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「ザ・サスペリア 生贄村の惨劇」 生贄信仰を持つ森の集落で

今日の鑑賞は、「ザ・サスペリア 生贄村の惨劇」。もちろんサスペリアとは何の関係もないのですが、名前にインパクトがあるのと、主要な登場人物の一人に、ショーン・ヤングが出ていること。あの元祖ブレードランナーの美人レプリカントです。内容も手ごろで、嫌な雰囲気がありそうなので、ちょっと期待して鑑賞です。2013年のアメリカ映画で、原題はJug Face (壺の顔)。日本では基本はネット配信ですが、オンデマンドDVDでの購入も可能です。

あらすじ
森の中の小さな集落に住む少女エイダは、村人の若者ボーディーとの結合を言い渡される。そして、エイダは、穴神様の憑依により陶工のドワイが作る壺の顔に、自分の顔が彫られているのを発見。それは生贄に選定されたことを告げるものだった。エイダはその壺を隠すが、その代わりに他の村人が次々と惨殺されていく…。



ストーリーを追うというよりは、まず設定から。
森の中に住む集団。森の奥深くに井戸くらいの穴があり、その中に穴神様が宿り村を守ってくれていると信じられていました。ここでは、子供を作るための結婚は結合と呼ばれ、本人の意思にかかわらず村人が決めて言い渡します。そして、女性は処女でなければならない。そして、穴神様が憑依した陶工のドワイが作る村人の顔を彫り込んだ壺は、穴神様への生贄を示し、そこに顔を掘られたものは、即座に生贄として穴神様の穴で首を切られ、生き血は井戸の中に注がれる。そういった不気味な風習のある集落でのお話です。集落の経済は、付近の町に卸す密造酒で成り立っているようです。

さて、エイダ(ローレン・アシュリー・カーター)は実の兄ジェスビー(ダニエル・マンチ)とのセックスで妊娠してしまいます。その後、エイダはボーディー(Mathieu Whitman)との結合を告げられますが、結合時は処女という掟に悩みます。そして、ドワイ(ショーン・ブリジャース)の窯を見たエイダは、自分の顔の壺が出来上がっているのを発見、壺を森の中に隠してしまいました。それを期に、村では惨劇が始まります。ボーディーの家族のアイリーン(Jennifer Spriggs)が惨殺され、穴神様を鎮めるためにドワイによりボーディーの壺が作られます。ボーディーは素直に生贄となりますが、その後、エイダの兄のジェスビーも穴神様の手によって殺され、しかも、エイダはそれらの場面をすべてトランス状態で体感していました。

ドワイはボーディーの壺は恣意的に作ったことを告白し、捕らえられてしまいます。しかし、エイダの導きで村から2人で逃走。さらにエイダはボーディーの母も穴神様に殺される場面を体感します。町の人の通報により、再び連れ戻された2人は、村で鞭打たれ、それが元でエイダは流産。父母は初めてアイダが妊娠していたことを知りました。すべてを告白したエイダは、父も殺されてしまい、穴神様の怒りを鎮めるには自分しかないと観念し、破局を止めようとすべてを告白、生贄を受け入れます。その夜穴神様が逃げろというお告げが来ますが、逃げるとドワイが死ぬと知ったエイダは、翌日村人の前で生贄になるのでした。

ザ・サスペリア 生贄村の惨劇

奇妙な集落が舞台です。住民は20人に満たない様子。その中で繰り広げられる惨劇といった内容です。住民は穴神様に素直に従い、生贄になることも素直に受け入れる(ほとんどの場合)。しかし、そこにドワイの恣意も入ったり、エイダが壺を隠してしまったりするので混乱し、結果的には、エイダを求めていた穴神様がお怒りに、という感じでしょうか。そういったことは、エイダのお爺さんを巡って、過去にもあったようです。そのような集落の人々が気持ち悪くもあり、町との交流も若干あるようですが、町の者は基本的には彼らとは距離をおいて近寄らないという態度の様でした。

さて、ショーン・ヤングですが、戒律至上主義の母として描かれています。戒律を守るためには娘を傷つけることも厭いません。股間を調べるために足を開かせる時に、たばこの火を押し付けるような鬼母です。そして、娘が生贄になれば村が救われるとなれば、娘の首を掻き切るのでした。いや、怖いですねこの世界。最後は、自分の家にエイダの首とともに一人戻るドワイ。普段は人との交流を絶って、ずっと生贄を選び続けてきた男です。いわばもう一人の主人公。エイダに自分が死ぬべきだといいますが、2人とも自分が幾人かの他人を死に追いやったという悔恨を背負っています。このあたりが、この物語の救われないところです。

このお話は、異様な風習に囚われた人々の業を描いていますが、ある意味普遍的な事象を表現しているとも見て取れないことはありません。こういったホラーなので、異様さが先に立って慮るのはなかなか抵抗があるのですが、何か社会を形成する人間の一つの特質をシリアスに浮き上がらせているようにも感じさせられます。人間社会でいろいろと起こってきたことを当てはめると、あながち単なるフィクションとも思えなくなるのですが…。

2019.4.12 HCMC自宅にて、Amazon Prime よりパソコン鑑賞
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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torrent13

Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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