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「日本で一番悪い奴ら」 重い題材のエンターテインメント

出張中の機内で見るため、タブレットにダウンロードして出かけました。選んだのは、「日本で一番悪い奴ら」。2016年の映画で、見たいリストに入っていましたが、見逃していました。主演は綾野剛白石和彌監督。東映・日活製作ということで、なんとなく、あーいった雰囲気のエンターテイメントかなぁ、と想像がつくような感じです。

あらすじ
柔道を買われ道警に勧誘された諸星(綾野剛)は、捜査も事務も満足にできず、邪魔者扱いされる。村井刑事(ピエール瀧)は諸星に協力者を作れと説き、諸星はその教えに従い、暴力団組員を覚せい剤・拳銃所持で逮捕、その功績で本部長賞を授与される。要人への銃撃事件の増加に伴い道警本部に銃器対策課が新設され、諸星は第二係長を拝命。新設部署の面子のため手っ取り早く拳銃の摘発をしたいと上司に相談されると、所持者不明の銃をコインロッカーに入れて摘発を偽装する。これをきっかけに摘発手段はエスカレートしていき、ロシア人から1丁2万円でトカレフを購入して摘発件数を水増しするようになる。さらに、諸星は資金不足を補うため、シャブを捌くことに。一線を越えた諸星はさらに大きな計画を立案、税関、道警を巻き込んだ暴挙に出る…。



この映画の元となっているのは、北海道警で実際に起きた「稲葉事件」です。柔道一筋の諸星刑事は、北海道警柔道部の全国制覇のために採用されたようなものですが、いざ勤務に入ると実直ながら不器用な性格でした。その実直さが買われ、先輩刑事から徹底的に教育を受けるうちに、裏社会にも顔が広くなり、あの手この手を使いながら、どんどんシャブや拳銃を上げていき、エースとして周囲から重宝がられます。

そんな中で、国松長官の襲撃事件が起こり、全国に拳銃取締りの檄が飛びますが、これはある意味、各県警間の拳銃摘発競争のようなものでした。道警は成績を上げるために特別チームを編成し、諸星は期待のうちに配属されました。ここでの方法は、摘発とはいえ、とにかく拳銃の数を集めること。金を使って買い集めたり、密輸のために、知り合いをロシアに飛ばせたり、拳銃を入手するためには何でもあり。所持者などどうでもいいので、いわゆる「首無し」全然OKというやりかたでした。

諸星は、思うようになかなか集まらない中で、道警と税関ぐるみの計画を提案します。それは、まず麻薬20kgをわざと見逃して通過させ、その次の拳銃を大量に押収しようというもの。しかし、さすがに金額が大きく、加担する面々も一筋縄ではいかないメンバーたちで、あちこちに破綻が起こり始め、諸星は窮地に立たされました…。

といった感じでストーリーは進み、実話と同様逮捕にいたるまでのお話でした。

日本で一番悪い奴ら

なかなか、面白かったです。立派なエンターテインメントを感じました。「凶悪」のような毒はあまりなく、やはり展開とアクションとがメインでしょうか。そのあたりが、綾野剛なのかなと思いました。ピエール瀧がやっていたら、もっとおどろおどろしい感じになったのでしょうが。

稲葉事件から想像するイメージは、綾野剛なのか?というと、私のイメージは、もっと押しの強いサラリーマンぽい感じですので、この2人でいけば、ピエール瀧的なイメージです。綾野剛だとエンターテインメントを感じ、ピエール瀧だと、それこそ「凶悪」のような、重い映画になるかもしれません。映画の方向性とキャスティング、とても興味深いと思いました。

最後の方で、シャブ中になり、ぐだぐだな生活をしている綾野剛は、なかなかの怪演。それでも復活と道警への貢献をあきらめない諸星が強調されますが、やはり道警の体質、先輩方の教育と信念によるもの。諸星は組織の被害者でもあったということを強調しているように見てとれます。重い題材が時代を経て一流のエンターテインメントになっている。キラリと光る映画と思います。
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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torrent13

Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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