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「シッピング・ニュース」 厳しい環境で暮らす人々の人情劇

大量買いしたDVDからの鑑賞です。そういったセットものに入っているDVDにしてはちょっと珍しいタイプのドラマの映画でした。もちろん一定数はこういう映画も入っている訳です。2001年のアメリカ映画で、監督は、スウェーデン人のラッセ・ハルストレムです。「ショコラ」とか有名ですね。

あらすじ
父親に水の中に放り込まれたトラウマを持つクオイル(ケヴィン・スペイシー)は、厳しい父の躾の反動で無気力な人生を送っていました。ある日、奔放な妻ペタル(ケイト・ブランシェット)が駆け落ちの途中で自動車事故で急死。娘を取り返すと、訪ねて来た叔母のアグニス(ジュディ・デンチ)と共に、祖先の地ニューファンドランド島に向かいました。

ニューファンドランドには父やアグニスの生家が50年経った現在でもまだ残っていました。厳しい自然とコミュニティになじめなかったクオイルですが、地元の新聞社に就職し、シッピング・ニュース(港湾情報)の記事を担当することになります。編集長からは、興味を引くように誇張した記事を書くよう要請されますが、クオイルは自分の面白いと感じるままに記事を書き、それが評判で、船のコラムを書くようになります。そんな生活の中で、夫を亡くしたショックの中で生んだ息子がいる、託児所の園長のウェイヴィ(ジュリアン・ムーア)と仲良くなっていきました。

コミュニティの人々との交流の中で、人々のいろいろな過去を知るようになっていきます。クオイルの先祖は海賊で、今残っている家も、追放されて別の島から氷上を運んできたものでした。そして、アグニスにしろ、ウェイヴィにしろ、人には決して言えない暗い過去を持っていることが解ってきます。そんな中で、クオイルをよく面倒見ていたと編集長が嵐で溺死しますが、葬式中に蘇生。娘からお母さんも起こすべきだと責められ、事実を話します。そして、その嵐で、クオイルの家もついに吹き飛ばされましたが、クオイルはそれによって暗い過去もすべて消え去ったと、明るく考えるのでした。



シッピング・ニュース

ニュー・ファンドランドの自然の中で展開される、ダメ男の成長の物語が基軸ですが、それにかかわるいろいろな過去や葛藤を持った人々が描かれていて、重厚な話になっていました。人生ドラマかと思えば、猟奇的なサスペンス的でもありという感じです。そして、ニュー・ファンドランドの、一癖もあり、また暗い過去を持つ人々が、方々から集まったような、独特の村社会の閉鎖空間で起こる出来事は、逃げ場がない人々が集まった世界だけに、小さなことでも一つ一つが重く大きな影響を与えていくものと思いました。

まずはケイト・ブランシェットのペタルが強烈でした。勝手に転がり込んできて、まったくクオイルを無視して好き放題の生活を送り、それでも人生に何の魅力も感じていないクオイルは、すべてペタルの為すがままになっていました。しかし、彼女は子供がそこそこ成長するまでの時間、クオイルにとっては日々生活を共にする女性でもあったわけで、そんな生活の中でも、忘れられない愛があった様子です。

ニュー・ファンドランドに着いてからは、ジュリアン・ムーア、ジュディ・デンチとの交流が主になりますが、それぞれ過去に尋常ならざる傷をもって生活しています。そんな中で、クオイルはこの小さな世界で、自らのルーツの忌むべき秘密に触れながらも、生れてはじめての自信というものを身につけ、成長していきました。生きていくこと自体大変な環境の中で根をおろしていく過程が描かれ、この地方の自然の描写ともども大変興味深い映像と作品でした。

2019.10.5 HCMC自宅にて、購入DVDをパソコン鑑賞
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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torrent13

Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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