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「わかれ雲」 美しい高原の風景と人々に癒されていく心

久しぶりに古い邦画が見たくなって、何気なく見始めました。そして、学生時代からよく遊びに行っていた、小淵沢周辺の風景が懐かしくて、思わず見入ってしまいました。1951年の映画で、五所平之助監督の作品。新東宝の製作になります。

あらすじ
高原の町へと向かう女子大生のグループの一人、藤村眞砂子(沢村契恵子)は、乗り換えの小淵沢で突然発熱してしまいました。旅館山田館の女中おせん(川崎弘子)の手配で、診療所の南医師(沼田曜一)の診察を受けると、軽い肺炎と診断されます。眞砂子は友人たちを見送って、一人山田館に残り、おせんの看護を受けながら快方にむかいました。間もなく東京から母の玉枝(福田妙子)が迎えに来ますが、眞砂子は継母の玉枝には冷たく、玉枝は寂しく一人で帰っていきます。事情を知ったおせんは、眞砂子をたしなめ、また頑なな眞砂子の心を解きほぐしたいと思うのでした。

おせんは、夫も子供も無くしてしまい、苦労してきた女。眞砂子はおせんの温かさを学び、山間の村に出向いて献身的に働く南医師の態度を学び、ついには南医師と山奥の無医村に同行し、補助をしたりしながら、眞砂子は自分の利己的な態度を反省し始めます。やがて出張の帰途、迎えに立ちよった父(三津田健)は、見ちがえるほど明るくなった眞砂子に出会い、南医師との将来の約束も整え、おせんや南医師に送られて、小淵沢を立つのでした。



わかれ雲

小淵沢駅と、その駅前旅館を舞台とした、女子学生の更生劇でした。友達と旅行に来た眞砂子は、一人軽い肺炎に罹り、療養の為に駅前旅館に取り残されます。眞砂子は母を亡くしたあと、後妻の玉枝と折り合わず、我儘な娘に育ってしまいました。この小淵沢での滞在のひと時で、眞砂子は、村の医者や女中のおせん、そして山奥の集落での医療体験を経て、素直な娘に戻り、東京へと帰っていくというお話です。

眞砂子演じる沢村契恵子は、見るのは初めてですが、正直言って可愛くない我儘女が、気持ちが変わって晴れやかになるといい顔になってくるのが印象的でした。笑う門には福来るといいますが、やはり笑顔はいいものです。そして、なにより女中の川崎弘子が良かった。そもそも美人タイプですし、苦労を重ねた姿で眞砂子を時には厳しく思いやる姿。そして、別れの記念にスプーンを貰います。(眞砂子はそんなものを渡して失礼な、と思いましたが。)おせんは、眞砂子には今の母親の心情を思いやるよう諭したものの、子供を亡くした自分は、眞砂子が大切にしている亡き母のスプーンの為に、スプーンの袋を作ってあげたのに、この行き違いとおせんの想いは複雑で、すごく寂しいものを感じました。名場面と思います。

この映画のもう一つの脇役は、中央本線と小海線の列車たちで、画面にも頻繁に登場しました。小海線はC56牽引の混合列車で、女学生たちが乗り込んだ車両は、郵便車との合造車でハユかハユ二ですね。懐かしい!帰りの中央本線の普通新宿行はグリーン車に乗車。その他いろんな雑多な客車も見えて楽しい限りでした。駅のホームの水道の水を飲むシーン。昔はそうでしたね…。いいお話に、懐かしい映像もたくさんで、いいひと時を楽しみました。

2019.10.9 HCMC自宅にてパソコン鑑賞
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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