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「メメント」 注意力と記憶力を試されるパズルを解く

2000年製作のクリストファー・ノーラン監督の第2作。アメリカに渡っての作品です。当時ヒットし、オスカーも2部門ノミネートされています。有名な映画ということは何となく聞き知っていたのですが、今まで見る機会がありませんでした。名作であることは保証されていますので、どんな映画だろうと期待して鑑賞しました。

あらすじ
映画の構成ですが、短い区切りで現在から過去に向かって映画が進みます。一方で、過去の記憶に関しては、過去から現在に向けて話が進みます。この手法が謎解きのように効果的で、観客を楽しませるわけですが、あらすじにならないので、普通の時系列にもどしたあらすじにします。

レナード(ガイ・ピアース)は就寝中の自宅に強盗が押し入り、起きてみると最愛の妻(ジョージャ・フォックス)がレイプされていました。彼は、強盗の一人を射殺しましたが、転倒し、頭部を強打したため、昔のことは思い出せても、事故以降のことは10分間しかもたないという記憶障害になってしまいます。レナードは犯人が2人いたと記憶しており、これは事故の前のものなので確信しています。そして、覚えているべきと思ったことは、メモやポラロイド、重要事項は刺青を利用し、復讐のため犯人を追い始めました。

記憶障害のレナードが重要事項を執拗に記録するのは、サミー(スティーブン・トボロウスキー)という人物を反面教師としていたからでした。サミーは記憶が2分しかもたない男で、妻は記憶以外は正常な夫が障害を偽装しているのではないかと疑い賭けに出ました。しかし、糖尿病の彼女は2分おきにサミーにインスリン注射を要求すると、サミーは何の疑念もなく指示通りに行ったため、彼女は死亡してしまったのでした。

友人の警官・テディ(ジョー・パントリアーノ)の協力で、レナードは重要事項をポラロイドや刺青に残し、犯人を追いっていたのですが、実はこの復讐は、すでに果たされていました。しかしレナードは復讐したことを忘れてしまい、テディはこれを利用して、新たな「ジョン・G」を作り上げては殺させ、第三者から金を取るようになっていました。実は、サミーとはレナード自身のことで、インスリンで死亡したのはレナード自身の妻であり、妻はレイプ事件で死んだのではなかったのです。何度目かの殺しで、既に復讐を果たしていることを知ったレナードは、テディの写真の「やつのウソを信じるな」と書きこみ、資料を破棄したうえ、テディの車のナンバーを刺青に彫り込みます。そして、レナードは殺したジミーの服と車を使い始め、まずいと思ったテディはやめさせようとしますが、事実を既に忘れているレナードは、写真に書いた「やつのウソを信じるな」を見て暴走し始めます。

ジミーの服のポケットにあった連絡先からバーでジミーの恋人のナタリー(キャリー・アン・モス)に出合い、彼女はレナードの記憶障害を知り、これを利用して、麻薬密売人のドッドを殺させようとします。テディはナタリーの部屋の前で待ち伏せ、「ナタリーを信用するな」と言いますが、テディの写真に「やつのウソは信じるな」とあるので、レナードは無視します。レナードはドッドを拘束し、一旦部屋に閉じ込めますが、それも忘れたレナードは、呼び出しでやってきたテディとドッドを町の外に運び、ナタリーにドッドのことを尋ねます。ナタリーは自分の恋人を殺した男で、レナードに助けてもらったお礼に、協力すると申し出て、彼女は車検局の友人に頼み、レナードの刺青にある車のナンバーを調べると、持ち主は「ジョン・ギャメル」であり、その写真はテディのものでした。レナードはテディの写真に「犯人だ、殺せ」と書き足すと、郊外の小屋でテディと待ち合わせし、レナードは、テディを射殺してしまったのでした。



Memento

評判の高い映画で、記憶が長くもたない男の話ということだけの知識で見始めましたが、この逆回しの構造に気づくまで少し時間がかかりました。そして、内容を理解しようと努める訳ですが、話は単純ではなく、並行して作り上げられたサミーの話が挿入され、ますます頭が混乱します。見ている方も直前の記憶の正確性を試されるという状況にあり、年をとって少々ボケ気味の頭をフル回転させることになりますが、かなりつらいものがありました。そうそう、人間の記憶はこれほどあてにならないものかと思い知らされる訳です。

結局話の筋を追っていくのが精いっぱいで、その中に散りばめられた細かい仕掛けは、よほど注意力と記憶力の素晴らしい人でない限りは、初見ではかなり見逃してしまうと思います。一発で全部わかる人は、問題を一定時間見てその後記憶だけで答えていくようなパズルが超得意な人だと思いました。最終的に解ってしまえば連鎖的に理解できていくのですが、回答のキーは、言葉で表されていくものではなく、映像や動きやさりげない会話の中に散りばめられています。全体が難解なパズルになっているようです。

とは言いつつ、大変面白い体験でした。やはり楽しめるのは、抜けが無くしっかりしているからで、それは素晴らしいと思います。突っ込みどころがあると台無しですので。この映画はきっと何度も見た人が多いのではないかとも思いました。そうでなければ、プログラムを買って理解するかです。商業的にもうまくいったのではないでしょうか。クリストファー・ノーランは、これが第2作。以降の成功がすでに約束されていたような、凄い才能であったということが良く解ります。楽しませていただきました。

2019.12.7 HCMC自宅にてAmazon Primeよりのパソコン鑑賞
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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