公開時に気になっていた映画という記憶があって、チェックしておいたものを、やっと見てみることにしました。当時、この映画が気になっていたのは、題名がP.K.ディックの暗闇のスキャナーと似ているという点です。残念ながら、関係はありませんが…。暗闇のスキャナーは、後年、別にアニメ映画化されました。それも見ていないのですが…。スキャナーズは、1981年のデイヴィッド・クローネンバーグ監督の作品です。

あらすじ
ベイル(スティーヴン・ラック)は、ショッピングセンターでハンバーガーを食べているところを婦人客に見つめられ、悪意をもって彼女を睨みかえすと、その女性はもがき苦しみ始めてしまいました。ベイルはその場に現れた男達に麻酔銃を撃たれて捕まってしまい、ある施設のベッドで目を覚まします。そこは国際的警備保障会社コンセック社が設立した超能力者(スキャナー)の研究所で、研究者のルース博士(パトリック・マクグーハン)から、ベイルはスキャナーであると告げられ、スキャナー達を集結させて世界征服を企てるレボック(マイケル・アイアンサイド)の殺害を要請されます。

レボックは、自傷で眉間に穴を開けてしまい、傷跡が残っているのが特徴です。そして彼は、コンセック社の公開実験で、レボックにスキャンを試みたスキャナーに対し、相手の頭部を破裂させたうえ、逃走するという、強大な力を持つスキャナーなのでした。ルース博士によってスキャナーとしての能力を覚醒させられたベイルは、レボックの情報を求めて、各地のスキャナー達に会いに行きますが、レボックのグループによって、従わないスキャナー達は次々と殺害されていました。ベイルは女性スキャナーのキム(ジェニファー・オニール)と行動し、エフェメロルという薬物から、レボック追求の手がかりが生化学研究所にあると突き止めました。

工場では、大量のエフェメロルが生産されており、それはコンセック社とも繋がりがあることを突き止めます。そして、そのエフェメロルを妊娠中に投与された妊婦の胎児は、生まれながらにスキャナーの能力を得るのでした。キムと共にコンセック社に戻ると、ルース博士に、コンセック社内部に裏切り者がいると告げますが、ルース博士は銃殺され、二人はコンセック社からも追われることになると、公衆電話の回線を通じてコンセック社のコンピュータにアクセスし、システムを破壊してしまいます。しかし、そこに現れたレボックに二人は拉致されてしまいました。

レボックは、自分はベイルの兄であり、ルース博士は2人の父親だとベイルに告げると、能力を用いて世界征服を持ち掛けます。しかし、べイルはこれを拒否し、強力なスキャナー同士の戦いが始まりました。壮絶な対決が行われた現場で、ベイルを捜すキムが見たものは、灰と化したベイルの焼死体。そして、部屋の隅でたたずんでいた男は、眉間の傷が消えたレボックで、その男は「僕達は勝ったんだ」とキムに語りかけるのでした。



スキャナーズ

クローネンバーグ初期作品で、いろいろなアイデアをつぎ込まれていると思いました。古典的な巨匠のSFというストーリーではなく、70年代以降の新しいSFのイメージがあります。そして、いろいろな試みを試しているという雰囲気もありました。映像的には、今となっては少々古さを感じてしまいますが、あの頃のSFの雰囲気がよく出ています。スキャナーの対決は、攻撃と守備を顔で表すという趣向になっていますので、変顔としかめ面のオンパレードになっているところが面白いです。その中で、マイケル・アイアンサイドがさすがカナダのジャック・ニコルソンと呼ばれるだけあって、似てます。

ストーリーは、かなり凝った筋立てだと思いました。ただし、SFとしての筋の面白さが映像の特異な表現の中で、何となく目立たないというか、ちょっと生きていない感じがしました。ちょっと、ショッキングな映像とか表現を連ねることに重きをおいたのかなという風に感じました?それはそれで面白いもので、スキャナーの攻撃で頭が破裂するシーンがやはり圧倒的です。この場面も含め、いろいろなアイデアが、後世に影響を残した映画になっているようです。

これより前の作品は見ておりませんが、クローネンバーグ監督の快進撃は、この映画から始まったと言えると思います。映像が過激だったり、グロかったり、あるいは精神的に病んでいたりする彼の世界は、かなり好きなんです。ニューウェーヴのSF作家の作品を原作として使ってくれるところも好みです。まだ見たい作品もたくさんあって、私も、時々チェックする監督の一人なのでした。

2019.12.28 HCMC自宅にてAmazon Primeよりのパソコン鑑賞
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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