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「カルラのリスト」 旧ユーゴスラビア国際刑事裁判所の活動

めったに見ないドキュメンタリー映画。普通にしていればドキュメンタリー映画を見る機会は比較的少ないのでは無いかと思います。今回はたまたま機会を得て見てみました。2006年に製作された映画で、製作国はスイスになります。

あらすじ
多くの犠牲者を出した旧ユーゴスラビア紛争の中でも、スレブレニツァの虐殺の犠牲者の家族の叫びをベースにして、 旧ユーゴスラビア国際刑事裁判所の検事局長として活躍するカルラ・デル・ポンテの活動を描いたドキュメンタリーです。戦争犯罪人として、リストに上がった者を確保していく過程が描かれます。

この映画の中で、主に逮捕の目的となるのは、クロアチアのアンテ・ゴトヴィナ元陸軍中将、 セルビアのラトコ・ムラディッチ元参謀総長と、ラドヴァン・カラジッチ初代スルプスカ共和国の大統領の3人。前半はゴドヴィナ逮捕までの活動で、クロアチアのEU加盟に関する、 旧ユーゴスラビア国際刑事裁判所としての評価演説を材料に政府の協力を引出して逮捕するまで。そして、後半はムラディッチと、カラジッチの逮捕に向けてのセルビアとの交渉や、国連及びアメリカ国務省、国防総省を巻き込んでのカルラの活動が描かれています。

製作年代もあり、両者の逮捕にはこの映画の時点では至ってはおりませんが、欧米を頻繁に行き来し、各国の協力を取り付けながら活動するカルラのチームを追ったドキュメンタリーです。



カルラのリスト

旧ユーゴスラビア国際刑事裁判所の検察局長を務めたカルラ・デル・ポンテ氏のドキュメンタリー。戦争犯罪を裁く裁判のために、国連の一つの組織としてこの裁判所は設置されました。この映画では、この裁判所の検察の立場から、旧ユーゴスラビア紛争と、その戦犯裁判を見るという形になります。検察ですので、ある意味刑事ものにも近いもの。政治の世界での、犯人捜索劇が興味を引くドキュメンタリーです。

国連組織ということで、いわば各国の横の連携の組織。それぞれ各国の思惑があり、なかなか思うようにいかないところが描かれます。戦犯に関する考え方も、立場によってはかなり違ってくるのも判ります。それでも検察としては捕まえることが第一なので、そのために全力を尽くす姿を追っていきます。そして、それぞれの国の国益や圧力に左右されない、一貫した組織で追及していく、信念とぶれない力がいかに重要であるかを打ち出していると思います。

さて、この刑事裁判所には他に、裁判局と書記局があり、カルラが先般を捕まえても、それを裁くのはまた別の局になります。2011年にリスト上の総ての対象者は最終的に逮捕され、この映画の大きな部分を占めたゴドヴィナは、裁判の結果無罪となり釈放されました。一方ムラディッチとカラジッチには終身刑の判決が出ているようです。カルラの活躍がこれだけ大変だとしても、それは膨大な裁判の一部であり、国際社会の中の活動というものが、いかに大変な仕事であるかが良く認識できるものでした。

2019.9.21 HCMC自宅にてパソコン鑑賞
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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