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「砂漠の鬼将軍」 ロンメル将軍の葛藤とヒトラー暗殺計画

砂漠の将軍と言えば、まず第一にロンメルを連想するほど、敵味方を問わず大変有名になっていますが、この映画は、そのロンメルが本国に戻り、自殺するまでをメインとした伝記的映画。決して戦闘場面が主ではなく、ロンメルを讃えたアメリカ映画という形になっています。ヘンリー・ハサウエイ監督による、1951年の作品です。

あらすじ
第二次大戦初期、ロンメル元帥(ジェームズ・メイソン)は北アフリカ戦線において連合軍を翻弄し続けていましたが、次第に形勢不利となり、エル・アラメインでの後退以降は、ベルリンのヒトラー(ルーサー・アドラー)とその側近たちは、「勝利か死か」を突きつけ、退却を許さなくなりました。病気療養でベルリンに戻ったロンメルは、ヒトラー暗殺を計画する、旧友のシュトゥットガルト市長カール・ストローリン(セドリック・ハードウィック)の訪問を受け、ドイツを守るためには暗殺しかないと、計画に誘われます。1943年末には、ロンメルは大西洋方面の防衛ラインを視察し、その弱点を総司令官のルントシュテット元帥(レオ・G・キャロル)に進言しますが、ヒトラーは現場の意見を取り入れず、自説を強行するのみ。ストローリンの意見の正しいことを改めて悟ります。

1944年に、連合軍はノルマンディーに上陸し、ドイツ軍は次第に追い詰められていくと、ヒトラーは益々聞く耳を持たなくなり、総統暗殺に加わる決意を固めますが、連合軍機の銃撃にあい重傷を負ってしまいます。この時には暗殺計画が発動しており、ヒトラーが会議中のところで爆弾がさく裂しますが、総統は奇跡的に難を逃れてしまいました。これ以降、ブラック・リストに載ったロンメルは、自宅で療養中のところに総統の使者の訪問を受け、もし公開の軍法会議を望めば家族の生命も保証しないという条件を突きつけられ、服毒自殺を選択。ロンメルの死は栄誉ある戦士と公表されたのでした。



砂漠の鬼将軍

題名から、砂漠での戦車戦を想像してしまいますが、この映画はいわばロンメル元帥の伝記映画というスタイルでした。北アフリカ戦線の、エル・アラメインの戦いあたりから、ロンメル元帥の自殺までの間の、ロンメルの政府との対立と葛藤が描かれています。史実との差はあまりないのではと思います。そして、描かれているのは軍の司令官の立場と行動、ヒトラー及び中央政府との関係性、占星術とも揶揄されるヒトラーの判断の誤り、そして普遍的な、現場と本部の考え方の違いなどなど。

ストーリーは主に、ヒトラー暗殺計画と絡みながら展開していきます。そもそもヒトラー暗殺計画自体は何度も計画され、ことごとく失敗したようですが、厳重な警備や諜報網の中で容易に手出しできないことに加え、かなり運の部分もあったのではないかと思いました。ロンメル元帥自体は、生粋の軍人として描かれており、暗殺計画との係わりは微妙な描かれ方をしていますが、最後は首謀者の一人とみなされ自殺を強要されます。政府も国内外で人気のある彼を裁きたくなかったということです。

映画としては、無駄を省いた引き締まったストーリー展開で、どんどん引き込まれていきます。伝記映画はかくあるべしと思いました。ロンメル役はジェームズ・メイソン。背筋がビシッと通って、実際のロンメル元帥が着用していた軍服を着ての演技とのことで、大変に嵌っていると思いました。夫人のジェシカ・タンディが美しく、ロンメル元帥を支える軍人の妻として、毅然とした姿を好演してます。派手ではありませんが、80歳でオスカーを受賞するという、大変息の長い女優さんです。

2019.7.1 HCMC自宅にて Amazon Prime よりのパソコン鑑賞
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テーマ : 映画レビュー
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Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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