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「ボヴァリー夫人(2014)」 ワシコウスカ版、結婚~服毒まで

フローベールのボヴァリー夫人は、1857年に出版されたフランスの小説で、当時はその内容から風紀紊乱の罪で起訴され、無罪となったという経歴を持ちます。名監督や名女優により、今まで何度も映画化されていますが、今回見るのは最新のもので、2014年のミア・ワシコウスカ主演によるものです。監督はソフィー・バーセスで、ドイツ・ベルギー・アメリカ合作の作品となりました。

あらすじ
修道院を出て年頃になったエマ(ミア・ワシコウスカ)は、両親の勧めで村の医者のチャールズ・ボヴァリー(ヘンリー・ロイド=ヒューズ)と結婚します。ところが、エマはもともとロマンティックな空想に浸るのが好きな女性で、やがて結婚生活にも、自分の理想との差を感じ始めました。村では、薬剤師オメー(ポール・ジアマッティ)や、公証人書記の青年レオン(エズラ・ミラー)といった人物と交流する中で、エマはレオンに惹かれていきますが、レオンは突然法律の勉強のため都会に惹かれて去ってしまいます。そんな中で、資産家のロドルフ(ローガン・マーシャル=グリーン)が下男の治療の為チャールズを訪ねてくると、エマに目をつけた遊び人のロドルフはエマを口説き、彼女は誘われた狩りに同行し親密になっていきました。

一方、夫のチャールズは、オメーから成功すると高名な医者になれると言われ、エマも勧めた足の外科手術に手を出して失敗。患者の足を切断させることになってしまいます。ふがいない夫に失望するエマですが、この時義足を用立てた商人ルウルー(リス・エヴァンス)に気を許し、勧めるままに贅沢品を買うようになっていきました。そしてエマは密会に飽き足らず、ロドルフに駆け落ちを迫りますが、ロドルフは約束を破り、別れの手紙を書いて姿を消してしまいました。ショックを受けたエマは沈んでしまいますが、ルウルーに気晴らしにと劇のチケットを貰い、夫とルーアンに観劇に出かけ、そこでレオンと偶然再会します。

レオンへの情熱が復活したエマは、ピアノの稽古という口実でルーアンに通うようになり、買い物に使ったルウルーへの借金も膨らんでいき、ついに裁判所から差し押さえの通知が来たため、返済のために奔走するようになります。レオンは上司から密会を禁じられ、帰ってきたロドルフからも金を出すことを拒絶され、ルウルーに媚びを売っても相手にされなかったエマは万策尽き果て、毒を飲んで森に入り自らの命を絶ったのでした。日の暮れた森にエマをさがすチャールズたちの声が響くばかりでした。



ボヴァリー夫人2014

ボヴァリー夫人は未読ですので、大筋は情報により理解しているのですが、物語の細かなニュアンスを読んで知っている訳ではありません。また、他の映画化作品も見たことはないので、今のところ比較することもできないので、とりあえずこの映画を見た印象です。ストーリーはそこに存在するものとして、なるべく映画の印象ということで…。

この映画は、原作のメインの部分(つまり真ん中)を抽出して映画化したもののようです。エマが結婚して、平凡な夫との生活に退屈し、そして落胆し、無理な行動に出てしまい、服毒するまでの物語でした。その行動の動機となる退屈さや、夫への失望は、ストーリーとして書かれていますが、心情を吐露するような強い表現ではないと思いました。道ならぬ恋に流れていく葛藤も、ごく自然体で描かれています。普通にそうなっていったという感じで、淡々としているくらいに感じました。一方で、男たちから捨てられていく様は、明確に強い感情が噴出する形だったと思います。従って、なんとなく流れていったが、結果としてやらかしていったという雰囲気です。物語を読んだ時の印象はどうなのでしょうか?

映像は流石に最新の作品だけあって、美しいものでした。ワシコウスカの演技はあまり飾らない感じで、田舎の貴婦人という役柄にあっていると思います。表情や所作も素晴らしいです。そして、衣装も見事だったと思います。原作のストーリーの核心部分を最新の美しい映像で、忠実に追ったという感じではないでしょうか。それほど強い主張は感じませんが、美しい映画だと思いました。

この作品にはたくさんの映画化があって、有名な監督や俳優さんたちが挑戦しています。ジャン・ルノワール、ヴィンセント・ミネリ(ジェニファー・ジョーンズ)、クロード・シャブロル(イザベル・ユペール)、アレクサンドル・ソクーロフ(セシル・ゼルヴダキ)。ヨーロッパの作品が多いようです。エマの性格描写もいろいろありそうで、いろいろなボヴァリー夫人像が興味深いと思います。

2019.12.8 HCMC自宅にて Amazon Primeよりのパソコン鑑賞
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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