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「白夜」 ヴィスコンティ初体験は、全編ラブストーリーの核心部

GYAO!にあった無料動画で、今日はルキノ・ヴィスコンティの白夜です。イタリアの1957年の映画マルチェロ・マストロヤンニと、マリア・シェルの映画で、原作は勿論ドストエフスキー。きっと文芸の薫り高い作品かと思いますが、いかがでしょうか??

あらすじ
イタリアのある港町。ここへ転勤してきたばかりの青年マリオ(マルチェロ・マストロヤンニ)は、運河の橋に立つ一人の少女ナタリア(マリア・シェル)を見つける。マリオは好奇心から声をかけ、断わる彼女を家まで送り、翌晩の再会を約して別れた。翌晩、ナタリアは彼から逃げようとしたが、彼女は自分の行為をわび、身の上を語り始めた。それは、一年後の再開を期して別れた恋人とこの橋の上で再開の約束をしているというものだった…



この町に転勤してきて初めて上司の家族と郊外で過ごし、街に戻ったマリオは、橋の上で泣いているナタリアを見つけました。一目で彼女が気になったマリオは、早速口説いて明日の夜の再開を約し、家まで送っていきます。しかし、ナタリアは彼が去ったとみるや再び橋のところに戻り、なにやら人待ち顔の様子でした。マリオは翌日約束の時間に行ってみると、彼女は彼を見るや逃げ出してしまいます。追いかけて訳を聞くと、彼女は、人を待つ理由を語り始めるのでした。

幼いころ父母と別れ、祖母と暮らしていましたが、家計の足しに2階を下宿人(ジャン・マレー)に貸していました。その新しい下宿人に、彼女は一目惚れしてしまいましたが、祖母の監視が厳しく、到底2人の時間を作るすべがありませんでした。ある日、下宿人は彼女の気持ちを知って、祖母も含めて皆をオペラに誘い、そこで二人は言葉亡くしてお互い深く愛していることを感じ取りました。ところがある日、彼は町を去ってしまうことを告げます。そして、一年後にお互いにまだ愛していたら、街の橋の上で会おうと約束します。

ナタリアは、彼がもう町に戻っていると噂に聞いていましたが、訪ねることができず、手紙をマリオに託します。ところが彼女を愛しているマリオは手紙を捨ててしまい、翌日手紙を渡したかと尋ねる彼女に嘘をつきつつ、良心の呵責を感じながら二人で約束の時間までを楽しく過ごしました。しかし、10時になったのに気づいたナタリアは慌てて橋に向かいますが、彼はいません。落胆した彼女はその場を去り、マリオも彼女のことを忘れようと町に出ますが、喧嘩に巻き込まれてしまいます。お互い失意の2人は再び出くわし、マリオはナタリアの気持ちから彼のことが消えるまで待つといい、新しい日を迎えますが…。

白夜

この映画は、マリオとナタリアの2人の会話という形が主体で、ゆったりと進みます。それでも、退屈しないのは、演出の素晴らしさと、二人の演技と絶妙な会話の素晴らしさと、そしてマリア・シェルの可憐さ故と言っていいのではないでしょうか。時折入るマリオの下宿の風景がアクセントとなって、出会いの夜、二日目の夜、一年前の回想、そして三日目の夜から朝と、ほぼこの二人、あるいはナタリアと下宿人の愛の駆け引きの会話で埋められています。最初から最後までがラブストーリーの核心部という、なかなか稀有な映画だと思いました。夢想の中に生きているとも思えてしまうナタリアの純真さは、ジェルソミーナまで思い出してしまうような、無垢で可憐さを感じました。イタリア映画のヒロインは情熱的なタイプが多いと思うのですが、こういった穢れ無き純真さを感じさせるタイプも好まれていたのですね。

ヴィスコンティ体験、実は初めてなのです。正直、ヴィスコンティと言えば、貴族趣味(本人が貴族でもある)、豪華絢爛、とにかく長い、というイメージから敬して遠ざけておりました。しかし、長いと言ってもこの映画を見ていれば、逆に長いだけいい場面を見せて惹きつけてくれる監督ではないかと思った次第。これであれば、きっと長くてもじっくりと見ることができます。ドストエフスキーの原作と言えば、唯一ハリウッド版の「カラマゾフの兄弟」を見たくらいです。あまりよく覚えていないのですが、これにもマリア・シェルがでているのですね。これも1957年なので同年制作です。

すっかり、ヴィスコンティの術中にはまってしまって、ラブストーリーに酔ってしまった感がありますが、やはりこの時期のイタリア映画はいいなぁと改めて感じた次第。そんなに沢山見たわけではありませんが、自分の中の好きなジャンルの一つとして確立しそうです。

2018.7.11 HCMC自宅にてパソコン鑑賞
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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Author:torrent13
映画は見たり見なかったりの時を過ごしてきましたが、現状ベトナム在住で、時間があるので、主にネットで見ています。昔はSF映画と、ミニシアターが好きでしたが、その後は西部劇、そして、最近では邦画や古いハリウッド映画などにも見る範囲を広げてきました。

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