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「ぼくを葬る(おくる)」余命を宣告された美しい男の3ヶ月

フランソワ・オゾン監督の作品は久しぶりと思いますが、何か現在のフランス映画らしい雰囲気を持つ代表的な監督さんではないかとも思っていたりします。この映画は2005年のもので、もう15年前になるのですね。
原題はLe temps qui reste(残された時間)で、英題はTime to Leaveとなります。邦題もなかなかセンスがいいと思います。

あらすじ
パリで活躍している人気のファッション・フォトグラファーのロマン(メルヴィル・プポー)は、31歳の若さで癌により余命3ヶ月を宣告されてしまいます。化学療法を拒んだロマンは両親の家を訪ね、久々に家族4人での夕食を囲みますが、もともと折り合いの悪かった、幼い子供のいる離婚間近の姉ソフィ(ルイーズ=アン・ヒッポー)と口論になってしまいました。そしてロマンは、一緒に暮らしていた男性の恋人サシャ(クリスチャン・センゲワルト)をわざと冷たくして追い出し、その後郊外で一人暮らしの祖母ローラ(ジャンヌ・モロー)を訪ね、彼女にだけ自分の運命を知らせました。

祖母の家からの帰り道、立ち寄ったカフェで働く女性ジャニィ(ヴァレリア・ブルーニ=テデスキ)に、自分の夫に問題があり子供ができないので、自分と性交して代理父になってくれないかという依頼を受けます。ロマンは断りましたが、彼女の願いは心に引っ掛かり続けます。やがてロマンは仕事を辞め、孤独に死と向き合い始めると、姉と和解し、サシャとは再会してその後の様子を見届け、ジャニィの申し出を思い起こして承諾し、ロマンはジャニィと彼女の夫も交えての肉体関係を持ちました。そして時は経ち、計画通りジャニィの妊娠が判明。ロマンは自らの遺産を彼らに託すと、一人で海辺に出向きます。そして砂の上に寝転びながら、日が暮れ人々の歓声が消える頃、静かに息を引き取ったのでした。



ぼくを葬る

余命を宣告された、若く美しい男性のお話。コンパクトに美しくまとまっています。話の中で、微妙な時の流れが、花が枯れ、髪の毛をそりという形で進行していき、最後に賑わうビーチが閑散として、最後を迎える。なんとなく、ビーチに行きたくなりました。男と男の性愛シーンが目立つのもこの映画の特徴ではあるのですが、ごく日常に取り込まれているところにも好感が持てます。男と女のセックスもあります。そして、おばあさんとはそれ以上の心のつながりが感じ取れます。

それぞれの相手との最後の交わし方も、各人各様でした。姉との最後は電話。女性との交流という意味で、姉が一番深かったので、最後まで素直になれなかったのでしょうか。そして、子孫と相続先も最後に残すことができました。短い話の中に、人生の清算がいろいろ詰まって印象的です。特に、ジャンヌ・モローとの別れが素晴らしかったと思いました。祖母と孫が同じ時期に死に直面するというセリフに、いたたまれないものを感じました。

ということで、あまり非の打ちどころのない映画だと思います。映像も美しく効果的です。フランソワ・オゾン監督。それほど見てはいないのですが、雰囲気のいい作品が多い感じで、けっこう好きなタイプです。この映画はカンヌの「ある視点」のノミネート作品となりましたが、ある視点部門がはまっていると思います。俳優さんでは、主演のメルヴィル・プポーはもちろん素晴らしいのですが、やはり、ジャンヌ・モローが、さすがに素晴らしいと思いました。

2019.12.28 HCMC自宅にてAmazonPrimeよりのパソコン鑑賞
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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torrent13

Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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