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「大鹿村騒動記」 山奥の村人たちの盛りだくさんなコメディ

引き続いて、最近のキネ旬ベスト10の作品を見るシリーズです。今回は、「大鹿村騒動記」。2011年邦画部門の2位になります。正直この映画の内容はあまりよく知らなかったので楽しみです。騒動記というくらいだから、上を下へのコメディを期待です。2011年の映画で、阪本順治監督の作品です。

あらすじ
南アルプスの麓の大鹿村でシカ料理店を営む善さん(原田芳雄)は、300年以上の歴史を持つ大鹿歌舞伎の花形役者。そして、実生活では女房が友人と駆け落ちしてしまい、独り身をかこっていた。公演を5日後に控えて稽古に余念のないある日、18年前に駆け落ちした妻・貴子(大楠道代)と治(岸部一徳)が突然帰ってくる。途方に暮れる善さんは、心は千々に乱れ、ついには芝居を投げ出してしまおうとするが…。



山間の大鹿村にバスから降り立った人々。一人は初めて訪ねてきた風情の青年で、最後に降りたのは老夫婦。運転手の一平(佐藤浩市)は目を疑いました。これは大変なことだと…。バスから降り立った青年の雷音(冨浦智嗣)は長野から求人広告を見て働きに来ていました。勤め先は善さんが経営するジビエ料理店「ディアイーター」。善さんは雷音を採用し、身の上話を始めますが、どうやら一人暮らしの様です。

村の伝統の大鹿歌舞伎を5日後に控え、稽古に余念のない善さんでしたが、そこにやってきた夫婦は例のバスから降りた二人でした。それはなんと、18年前に駆け落ちした元妻と親友です。これは大変なことになると皆は固唾をのんで見守りますが、そこはコメディ、いや大人の会話。親友の治は善さんの元妻の貴子が認知症がひどくなったので、返すと。なんだかんだでその夜は二人とも善さんの家に泊まりました。

翌日から、貴子は住み込みの雷音とともに、善さんの家で暮らすことになりますが、普通にも見えて、やはり認知症の症状が出てしまいます。村の中に彷徨い出ていろいろと騒動を起こすことも度々でした。ついに善さんは参ってしまい、主役をやっている歌舞伎を降りると言い出します。ところが、貴子がいろいろな記憶はあいまいながらも、かつて善さんの相方を務めていただけあって、セリフをすべて覚えていることが解り、村人の説得で二人で歌舞伎に出演することとなりました…。

大鹿村騒動記

まず、第一印象はコメディとして面白い。いろいろな小ネタがたくさん入っています。時折思わず吹き出すこともありました。彼が東京に行ってしまってしばらく経つ美江(松たか子)に、善さんが「木綿のハンカチーフ」の一節を歌うところとか、最高でした。他にも盛りだくさんで、見ていてついついニヤニヤしてしまう映画でした。そもそも、人の妻と駆け落ちしておいて、認知症になったから返しに来たというのが、よくも言ったものでした。

一方で、細かく山奥の村の世相を表すエピソードが詰め込まれています。リニア新幹線問題、遠くの病院に薬をもらいに行く老人、認知症、性同一性障害、過疎化、中国人研修生、などなど…。コメディネタと世相ネタで話は突き進んでいきました。そして、ラストになって大鹿歌舞伎の本番。聴衆は村の人々がエキストラ出演です。なかなか盛り上がっていますが、いままで快調なテンポで進んできたので、あまり日本の古典芸能に興味が無かった私としては、ここは長く感じました。ストーリーもクライマックスではあるのですが、大鹿歌舞伎の舞台にいろいろ詰め込んで埋もれてしまった感が残念…。

ということで、山奥の村の人々と生活を面白おかしく描いたコメディとして、また認知症の貴子を巡る人情ドラマとして、見ていて楽しい映画になっていると思います。主演で大活躍の原田芳雄はこれが遺作で病をおしての出演であったとのこと。迫真の演技であったと思いました。また、三國連太郎、石橋蓮司、大楠道代と往年の名優が名を連ねているのもこの映画の凄いところでした。内容から、ご当地ムービーかな?と一瞬思いましたが、町おこし的なそれとは一線を画していると思います。
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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