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「破局」 ヘミングウエイ原作の緊迫のサスペンス

ヘミングウェイ原作ということ以外、全く知識なく見始めた映画です。見始めると、面白く凝ったストーリー展開に、目が離せなくなりました。1950年のマイケル・カーティズ監督による作品。原作は1937年に成立した長編小説の"To Have and Have Not"です。

あらすじ
モーガン(ジョン・ガーフィールド)は、小さな船を手に入れ、漁業を行っていました。しかし仕事が思わしくなく、船さえ手離さなければならない状態になっていました。妻のルーシー(フィリス・サクスター)は、故郷の農場の仕事をと彼に進めるのですが、彼にとっては海以外の仕事は考えられませんでした。

ある日モーガンは知り合いの男をメキシコまで運びますが、彼にはレオナ(パトリシア・ニール)という女性もついてきました。その帰り、男が消えてしまって帰りの経費が捻出できなくなったことから、ダンカン(ウォーレス・フォード)に持ち掛けられ、高額な報酬で中国人の密航者を乗船させます。しかし、彼らと船内でもみあいになり、ボスをを誤って射殺。密航者をすべて降ろし、レオナと帰途につきますが、帰ってみると事件を察知した警察に船を差し押さえられ、日々酒におぼれるようになっていきました。

妻のルーシーは夫を心配し、少しでも収入を得ようと内職に励む毎日。しかし、十分な稼ぎにならず、ついに借金のかたに船を手放さないといけない日がやってきました。モーガンは、再びダンカンの斡旋で、強盗の逃走を助ける仕事を請け負い、ルーシーはそれを知って、彼の元を去る決心をしました。当日強盗に成功し船に乗り込んできた一味は、親友で助手のウェズリー(ファノ・ヘルナンデス)を射殺してしまい、モーガンは洋上で故障とみせかけギャングと銃撃戦を決行。モーガンは全員を斃したものの自身も被弾し、片腕を切断しなければならなくなります。

再び帰港したモーガンは港で待つルーシーに許され、駆け付けたレオナには取り合わず家族の元に戻りました。人々が去ってしまった港には、ウェズリーの息子がただ一人、父の死も知らされず立ちつくしていたのでした。



破局

いや、ついつい見入ってしまうサスペンスでした。生活に困窮し、船を手放す危機に瀕しながら、漁師しか取り柄が無いと頑なに船長を続け、悪の道に引き入れられていくモーガン。しかし悪に加担すると思いきや、2度とも悪と対峙することになりました。

転落寸前から二度まで復活し、最後まで良心を失わなかったモーガンの心を支えたのは、妻のルーシーの支えと、妻子を思う心であったと思います。そして、妻子とは相対する存在でありながらも、レオナの方も、少なからず支えていたように感じました。最終的に彼女の意に添うようにならなかったにしても、そこには幾ばくかの人の絆があったと感じます。奔放なパトリシア・ニールと、夫に尽くすフィリス・サクスターの対照的な2人の女性が印象に残りました。

マイケル・カーティズ監督。この映画では、眼を離させない緊張感のあるフィルム・ノワールを仕上げていると思います。そして、ジョン・ガーフィールドが苦悩する男を素晴らしい演技で演じています。ちょっとカッコ良すぎるこらいです。男女関係も含め、いろいろと見どころの多い名画だと思いました。

モーガンとその家族にとっては良い結末でしたが、それは手放しで喜べないような様々な犠牲の上にあったことが深い余韻を残します。そして、最後のウェズリーの息子の呆然とした姿に、やり場のない侘しさを感じました。

2019.9.15 HCMC自宅にてパソコン鑑賞
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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