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「忍術キートン」 いろいろな技巧が詰まったお洒落な喜劇

オールタイムベスト100から、未見の映画で、手ごろなものを選んで見ました。キートンの映画は、今まであまりじっくりと見たことがありませんでした。腰を落ち着けてみるのは初めてかもしれません。喜劇で有名な監督であり、俳優さんですね。1924年製作のアメリカ映画で、日本公開時はこの名称でしたが、のちに、「キートンの探偵学入門」として再公開されています。原題は、「Sherlock, Jr.」です。

あらすじ
バスターは映写技師の傍ら、探偵を志していた。ある日恋人にプレゼントを贈ろうとしていたキートンは、盗みの濡れ衣を着せられ追い出されてしまう。無念のうちに映写技師の仕事に戻ると、居眠りしてしまい、いつの間にか映画の中で、探偵として活躍する…



二兎追うものは一兎をも得ずということわざもありますが、ある小さな町の映写技師の男(バスター・キートン)は、探偵になる勉強もしていました。そして、少女(キャスリン・マクガイア)がいました。少女の父(ジョー・キートン)は何もせず、雇人(アーウィン・コネリー)に任せていました。そして、町の色男(ウォード・クレイン)。少女に贈り物で言い寄ろうとしています。映写技師も同様。映写技師は$3の物を贈りたいのですが、$1の物しか買えず、値段を$4に書き換えて少女に小さな指輪を渡します。しかし、少女はシャビ―な指輪に怪訝な表情。そこに、$3の物を買ってきた色男が現れ、少女は喜びます。そこに父が現れ、時計が無くなったと大騒ぎ。探偵を勉強中の映写技師は、皆の持ち物を調べますが、色男は$4の質屋の伝票を映写技師のポケットに忍び込ませ、それが見つかったおかげで、映写技師は濡れ衣を着せられ追い出されました。

映写技師は、色男の挙動に疑問を持ち、探偵の指南書に従って尾行を開始、しかし失敗し映写技師の仕事に戻ります。その頃少女は伝票を持って質屋を訪ね、質入れした人物を尋ねますが、ちょうどその時色男が店の前を通り、主人はあの男だと教えました。そして、映写技師は映画を始めると居眠りを始めます。映画では真珠の首飾りが盗まれるという現実と似た状況が…。居眠りの間に幽体離脱した映写技師は、映画の中で探偵として活躍。悪人役のウォード・クレインやアーウィン・コネリーを相手に、大追跡と大立ち回りの上勝利を収めました。

眠りから覚めた映写技師の元に、少女が誤解のお詫びにやってきました。そして、映画に映される最後のラブシーンを見ながら、2人はそれを一つ一つ真似ていったのでした。

忍術キートン

キートンの映画は、きっといくつか見たことがあるはずが、あまり記憶に残っていませんでした。古いコメディということで、どうしてもチャップリンと比べてしまっていたと思うのですが、今まであまり積極的に見ようとしませんでした。それも何なので、喜劇作家として有名なキートンの映画の特徴をちょっと調べてみたりしました。すると、キートンについての紹介を読むと、意外と技術面の評価が多いように思います。ふむ…確かに、そう。映画の構成や見せ方は素晴らしいと思います。

基本、ドタバタ喜劇が中心になるので、ギャグ中心です。ギャグの受け方は時代によって変わり、流行り廃りもあります。テレビ世代の私にとって、笑えるギャグは当時の日本のバラエティで、ドリフターズとか、てんぷくトリオとか。お笑いを、面白く感じるセンスも人によって違い、そうこういろいろあって、私は積極的に見てこなかったということかもしれません。キートンのお笑いは、ただのドタバタとはちょっと違い、構成も含めたレベルが高く、かつクールなシレっとした感じなんですね。「偉大なる無表情」という肩書通りでした。

前置きは終わりにして、忍術キートンですが、個別にも見どころの多い映画だったと思います。まずは、掃き集めたゴミの中から札を探す場面。札の特徴を言わせつつマイナス収支になっていきます。探偵になってからのビリヤードの見せ方は凝っています。そして、最後のオチはなかなかセンスがいいですね。ちょっと微笑ましい感じ。アクション的には、貨車から飛び降りつつ、給水塔の水に叩きつけられる場面ですか。この時に、首の骨を骨折し、ずっと気づかなかったというエピソードがあるそうです。体当たりの場面です。

やはり、周到な仕掛けとアクションと、無表情でそれを飄飄とこなしていくところが、いいところです。そして、ドタバタ劇だけに頼らず、技術を駆使して全体を丁寧に仕上げているところが素晴らしく、コメディとして完成の域に達していると思いました。チャップリンのようなペーソスとまでは生きませんが、見れば見るほど味のあるいい映画だと思いました。

2019.3.25 HCMC自宅にてパソコン鑑賞
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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