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「黒い十人の女」 名女優たちが織り成すアバンギャルドな心理戦

BSプレミアムから録画していた映画の鑑賞です。かなり前に録画したものと思いますが、なんとなく見るのに気合が必要な感じで、そのままになっていました。1961年の大映製作です。

あらすじ
テレビ局のプロデューサーの風松吉は、美しい妻・双葉がいながら、多くの女と関係を持っていた。愛人たちはお互いの存在を知っており、奇妙な関係が育っていく。ある日愛人の一人で女優の市子は双葉と松吉を殺す計画を話し合う。印刷会社を経営している三輪子はそれを聞いて、松吉に打ち明け、松吉に問い詰められた双葉はあっさり計画を認める。松吉は愛人関係を清算するため、双葉に狂言殺人を持ち掛け、愛人が全員集合した前で、空砲のピストルで松吉を撃ち、殺したように見せかける。愛人たちは離散し、双葉は松吉を匿うが、やがてこれも愛人たちの知るところとなり、双葉は夜道で全員から問い詰められる。ついに、双葉は松吉を譲ることになるが…。



夜のどこかに集まる女たち。中心にいるのは双葉(山本富士子)で集まった女たちは、双葉を取り巻いて何やら糾弾しているようです。そして、過去に戻り、ストーリーが始まります。

テレビ局のプロデューサー風松吉(船越英二)は、妻・双葉がいながら、多くの女と交際しています。妻と愛人たちは相互に存在を知っており、それぞれ松吉に忘れがたい魅力を感じ、また奇妙な連携がありました。ある日愛人の一人女優の市子(岸恵子)は双葉を訪ね、進展のない関係に終止符を打ちたく、皆で松吉を殺す仮想の計画を話し合います。印刷会社経営の三輪子(宮城まり子)は、それを聞いて松吉に単独で情報を流し、自分以外の関係を清算するよう迫ります。松吉はどうしていいか解らず双葉に相談し、狂言殺人を計画しました。

松吉を殺すための約束の日、双葉のレストランに愛人たちが集まります。双葉は用意した空砲のピストルで松吉を撃ち、殺したように見せかけ、愛人たちは、自分たちが共犯になることを恐れて、妻に罪を着せたつもりで逃げ出しますが、三輪子だけは後を追って自殺してしまいました。その後、双葉にかくまわれていた松吉ですが、やがて愛人たちに知られてしまい、冒頭の場面に戻ります。そこで、双葉が松吉を譲ると言ったため、市子が松吉を引き取るといい、松吉は市子の家で、何もしない日々を送ることとなりました。

ある日、怠惰な生活に飽きた松吉は、出勤しようとしますが、市子が松吉の退職届を出し、双葉も離婚届を出し、そして、愛人9人で生活費を出し合い松吉を養う計画になっていることを知らされます。すべての社会生活を失ってしまったと思った松吉は悲嘆にくれ、市子もわずらわしさから女優を引退しますが、その引退パーティに集まった愛人たちと双葉から祝福の花束を受け、皆は怠惰になった松吉には魅力を感じなくなり、それぞれの道に進んでいることを知らされます。そんな市子はパーティーの後、冷たい表情で自動車を運転しつつ闇の中に消えていくのでした。

黒い十人の女

暗い夜に、双葉を糾弾する9人の女のシーンや、10人の女に囲まれている風松吉のシーンが印象的でした。アバンギャルドな雰囲気が出ていて、素晴らしいと思います。ストーリー自体は心理戦が主で、それぞれの登場人物の、ちょっと異常感のある類型的な性格も面白いものでした。一方で、松吉の方は、当時のテレビ局という職場や、現代の精神の貧困的な話もありますが、あまり性格を感じられず、話の中では男という置物にすぎないように感じました。

山本富士子、岸恵子、岸田今日子、宮城まり子、中村珠緒と、有名な女優さんが勢ぞろいです。それぞれに美しくて、また個性のある演技を見せてくれているのが見ものです。中村珠緒とか、小悪魔的で可愛かったですね。山本富士子、岸恵子は物語の中でも両巨頭という感じで相対し、その中で宮城まり子が個性的な演技でした。船越英二は、このチャラい役柄ですがあくまで普通に演技しているのに好感が持てます。

そういう訳で、見どころが多く、なかなか面白い映画でした。当時の日本映画は、こういった気合の入った作品が多く作られていたのがよくわかります。変わったシチュエーションでドラマを作って心理的葛藤を表現していく感じは好きです。しかし欲を言えば、ちょっと焦点がぼけていて、主張が解りづらいような気がしました。いろいろと解釈できるのはいい事ですが、もう一つ何か伝わってきて欲しいようなそんな気がしました。でも画面といい、女優たちの演技といい、面白い映画であることは間違いないと思います。

2018.11.24 自宅にて、NHK-BSプレミアムの録画を鑑賞
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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torrent13

Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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