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「捨てがたき人々」 やり過ぎると現実味が薄く共感に至らない

ラインナップを見ていて、エロスがあり、かつドラマもありそうというところで、見てみることにしました。2012年の日本映画で、原作はジョージ秋山の漫画になります。

あらすじ
生きる事に飽きてしまったという、狸穴勇介は、故郷に帰ってきた。ある日、勇介は、顔に痣のある京子と出会う。京子は痣がコンプレックスで恋愛も諦めていたが、勇介にとって彼女が笑顔で接してくれる唯一の女性となる。生きている証を快楽にしか求められない勇介は、京子と無理矢理関係を持ち、同棲してずるずる関係を続けていくが、やがて二人は望まれぬ子供を授かることになった…。



狸穴勇介は、生きることに飽きてしまい、ふらりと故郷の五島に帰ってきました。とりあえず小さなアパートを借り、何もすることなく、海岸でのり弁を買って食べる日々。興味のあるのは女性の体だけで、女とみると舐めまわすような視線で眺めるのでした。いつものように海岸でのり弁を食べていると、弁当屋に勤める、顔に痣のある京子(三輪ひとみ)が話しかけてきます。痣にコンプレックスを持つ彼女は、塞ぎがちな性格だったところ、新興宗教の教祖に、人にはいつも笑顔で接するように教えられ、どん底の生活をしている勇介を明るく励まそうと、勇介に近づいてきたのでした。

勇介は、彼女を無理やり犯そうとしますが、通りかかった女性に見とがめられ、その場は別れます。しかし、勇介に興味を持った京子は、勇介の家を訪ねるようになり、結局、女性を抱くことしか興味のない勇介に無理矢理関係を持たれてしまいます。セックスにしか生きがいを見いだせない勇介と、女として扱われて安らぐ京子はそのまま関係を続け、勇介は京子の紹介で教祖が経営する水産加工工場に勤めるようになりました。

その頃、この町ではあるとあらゆる所で、不倫のカップルがあり、そこかしこで許されざるセックスが蔓延していました。結果として、自殺者の連鎖が出る始末。そんな中、勇介は京子の妊娠を告げられます。勇介は不幸な子はいらないと京子を追い出してしまいますが、幸せそうな京子を見て和解し、ついに親になってしまいました。数年後、勇介は家族を持ち、普通に責任感と幸福を感じる日々ではありましたが、小学生になった息子は、出来の悪い父親を無視。京子はともに宗教活動をする若者とセックスの毎日。そんな中で、勇介はついに息子に暴力をふるい、崩壊した家族は、お互いに愛を求めて慟哭するところで、この映画は終わります。

捨てがたき人々

勇介の露骨に女性の下半身を覗き上げる態度から始まって、登場人物の品性の無さを全く隠さず露わにしていきます。そして、そこに絡む京子は地元の新興宗教に目覚め、博愛の精神で人と笑顔で接する主義。そんなきっかけで勇介に関わっていきました。特徴的な人物として美保純や宗教家の社長や、結婚しても夫とセックスせずずっと不倫しているという女や、セックス中毒とも思える京子の母と禿おやじなどなど。手を変え品を変えでなく、相手を取り換えながらセックスし放題の人々でした。作品中ではみな豚のようだと表現されています。

不倫は悲劇も生み、原因はいろいろありますが、4人は死にました。画面の中では確かにセックスの場面は多いのですが、それほど見せ場として強調している訳でもなく、変な日常感の中でのセックス。しかしあとで思い返すと結構多い。そういう流れの中で、勇介がある程度まともな男に見えてくるのは、表面上のいい人にならず、コソコソやっているわけではなく、最初から俺にはこれしかないという潔さが原因でしょうか。子供ができて、覚悟ができてからは、あながちまともな男になったように感じます。

しかし、その行動は子供には通じませんでした。子供の前では、さすがに表面上でもお利口さんでないと認めて貰えなかったようです。そこが勇介の悲しいところでした。もともと、生まれてくる子は、不幸な子になると嘯いていた勇介は、やはり子供からは愛されなかったのでした。勇介もまともになってくると、愛に飢えるようになるようです。そして、それが暴力になってしまいました。明るい終わり方ではなく、彼らには何の出口も無さそうです。ただ、勇介は、ここまでの経験を通じて、下手な失敗はしないようになっているはず。それがまた厳しいところでしょう。

しかし、この映画エピソードやストーリーはなかなか面白いところが多いのですが、残念ながら登場人物はことごとく常識を超越し過ぎていて、結局は悲現実的な惨さや悲哀の様なものを感じません。人間描写もセックスを中心に描くあまり、ちょっと一面的な感じになっていると思います。展開も何かバランスを欠いたような感じがしました。いくら捨てがたいと言われても、だからと言って、掃いて捨てられる物ではないでしょう、と言いたくなりました。もしかして、捨てがたい人々とは、習慣を捨てられない、つまり懲りない人々という事ですかね?

【リスト】 ① 裸のエロスを見る作品

2019.3.1 HCMC自宅にて、Amazon Prime Videoより、パソコン鑑賞
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テーマ : 映画レビュー
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Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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