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「スタンピード」 英国貴族風の牛をめぐるロマンス

家にある見てないDVDを見るシリーズ。今日は、「スタンピード」。1965年の映画で、ちょっと時代の新しい西部劇です。監督は、アンドリュー・V・マクラグレン。ジェイムズ・スチュアート主演の西部劇。未開封ですが、2004年発売のDVDなので、13年ぶりの開封ですか。この頃はDVDを結構買っていたので、未開封の物がそこそこ残っています。

あらすじ
セント・ルイスでの家畜売買に、英国からやって来たマーサ(モーリン・オハラ)とヒラリー(ジュリエット・ミルズ)母娘が、英国からハーフォード種の角のない牛を連れて来ていた。アメリカではロングホーン種が巾をきかせ、角のない牛は生存競争で育たないものとされていた。ビンディケーターと名づけられた雄牛が、ボーエン牧場に買取られたが、この輸送を任されたのはサム(ジェームズ・スチュアート)は、牛の優秀さを知るテイラーに、千ドルの金で横奪りを頼まれた。サムとビンディケーター、それに同行するマーサとヒラリー母娘の旅が始まった。ダッジシチーからの馬車の旅の途中で、サムが裏切ったことを知ったテイラーの手下が待ち受けていたが、サムに倒され、一行はボーエン牧場に到着。マーサとヒラリーはハーフォード種がこの地で根付くことを信じ、牧場で過ごすうちにボーエンの息子ジェイミーとヒラリーに愛情が芽生え、サムとマーサの間もお互いが気になる関係になっていた。ところが、牧場主のボーエンもマーサに愛情を持つようになり、やがて秋が来て、冬を越せないのではという心配の中、自然に任せるべく、ビンディケーターは牧地に放された。厳しい冬が過ぎ、牧場中に散らばった子牛を探す春がきた。ビンディケーターの子供が生まれていれば、マーサはサムとはーフォード種をともに育てることを約束し、見つからなければ、ボーエンの妻となることになっていたが…



1965年製作といえば、西部劇の伝統のガンファイトは、無法者の決闘を主題にした形で、イタリアの方で盛んに作られていました。この映画は、アメリカの西部劇ということで、アメリカの西部開拓時代の歴史や情景を前面に出した本家の西部劇です。この物語は大きく2つの部分に分かれています。前半が、牛の輸送と掠奪に関する物語。こちらは決闘シーンを多く描いたものですが、随分おとなしい描き方になっています。後半は、ビンディケーターの繁殖とラブロマンス。あまり決闘はありません。邦題のスタンピードは、前半にでてきます。原題の「The Rare Breed」むしろ後半に重きを置くドラマです。日本ではやはり西部劇イコールアクションと格闘という扱いだったことがうかがえます。

前半、セントルイスの競売からボーエン牧場に着くまでは、アクションあり、コメディありの部分です。ここは素直に面白いので楽しんで見ていきます。後半へと繋がっていくのは、マーサとヒラリーとヒンディケーターの物語。2人の父親はハーフォード種の優秀さを信じ、交配を重ねヒンディケーターを作り出しました。これをアメリカに定着しているロングホーン種と交配し、ハーフォード種の繁殖するアメリカの牧場を夢見ていました。志半ばで父は倒れ、母子でテキサスに夢の実現を確認しに向かいます。ヒンディケーターは娘のヒラリーが小さなころから育て上げた牛で家族のようなもの。ヒラリーのいうことは何でも聞く。そんな関係です。その旅の途中でサムと、ボーエン牧場の息子ジェイミーと出会う。そして、牧場に到着。後半に繋がります。

後半は、ボーエン牧場での生活となります。
ボーエンは、ひねくれものの牧場主でずっと髭もそらず不潔な男です。そこにマーサ親子が現れたのが、最初は鬱陶しくてたまりません。マーサはハーフォード種を持ち込みますが、ここはロングホーンの土地と、取り合いません。しかし、しばらく一緒に生活するうちにマーサが気になり始め、マーサの気を惹こうと、牛を遠ざけにかかります。そして放牧を提案、ビンディケーターは冬を越せないだろうと推測し、いなくなればマーサは自分に注目することになると目論んだのでした。
ボーエンは、清潔にして髭もそりマーサに言い寄ります。冬が過ぎ、ビンディケーターの生存も絶望視されたことから結婚を迫りますが、マーサにはまだビンディケーターの子を宿した牝牛がいるかもしれないと秋まで待ってほしいと頼まれます。

一方サムは、マーサの夢をかなえるために、ビンディケーターを守ろうと、吹雪の日ビンディケーターを探しに行きます。しかし、道を失ってしまい、自分が吹雪の中で危険な目に。春になってから広大な牧場を探しますが、見つけたのはビンディケーターの凍死した姿。それでもあきらめず、子牛が遺されているのではないかと、牧場内に小屋を建て探索を続けます。そしてついに、ハーフォード種の子牛を探しあて、ボーエンの家に持ち帰ったのでした。そして、マーサを巡ってボーエンと殴り合い、ボーエンがあきらめ無事マーサとハーフォード種の繁殖に勤めるのでした。

スタンピード

この映画は、黒人がほぼ出てきませんが、注目すべきはボーエンをはじめマーサ親子も、動かしているのはすべてその世代にアメリカに移住してきたイギリス人であること。そして、ボーエンの牧場で働くたくさんの使用人たちは、ほぼヒスパニックであること。今のアメリカの構図とあまり変わっていません。今、トランプ大統領が就任し、メキシコ国境に壁を設けるなどと、いろいろ騒動を起こしていますが、彼らは基本的にこの物語と同じ世界に生きているのではないかと思いました。そういう意味で、この映画脈々と流れるアメリカ社会の構図をそのまま表現していると思います。

主役は、ジェームズ・スチュアート。西部劇の中では人情派で、この人が出てくると、激しいガンファイトでなく、またあったとしても人情味あふれる西部劇が期待おでる、そんな役柄の役者さんです。

そして、この映画のもう一つの主人公は「牛」このハーフォード種は、いかにも英国貴族がやってきたという感じで、ユーモラスな表情を終始見せてくれますが、ずっと見ていると、特に子牛などはかわいらしくも見えてくるのです。

監督のアンドリュー・マクラグレンはジョン・フォード監督の下で修業した人物。そういう意味では、西部劇のピークは過ぎているとはいえ、アメリカの正統的な西部劇を受け継いでいますね、
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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プロフィール

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Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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