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「カプチーノはお熱いうちに」 生きることの幸せを謳歌したい

何度もシネスイッチ銀座で予告編を見ていたのですが、結局見に行かなかったこの映画。GYAO!の無料動画に上がっていたので、これは必見と思い、早速見てみました。予告編を見る限りは、なかなか面白そうだったのですが、この題名がイヤで見に行かなかったのですよ。内容とのアンマッチ感が半端ない気がしたので、なんとなく足が遠のきました。ということです。

あらすじ
親友のシルヴィア(カロリーナ・クレシェンティーニ)、ゲイのファビオ(フィリッポ・シッキターノ)とともに“カフェ・タランチュラ”で働くエレナ(カシア・スムトゥニアク)はある日、乱暴な男アントニオ(フランチェスコ・アルカ)と出会う。アントニオはシルヴィアの新しい恋人と判明するが、勝気で正義感の強いエレナは真っ向から対立。しかし、エレナは、アントニオの識字障害を知り、彼を傷つけてしまったことから、アントニオのことが気になり始めた。そんな中、カフェを開くための物件を、ファビオが見つけてきた。
そして、13年後。エレナとファビオの“カフェ・ガススタンド”は無事に13周年を迎え、一方で、結婚して2人の子どもをもうけたアントニオとの関係はすっかり冷え切り、夫婦げんかが絶えない。そんなある日、叔母に誘われて受けた検診で、エレナは自分が乳癌に冒されていることを知った…。



雨の中、大勢の人がひしめき合って雨宿りをしている場面からスタート。エレナとアントニオの初対面ですが、アントニオの差別主義的な言葉に、2人は口論になります。その場は収まったのですが、ある日親友たちが集まったパーティーで、シルヴィアの連れてきた新しい彼がアントニオでした。その後、彼女たちが働くカフェにアントニオも来るようになりますが、アントニオはエレナが気になる様子。そっけない彼女は店の機械の修理中に、手が塞がっているので、アントニオに取説を読んでと頼みますが、アントニオは識字障害でした。それを知らず、なかなか読めないアントニオに、「さっさと読んでよ。識字障害なの!」と言い放ってしまいます。それを聞いたアントニオは店を逃げるように出ていき、エレナは自分が差別的発言をしてしまったことを悟り、それ以来アントニオのことが気になり始めました。

その後、2人はアントニオのバイクで2人だけのビーチでデート、一方でファビオと新しいカフェの準備をしているという状況で、一気に13年後に飛んでいきます。

エレナとファビオの“カフェ・ガススタンド”は13周年を迎え、華々しくパーティーが行われています。一方、結婚して2人の子どもをもうけたアントニオとの関係はすっかり冷え切り、夫婦げんかも日常茶飯事。2軒目の店を出そうと忙しく奔走するエレナは、アントニオと、いろいろすれ違っている様子です。

そんなある日、叔母に誘われて受けた検診で、エレナは自分が乳癌に冒されていて、重篤な段階であることを知り、家族や親友の前で打ち明けますが、それを聞いたアントニオは、ショックを隠し切れず、精神的にも追い込まれていきます。病院で化学療法を受けながら、気丈に振る舞い続けるエレナ。しかし、エレナとアントニオは、互いを必要としながらも、何気ない会話しか交わすことができずに涙を流すのでした。

やがて、エレナは仕事中に倒れて入院。同室のお茶目な入院患者エグレ(パオラ・ミナッチョーニ)の存在や周囲の励ましもあり、前向きに治療を続けていました。ある晩、ようやく素直になれたアントニオは、エレナの病室を訪れ、病室の狭いベッドで愛を交わします。しばらくして、隣のベッドにいたエグレが亡くなり、それを知ったエレナは生きる希望を失い、失意のままエグレの赤いスカーフを手に病院を抜け出し、アントニオの家に戻るのでした。アントニオは医師からの連絡を受け、急いでエレナを病院に連れ戻そうとしますが…。

カプチーノはお熱いうちに

あらすじからも解るように、大変重いストーリーですが、実際は、あくまでも明るく仕上げられています。悲嘆にくれる様子なども執拗に挟まって入るのですが、周囲の人たちから、言葉は少なくても、元気づけられている。そんな感じです。我が子のグレンダからの言葉も、実際は突き刺さっているのですが、母親として気丈に耐えている。死に向かって悲嘆にくれるよりも、精一杯人として生きている、という方が前面に出ているように思います。原題の「シートベルトを締めてください」は、山あり谷ありの人生を象徴するような言葉なのでしょう。

主演の、カシア・スムトゥニアクさん、いいですね。ポーランド出身でイタリアで活躍する女優さんとのこと。若々しい時代から、13年を経た病身の時代を、見事に演じています。あとは、母と叔母がいいコンビでした。

この映画の特徴は、まずとても画面が美しいこと。人物も風景もなかなか美しく撮影されていると思います。また、ストーリー展開を省略し、結果だけ見せていく手法がとられています。13年間の省略だけではなく…。したがって、余計な葛藤は飛ばされ、説明的な場面はなく、逆に情緒的な部分や表情の変化などが、じっくりと語られています。見ていると、時間の割には中身の濃いものをたっぷり見たような感じがしました。トルコ出身の、フェルザン・オズペテク監督によるものですが、これは面白いと思いました。

最後ですが、この手の題名は、個人的ではありますが、勘弁して欲しいです。映画とは関係ありませんが、学生時代に発売されたパット・メセニーのアルバムで、「オフランプ」というのがあるのですが、それが日本で、「愛のカフェ・オーレ」という、内容とはかけ離れたタイトルで発売されて噴飯物だったので、それ以来、私はどうもこの手の題名は聞いただけで、「あほか」と思ってしまうのです。中身とマッチしていればOKなんですけどね。
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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