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「ヨーロッパ横断特急」 メタ映画形式のロブ=グリエ娯楽作

アラン・ロブ=グリエ作品、二作続けての連続鑑賞。彼の第二作になる「ヨーロッパ横断特急」で、1966年の作品です。内容からして、これが一番解りやすそうな感じですが、予断は許しません。トランス・ヨーロッパ・エクスプレスといえば、個人的にはクラフトワークの音楽を思い出すのですが…(笑)。

原題 : Trans-Europ-Express

あらすじ
パリ駅で雑誌を買って乗り込む男は、列車で同行の男女と合流。TEEを題材に麻薬の運び屋の映画を作ろうという事になり、車内でプロットを録音しつつ三人で意見交換しながら練っていきます。そのプロットの議論と同時進行で、それが映像化されていく形で映画は進んで行きます。

エリアス(ジャン=ルイ・トランティニャン)は、パリ駅でSMの写真誌を買い込むと、アントワープ行きに乗り込みました。空の麻薬運搬用のカバンを持っています。アントワープに到着。決められた場所で組織の者と接触するうちにエヴァ(マリー=フランス・ピジェ)という娼婦と仲良くなり、ハードなプレイを楽しみます。組織はエリアスに次々と指示を与えて翻弄し、組織のボスのフランク(Charles Millot)は、エリアスが信用できるかどうかのテストだと告げ、合格したので明日のアントワープからパリへの運搬を託すと言います。いい加減監視され、翻弄されて腹が立っていたエリアスは、監視していた男(クリスチャン・バルビエール)に明日の決行に関する愚痴を言ってしまいますが、彼が合言葉に反応せず、警察の尾行であったことに後で気づきました。翌日カバンを受け取ったエリアルは警察に知られているのでビクビクしながらカバンをパリに持ち帰り、無事受け渡しを完了します。

パリに戻ったエリアルに連絡が入り、今日のはダミーを使った予行練習であり、明日再び同じルートでアントワープに向かうように指示が出ます。エリアスは同じルートをたどり、再びエヴァと出会いますが、エヴァがエリアスを泳がせていた警察の男ロレンツと内通していたことを発見。エリアスはエヴァをベッドに縛り、絞殺してしまいました。エヴァの死体を発見したロレンツはSMショーの記事を新聞に書かせてエリアスを誘う算段をし、一方、約束の場所に現れず、身を隠してしまったエリアスをフランクは捜索します。そして、見事に罠にはまってSMショーに現れたエリアスを警察が包囲。そこに現れたフランクは、エリアスを射殺して逃走します。

映画作家たちの乗ったTEEはアントワープに到着。新聞を買い求めると、エヴァの絞殺事件とエリアスの事件の2つがあったことが書き立てられていました。事実じゃつまらないなと語る三人の背後で、エリアスとエヴァ(役?)が駅で再会し抱擁を交わしていたのでした…。



ヨーロッパ横断特急

映画のシナリオ作成と、映像が同時進行する映画。いわゆるメタ映画になっています。ラストのワンシーンの解釈はいろいろできますが、こういった終わり方は、よくあるパターンですので、それほど気にすることも無いと思いました。ジャンル的にはエロスだったり、サスペンスだったりいろいろ考えられますが、コメディと言ってもいいくらいではなかろうかと思いました。あんな広告に引っかかるって、よっぽど好きなんですねぇ…。というところでしょう。ジャン=ルイ・トランティニャンとマリー=フランス・ピジェのベッドシーン(といっても裸は無し)はなかなかの見どころだと思います。マリー=フランス・ピジェが大変美しく撮影されています。

ストーリーは、アラン・ロブ=グリエにしてはおとなしく、娯楽作に寄った感じになっていますが、話の構成は凝ってますし、現実と虚構を入り組ませるところは、いつものパターンだと思いました。しかし、難解にはしておらず普通の映画になっています。アヴァンギャルド要素も、適度に織り込まれている感じです。船のドックに水が入ってくるところとか、なかなか面白い映像だと思いました。映像はいろいろ凝ってます。また、同じことを繰り返すという構築や、倒錯的な趣味が全面に出ているところも、ロブ=グリエらしいところと思います。

マリー=フランス・ピジェは、今まで縁がありませんでした。初めて見ます。なかなか可愛らしい感じの女優さんです。生まれはベトナムのダラットなんですね。当時、フランス領で有名な避暑地です。そして、この映画は冒頭から椿姫の音楽が流れてドキッとします。それも、有名な部分や断片を上手く利用して効果を出しているところが、とても面白いところ。また、この椿姫の曲の入り方も、コメディっぽさを醸し出していると思いました。本来、悲劇のオペラなんですが…。

2019.11.10 HCMC自宅にて Amazon Prime よりのパソコン鑑賞
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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