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「第一級の産婆」 世界初の女性監督(映画史を辿って)

ネットをいろいろ回っていると、沢山の映画創成期の動画を見ることができます。これもその一つ。本当にたくさんあって、どれを見るかは気分次第ですが、初期は長さも5分くらいのものが多く、いい加減に見始めると訳が分からなくなるので、ある程度予備知識を調べて、狙って見るようにしています。1902年のフランス・ゴーモン社製作の映画です。
原題:Sage- femme de première classe

あらすじ
若い夫婦が赤ちゃんのお店にやってきて、庭のキャベツ畑から赤ちゃんを貰うお話。(上映時間4分強)



小さな赤ちゃんの縫いぐるみを売っている店の前で、愛を語り合う二人がいました。一つ買ってあげるよという事になって、女性はいろいろな縫いぐるみを抱いて確かめます。これはどうかしらと進める店員。でも、縫いぐるみじゃ物足りないようで、店員は本物をと、塀の向こうのキャベツ畑に案内しました。

良く太ったキャベツの中には、赤ちゃんがいるようです。店員は一人一人取り上げ、女性は抱いていきます。何人か確かめた後で、最後に一人の赤ちゃんがとても気に入った様子で、二人はお金を払って帰っていきました。

第一級の産婆

監督のアリス・ギイは、世界初の女性監督。当時、世界初の映画会社であるゴーモン社の社長秘書でしたが、22歳の時に映画の機材を見て、もともと演劇に興味をもっていたアリスは、当時はまだ動く絵という認識であった映画に、自分ならもっといいものが撮れると、ドラマ要素を持ち込み製作を始めます。そして、生涯に1000本以上の映画にかかわった女性監督であり、世界初の劇映画監督でもあるのです。その演出ぶりは、軍隊を指揮するようであったとか…。

この5分ばかりの映画ですが、なかなかの素晴らしいファンタジーになっています。2人の男女の動作も店員(産婆)の所作にしても微笑ましく、大変楽しい映画でした。実際の赤ちゃんで撮影されているようですが、人種の違う赤ちゃんは縫いぐるみの様です。黒人の赤ちゃんを見ると、露骨に目を背ける場面があるのは、まだそういう時代だったということでしょう。キャベツ畑から子供を授かる訳ですから、このストーリー全体が恋愛から出産までの暗喩なのですね。

場面は、2カットで、表のお店と、裏のキャベツ畑という構成。俳優は、Germaine Serandと、Yvonne Serandと記録されています。撮影中は、子供が泣くたびに、母親がカメラの前に出てきて大変だったとか…。ともあれ楽しい映画ですし、映画を見ていろいろな映画の歴史を調べてみるのも楽しいものでした。

2019.4.14 HCMC自宅にてパソコン鑑賞
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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torrent13

Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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