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「団地・七つの大罪」 東宝名優による、世相を映す艶笑コメディ

気軽なコメディではないか?ということで鑑賞した、「団地・七つの大罪」は、1964年の映画で東宝配給の作品です。7つの短編のオムニパスとなっていますが、最後の短編で一堂に会するスタイルでした。さて、この時代の新しい文化としての団地ですが、どのようなものだったのでしょうか。監督は、千葉泰樹筧正典です。

あらすじ
今や文明の象徴となった団地住まい。新しく開発された黄金ヶ丘団地に集った夫婦と家族たちの、あこがれの団地住まいに起こるハプニングをつづった七つの物語。東宝名優総出演。



第一話:虚栄の罪
中村太郎・花子夫婦(小林桂樹司葉子)は、団地に当選し、意気揚々と団地生活を始めました。いままで6畳一間のアパートではいろいろと障害のあった夜の生活も、ここなら大丈夫と大はしゃぎで、ダブルベッドを買うことになりましたが、となりの家に先を越され、これを知った花子は、マネをしたと言われたくないと、夫が注文したベッドを返品させてしまいます。

第二話:覗きの罪
花井正男(高島忠夫)は双眼鏡で各家庭を覗き見するのを楽しみにしていました。ところが、妻のみどり(団令子)は、覗くばかりで実行しない夫に大不満の様子。ニンニク料理攻勢をかけています。そんなある日正男は同じ団地に住む友人の部屋から覗きをしていると、なんと、みどりが知人の高木(船戸順)とラブ・シーンの真最中。正男はショックを受け、見るものでなくやるものだと思いなおしたのでした。

第三話:己が罪
松田(益田喜頓)は妻の信江(千石規子)が大天地教のお告げにより、上京を伸ばしている間に、同じ団地のゆかり(浜美枝)と契約し、連日情事にふけってしました。ところが神様のお告げで信江が幼子を連れて突然上京、ゆかりと鉢合わせしてしまいます。二人の女は静かに目線をお互いに飛ばしますが、ゆかりは身を引き、信江は神様のお告げで幼子を残して去ってしまいました。残された松田は、幼子をかかえて右往左往することとなりました。

第四話:やりくりの罪
碁好きな三谷一郎(加東大介)の大切な碁盤が、ある日無くなってしまいます。合理的生活を目標にする妻の洋子(東郷晴子)にバザーに出されてしまったのでした。そして息子の積み木までなくなっていました。二つの品物は同じ棟の友人佐藤(佐田豊)の家におさまっていて、訪ねて行ってこれを発見した息子は佐藤の息子と大喧嘩になります。やりすぎを妻にクレームする一郎ですが、結局洋子に、あなたのお給料じゃやっていけないと一蹴されてしまいます。

第五話:過淫の罪
川島弘二(児玉清)と由美子(北あけみ)夫婦は1DKに住んでいますが、周囲の部屋の水洗トイレの音が大きく、不満を抱えています。子供ができれば2DKに移れる為、由美子は夫に毎日プレッシャーをかけていますが、弘二は疲れ果て逃げ回っていました。そして、疲れ果てた弘二は遂にめまいで倒れダウンしてしまいました。

第六話:嫉妬の罪
木村宗平(三橋達也)と青野すみ子(草笛光子)が乗ったエレベーターが故障でストップし、二人は閉じ込められてしまいました。非常電話から管理事務所経由で修理を手配しましたが、事故を知った宗平の妻和子(八千草薫)も、すみ子の夫青野(藤木悠)も、二人が密室で何をしているかと心配で仕方がない様子です。一方、エレベーターの中の二人は、長い滞在に尿意をもよおし歯をくいしばっていました…。

第七話:文明の罪
団地婦人部会の提唱で、セルフの洗濯機が設置されますが、実際に洗濯をするのは夫たちの役目となってしまいます。洗濯場で集合する夫たちは、わが身の不幸に団結し、王政復古萬歳!と鬨の声を上げるのでした。

団地・七つの大罪

長々と書きましたが、普通に面白かったです。艶笑コメディとでもいいましょうか、ネタについてはお色気ネタがほとんどで、それもたわいもないものから、結構深刻なものまでありました。その後、映画で団地といえば団地妻という時代が来てしまいますが、ここでは新しい住居形態の団地での、いろいろな夫婦で構成されたオムニパス構成です。それにこの書き方って、当時のコメディ的な短編小説を読んでいる感じもあってちょっと懐かしい感じです。

7つのうち、最後の一つは総出演のカーテンコールとして、印象に残ったのは、第1話、第2話、第6話あたりでしょうか。第1話は導入ということで、この映画全体を暗示するしっかしとした作り、第2話は深刻な割に軽い結末で、あとの余韻を残す話。第6話はエレベーターの中の演技が秀逸で、笑ってしまいます。どれも長さが手ごろで、次々話が出てきますので、飽きませんでした。

そして、当時の名優がたくさん出演しているのも見ものでした。気に入ったのは、小悪魔的な役の、団令子浜美枝、怖い、千石規子、美しい八千草薫と色っぽい草笛光子の対比など、男性では、小林桂樹三橋達也が怪演で楽しく、益田喜頓の狼狽ぶりも板についた感じで楽しかったと思います。当時の情景がしのばれて、肩の凝らない楽しい映画でした。

2018.12.09 HCMC自宅にてパソコン鑑賞
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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