FC2ブログ

「Le voyage sur Jupiter (仮題:木星旅行)」 (1909) メリエスの月世界旅行を意識した?短編映画

メリエスの月世界旅行が1902年、その7年後作られた映画です。先日見た「アリババ…」のリメイクをしたセグンド・デ・チョーモンの作品ということで、そういった繋がりです。8分程度の短編映画ということで、楽しみましょう。

あらすじ
夜空の天体に惹かれた男は、望遠鏡で星を眺めると、そこに星の神々が宿っているのを見る。そして縄梯子で天体に向かうことができるという話を聞き眠りにつくと、夢の中に縄梯子が現れ男はそれを登り始めるのだった…。



屋敷にいる3人の男。主人の男は学者風の男に天体のことについて尋ねます。学者は男に望遠鏡で星を見せ、航行方法については、書物を見せながら、縄梯子で登るという方法があると教えました。さらに屋外に出ていろいろな星の様子を見せる学者。望遠鏡の先には、月、土星、木星とそれぞれの星に、それぞれの神や女神が現れ、主人は大はしゃぎで、最後に見た木星に行くことに決め、眠るためにベッドに向かいます。

さて、男はベッドに横たわると間もなく眠りにつきました。すると、夢の中で主人は縄梯子を登り始め、それぞれの星の神に導かれて月を過ぎ、土星を過ぎ…。そして目的地の木製で男は縄梯子から木星に飛び込みました。荒涼とした木星につくと、男はいきなり木星人に襲われます。2人ほど倒しますが、大挙して襲ってくる木星人に多勢に無勢。男は首領の前に引っ立てられると、ひと時首領と争いますが、抵抗虚しく入ってきた木星の穴から放り出されてしまいました。

男は木星から、宇宙空間を泳いで縄梯子に掴まり、登ってきた星々の横を下っていきますが、ところが途中で通過した土星のいたずらで、縄梯子をちょん切られてしまいました。墜落する男はベッドまで一気に落ちてしまい、男は驚いて目覚めると、ベッドから転がり落ちたのでした…。

Le voyage sur Jupiter

チョーモンはスペイン出身。奥さんがパテの女優であったことから映画に係わり、バルセロナを中心にスペイン語圏の配給を担当していました。そして、パテの作品の彩色も引き受けていましたが、1905年に拠点をパリに移し映画の製作を開始。人形やアニメーションも駆使し、トリック映画の専門家として、技術を駆使した幻想的な作品をたくさん製作しました。しかし、彼の実績はメリエスと被るところも多く、影にかくれて忘れられた黎明期の大家になっているようです。そして、1914年、イタリアでカメラマンとしてイタリア史劇の大作「カビリア」を撮影することになります。

というような経歴の製作者で、この映画もメリエスの月世界旅行と非常に似た内容を持っています。比べてしまえば、メリエスの1902年の映画は、大変細部まで凝っていて圧倒的に完成度が高く、やはり見劣りはしてしまうのですが、この映画もそれなりに撮影上のいろいろな工夫がされていると思いました。

この映画に出てくる3番目の男が気になります。何か人間でないものを表現しているようで、その行動からペットを描きたかったのかなとも思ったのですが、何なのでしょうか?あと、縄梯子で登っていく映像は、背景の方が下に動いているようです。また、大きな本を開いてその中に映像を映し出す技法など、いろいろありました。そして、この映画の醸し出す特徴として、月世界旅行より、かなりファンタジー寄りという以上に、3番目の男の演技に表されるように、ドタバタ喜劇を思わせる要素がチラリと入っているような気がしました。なかなか愛すべき小品であると思います。

2019.6.11 HCMC自宅にてパソコン鑑賞
スポンサーサイト



テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

torrent13

Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR