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「妖精たちの森」 ジェームズの”ねじの回転”に秘められた話

この映画は、ヘンリー・ジェームズのねじの回転をベースにした物語です。ただし、ねじの回転は新しく家庭教師に来た女性の不思議な体験が主なストーリーと思いますが、こちらは、その不思議な体験(幽霊)の原因となった物語になります。1971年のマイケル・ウイナー監督によるイギリスの映画です。

あらすじ
ある日ブライ邸では、ロンドンに向かう後見人が家政婦のミセス・グロース(ソーラ・ハード)に、指示を与えていました。このブライ邸の持ち主亡きあと、残された幼い姉弟、フローラ(ベロナ・ハーベイ)とマイルズ(クリストファー・エリス)の面倒をみることについて、家庭教師のジェスル(ステファニー・ビーチャム)、下男のピーター・クィント(マーロン・ブランド)とミセス・グロースに任せ、後見人は何かが起きない限りタッチしないというものでした。クィントは粗野で無知な男でしたが、幼い子供たちにとっては彼の占める地位は大きく、外での遊びはすべてクィントに教えら、実生活面でも彼の言うことを信じて行動していました。

このことは、ミセス・グロースを困惑させていましたが、それだけではなくクィントは家庭教師のジェスルと肉体関係があり、彼女は夜ごとの来訪を拒まず、かつ行為は暴力的かつ倒錯的なものでした。二人の様子を覗き見たマイルズは、姉のフローラとそれを真似するようになります。やがて、クィントとジェスルの関係がミセス・グロースに知られることになり、彼女はクィントの屋敷内への出入りを禁じます。そして、ジェスルもこの屋敷を去る決心をしました。

そんな彼女のもとに、クィントからの別れる前に一度会いたいという手紙が届くと、これが子供たちの計略とも知らず、池のボートを漕ぎ始めますが、ボートは穴があけられていたため沈んでしまいジェスルは溺死します。クィントも子供たちに誘われジェスルを発見しますが、マイルズの放った矢に倒れました。子供たちのこれらの行動も、クイントから学んだものだったのでした。



妖精たちの森

新潮文庫でよく見る「ねじの回転」ですが、これはまだ原作を読んでいませんでした。ただ、この映画は原作そのままではなく、原作で起こる現象の幽霊譚の原因となった前日譚を描いています。原作に則って製作された、デボラ・カー主演の「回転(1961)」は、予告編だけ見ましたが、立派なホラーの様子でした。それに対し、この映画はなんと表現したらいいのでしょう。どういう意図でと図りかねるところがありました。

一つのエピソードではありますが、全体の物語からすると部分でもありますので、一つの映画にしてしまうと冗長感が否めず、またこのエピソードは、馬丁と家庭教師の倒錯愛と、真に受けてしまう感受性の強い子供というテーマになりますが、残念ながら倒錯愛の演技にほぼ愛が感じられず、したがってその影響を受ける子供についてもその必然性が感じられないという、残念ながらちょっと困ったことになってしまいました。

まぁ、出だしの2人の子供をマーロン・ブランドがドタドタ追いかけるシーンから、なんとなく締まりがなくていやな予感がしていました。意外性のようなものか、純真な子供の染まりやすさのようなものを表したかったのかもしれないのですが、もう少し、ストーリーやテーマに沿った演技や演出であれば、面白く見れたのではと思います。ねじの回転を見るには本家の「回転」の方を見るべきではないかと思いました。

2019.9.22 HCMC自宅にてパソコン鑑賞
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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