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「バクマン。」 現実を見つめたスポコンストーリー

見逃していた2105年の映画です。かつて一度飛行機の中で見始めてはいたのですが、少し見ただけで途中で寝てしまいました。今回JALのプログラムに復活していましたので、もう一度最初から見直しました。昨年は「SCOOP!」が公開され、ますます好調の大根仁監督作品です。

あらすじ
絵の才能を持つ真城最高(佐藤健)と、巧みな物語を書くと高木秋人(神木隆之介)。クラスメイトの亜豆美保(小松菜奈)への恋心をきっかけにコンビを組んだ2人は、人気漫画雑誌、週刊少年ジャンプの頂を目指す。編集者・服部(山田孝之)に見出され、連載に取り組む最高と秋人。だがその前に、ジャンプ編集部と新進気鋭のライバルたちが立ちはだかる。そして、遥か先を走り始めた若き天才漫画家・新妻エイジ(染谷将太)も同じ高校生であった。果たして2人は、ジャンプの頂点に立つことができるのか?!



進行がなかなか小気味よく、節目節目を描くよりも、その過程を描くことが重視しているような作り方になっています。従って、形式的なものはすっかり無視され、登場人物たちの努力が悩みが重視され、話がトントン進んでいく。漫画との合成も駆使しながら、この進め方は素晴らしいと思いました。

ヒロインは小松菜奈ですが、それほど出てきません。
・最初のコンビ結成の場面、最高と亜豆は意識しあっていたことを告白、最高は漫画家を、亜豆は声優を目指し、最高が書いた漫画がアニメ化されたら、亜豆がヒロインの声優をやることを誓い合います。
・亜豆は芸能活動の可能な他校に転校します。「いつまでも待ってるから」
・最高が過労で体をこわし入院しているところに見舞いに来て、恋愛禁止であることを告げ、「待てないから先に行くね」と立ち去ります。
この3回だけですね。ほぼ。2人が付き合っているシーンもありません。

亜豆の存在感は、最高の漫画とその執筆過程で増幅して描かれますが、ほぼ最高からの一方的な視点から描かれているので、亜豆の視点から見ると、自分の第一目標は芸能界なので、最高はお互い頑張ろうと言い合った友達程度、最高と付き合うのがメリットが少ないと考えれば、あっさり切るのは、まぁ自然とも言えます。自分は相当頑張っているのでしょうから。

バクマン

従って、エンドロールの「ずっと待ってるね」の漫画の一コマは、男から見た願望なのか、漫画や映画は所詮虚構で現実は違うよということなのか、最高の皮肉なのか、面白い一コマです。

最高は、亜豆が去った後、憑かれたように漫画に取り組み、ジャンプのトップを取る訳ですから、効果はあったようですが、それで燃え尽きてしまいました。卒業式の二人の会話にはもはや亜豆の影はありません。それで次のステップに移っていくわけですから、このあたりも、なかなか話のつくりがうまくて脱帽しました。

一方、新妻(染谷将太)は王者の風格、完全に格上を終始演じて見せます。それは相当な努力と天才の上に立っています。危うさは見せつつも明らかに差がある、そんな行動を見せてくれます。これも立派です。

編集の人たちも厳しい中で現実を見つめた行動をしています。

漫画家のスポコン的ストーリーでありながら、作ったようなサクセスストーリーやハッピーエンドでなく、現実をしっかり見据えて、若者の友情と熱意を描き出した傑作だと思いました。
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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torrent13

Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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