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「チェチェン包囲網」 コーカサスの自然と戦争

GAYO!無料動画(最近こればっか)からの適当な1本、「チェチェン包囲網」です。題名からして戦争映画のようです。が、普通のアクション的な戦争映画というよりは、どちらかというとドラマ寄りの作品のようなので、どういうものか?と興味を持ってみてみました。感想は、ふむ、なるほど。というところでしょか。

あらすじ
泥沼化するチェチェンの攻防戦の中、ロシア軍の一隊が山で砲撃され遭難する。2人のロシア兵は本隊に戻り救出を願い出るがかなわず、捉えた若いチェチェン兵をガイドに、ルートを探ることとなる。最初は敵対同士緊迫した状況の中で時を過ごす3人だったが、厳しい山岳での生活を共に過ごす中で、また別の感情が芽生え始める…。



この話の前半三分の一は、部隊を中心に描かれています。非常に解りにくいのですが、見直してみるとこんな感じ?ロシア部隊が移動中、ゲリラの砲撃にあい孤立。2人は本隊に戻って救出を頼みますが、自力で戻れと聞き入れられません。再出発までの間に部隊の状況がいくつかエピソードで描かれます。上官の、勝手に戻って報告しろという冷たさ、部隊の女性との乱れた関係、チェチェンゲリラ側への武器の横流し(いろいろな派閥があるよう)、人質狩りの様子(これでガイドと武器を集め、武器は横流ししたり、人は捕虜交換につかったりできる?)、若い美しい男を捕まえたら上官に奪われそうになる、等々…。

戦争なので、真剣は真剣なのですが、やっていることは結構でたらめな状況の様です。チェチェン側に武器を売る時の上官の会話、酒を飲みながらしみじみとですが。
チェチェン人 「戦火の中に送り込んだ部下に同情心は?」
ロシア人上官 「感じますがなにもできない」
チェチェン人 「お前の言う通りだ」
という状況の様でした。

チェチェン包囲網

後半三分の二は、チェチェン人の捕虜をつれてのルート探索。生真面目なルバハと、お調子者のヴォフカ、それに捕虜の3人。途中いろいろと事件がありながら山を越えていきます。この山越えシーン、いいなと思ったのは。ちょうど登山の行程を辿ったような山越えになっていること。基地から、その奥の草原を経て森林地帯に入る。沢を渡った後、最奥の集落を経て、森林限界を超え岩場のトレース。そして高度を上げていく。まぁ、その上にも道がありましたので、すべて自然の中という訳にはいきませんが、なぜか懐かしさが漂いました。

途中の大きなエピソードとしては、川の渡渉時に川に落ちて逃亡を図ること、山奥の村に囚われて、リンチに処せられている同じ部隊のロシア兵を発見、捕虜交換をしようとしますが、ロシア兵は殺されてしまったこと、その夜。言葉少なながら捕虜との間にも少し会話が持たれます。土砂降りの中で、崖をよじ登っているところで、捕虜は先行し逃げたと思われましたが、ちゃんと待っていたこと。そして、最後の場面になります。他に選択肢がなかったか?その場合どうなっていたかは誰にもわかりません。

最後に、霧が晴れていく自然の風景が民謡と共に長い時間映されます。コーカサスの山々でしょうか?親しみやすい山の風景です。この映画は、ほとんど誇張もされず、ありのままを淡々と描いたような手法です。その中で微妙な心の動きを追っていくこととなる訳ですが、前半部のいかにも敵味方の間の、虚しい描写から、この小さな戦場の中の一場面を経て大自然の風景を映し出す。いかにも淡々と人間の行為の愚かさを語った映画でした。コーカサスの風景と民謡、これは、自然と人間ということが第一義かと思いますが、もう少し突っ込んでみれば、無言の中に、ここはチェチェン人の土地だということまで踏み込んでいるのかもしれません。

最後に、この映画の邦題は、「チェチェン包囲網」。キャッチコピーは、「敵陣突入! 空挺作戦敢行!」とありますが、さすがに邦題は注目をひくためには、日本では仕方がないとしても、このキャッチコピーは誇大広告ですね(笑)。原題は、「囚人」といった意味の様です。派手な戦闘アクションは無く、地味な戦場のエピソードを語った映画です。確かに、この原題だけでは日本では注目を惹くことは無理かとは思いますが…。
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テーマ : 映画レビュー
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Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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