
「スイング・ホテル」 クロスビーの歌と、アステアの踊り

あらすじ
ジム(ビング・クロスビー)、テッド(フレッド・アステア)とライラ(ヴァージニア・デール)は、マンハッタンのショーに主演する仲間。 クリスマス・イヴに、ジムはショービジネスを離れ、田舎でライラと共に農場を運営すると宣言します。しかし、ライラはショーを諦めきれず、テッドのダンス・パートナーとして残ることになり、ジムは一人寂しく農場暮らしを始めました。しかし、ジムは農場生活になじめずニューヨークに戻り、農場を祝日のみに開くホリデイ・インに改装し、エンターテインメントを興行することを思いつきます。そして、花屋の従業員でタレント志望のリンダ・メーソン(マージョリー・レイノルズ)は、その話を聞かされ、現地に向かいました。
ジムとリンダはすぐに惹かれあい、新曲「ホワイト・クリスマス」を歌って、ホリデイ・インはオープンし、大盛況でスタートします。一方、ニューヨークではテッドはライラに捨てられ、酒に酔ったあげく、ジムと話しにホリデイ・インにやってきました。酔っ払ったテッドは、フロアでリンダは出会うとダンスを踊り、大喝采。しかし、酔っぱらって相手を覚えていないテッドは、これからのパートナーにしようと、相手を探すために何度もホリデイ・インを訪れ、その度にジムはリンダを隠すことになっていきます。
ジムとテッドの間でリンダを巡る虚々実々の駆け引きが何か月も続き、ついにハリウッドからテッドとリンダをスカウトにやって来ます。ジムは執拗にリンダを遠ざけようと画策しますが、ついにリンダにばれてしまい、リンダはジムに信用してもらえなかったことに怒り、ハリウッドに旅立ちました。ジムはその後落胆し、何も手につかない状態になりましたが、家政婦に励まされ、クリスマスにハリウッドに乗り込みます。ちょうど映画の撮影が佳境に入り、終わればテッドとリンダが結婚という手はずになっていたところでした。ピアノの上にパイプを置いて、セットの裏に入って待ち受けるジム。リンダがそのピアノでホワイト・クリスマスを歌い始めた時、ピアノの上のパイプを見つけて動揺し始めます。そして、リンダの歌に舞台裏のジムの歌が重なっていき、互いに相手を認め合った二人は駆け寄って抱き合うのでした…。

見どころいっぱいのミュージカルでした。ビング・クロスビーの歌と、フレッド・アステアのダンス。そして、バーリンの曲と、いろんなものが詰まっています。特に、アステアの爆竹のダンスは見ごたえがあり、ラストのホワイト・クリスマスは感動ものでした。ホリデイ・インというアイデアもいいですね。収支がとれているかは別にして。ここで稼いでいるのではないのでしょうが(笑)。
アステアたちの半ば強引な攻めを、なんとかリンダに知られず阻止しようとするクロスビーの駆け引きがコメディ的な見どころでした。アステアたちの図々しさは、人の気持ちなどお構いなしという演出になっています。これがハリウッドの世界だ!というところでしょうか?一方で、ヴァージニア・デールとマージョリー・レイノルズの意地の張り合いもなかなか面白かった。見事に湖に飛び込むところとか最高でした。
ハリウッドの撮影所に作られた、ホリデイインの撮影セットは、画面に映し出されると、一瞬、すごいそっくりだ!と思ってしまったのですが、よく考えると、これは同じものなんでしょうね。両方ともハリウッドに作られたセット。ストーリーも奇麗にまとまったもので、フレッド・アステアの絶好調のダンスと、ビング・クロスビーのホワイト・クリスマスと、溌溂とした美人のマージョリー・レイノルズなどなど、見どころ沢山のミュージカルでした。まさに、黄金時代ですね。
2019.10.27 HCMC自宅にて Amazon Prime よりのパソコン鑑賞